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HOME   »   ゴルフ  »  [マスターズ2019] 最終日のタイガー・ウッズ選手のラウンド
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 3日目を終えて11アンダーパー、首位のフランチェスコ・モリナリ選手と2打差で最終日のスタートを切ったタイガー・ウッズ選手の18ホールを観て行きましょう。

 3番ホールをバーディとしたものの4番でボギーを打ち、最も苦手としている5番も落として連続ボギーとしてしまいました。
 14年振りのマスターズ制覇、11年振りのメジャートーナメント優勝を目指すウッズ選手の前途に暗雲が漂ったのです。

 モリナリ選手は第1ラウンドの12番ホールから、第2・第3ラウンドとノーボギーという、バーディとボギーが交錯するのが一般的なオーガスタ・ナショナルゴルフクラブを相手にして「完璧なゴルフ」を展開していましたから、追い付くどころか差が開く状況だったのです。

 「やはり今回も難しいか」と感じられた7番ホール。
 タイガー・ウッズ選手はここをバーディとし、モリナリ選手は久しぶりのボギーを打ちました。
 続く8番パー5も素晴らしいセカンドショットによって2オンを果たし、惜しくも?イーグルは成らなかったものの、連続バーディとして、ウッズ選手に「僅かな希望」が生まれたように感じられました。

 とはいえ、久々のボギーを打ったモリナリ選手も、キッチリと8番ホールでバーディを奪って13アンダーを堅持していました。

 そして、最終組はアーメンコーナーに入りました。
 難しい11番ホールで、ウッズ選手はボギー。モリナリ選手は、さすがのパーでした。再び差が開いたのです。

 12番パー3。世界で最も美しいパー3と言う人もいるホールです。
 「最も」かどうかは分かりませんけれども、幾多のドラマを生んできたホールであることは確かです。
 マスター達にとっては短いパー3なのですけれども、この短いホールでマスター達がグリーンヒットできなかったり、時には池に打ち込むのですから、とても不思議と言うか、怖ろしいホールです。マスターズの女神がいたずらをするとも言われています。おそらくは、上空の風が安定せず、その読みが難しいことと、オーバーしてのグリーン奥からの寄せが難しいので、選手たちが「手前目」を狙っていることが多いのが、「いたずら」の原因であろうと思います。

 そして、モリナリ選手はこの「罠」に嵌ってしまったのです。
 
 よもやの池ポチャ。
 第3打も寄らず、ダブルボギーとしました。

 ウッズ選手はこのパー3をキッチリとパーで通過しました。
 2人のプレーヤーは11アンダーで並んだのです。

 他方、最終組がスコアを伸ばせない状況下、前の組のプレーヤーが抜き去って行くのもメジャートーナメントの特徴です。
 何しろ、世界トップレベルのプレーヤーが凌ぎを削っているのですから、最終日に自らのスコアを伸ばせないプレーヤーが順位を落とすのは「自然な」ことでしょう。
 15番パー5をイーグルとしたパトリック・カントレー選手や13・14番を連続バーディとしたザンダー・シャウフェレ選手が12アンダーとスコアを伸ばして、トップに立ったのです。

 タイガー・ウッズ選手が戦わなければならない相手が増えました。

 そして13番。左ドッグレッグのパー5。これも、とても有名なホールです。
 ティーインググラウンドからの絵で、多くのゴルフファンが、ひと目で「オーガスタの13番」と分かるのですが、そういうパー5は、世界中のコースを観ても多くは無いでしょう。

 ウッズ選手とモリナリ選手は共にバーディとして、12アンダーで首位タイに上がりました。

 そして15番パー5、マスターズで勝つためには、どうしてもスコアを伸ばさなければならないホールです。
 タイガー・ウッズ選手はこの勝負所でバーディを奪っています。
 
 マスターズに優勝する時には、こうした局面で「イーグル」が出ることも多いのですが、今回・このホールではモリナリ選手が第3打を池ポチャしてしまったのです。
 おそらくはライが悪かったのでしょうが、まるでクラブフェースとボールの間に水膜が出来てしまったショットのように、飛距離が出ませんでした。
 12番の池は、土手に当たって落ちたものでしたが、15番のそれは池のど真ん中に落ちてしまいました。モリナリ選手にとっては本当に不本意なプレーだったことでしょう。

 これを観たウッズ選手は、慎重に、本当に慎重にバーディパットをプレーしました。
 これで13アンダーとして、ウッズ選手は「単独トップ」に踊り出たのです。
 そして、この13アンダーが優勝スコアとなりました。

 続く16番パー3で、タイガー・ウッズ選手は連続バーディを奪い、2番手グループとの差を2打としました。
 16番パー3はウッズ選手が得意としている、相性の良いホールでしょう。これまでのマスターズ大会においても、劇的なシーンがいくつも観られました。
 今回も、「伝統的な最終日のピン位置」に対して、「ここに打たなければならない」グリーン上のポイントにティーショットをヒットさせました。ボールはゆっくりと斜面を転がり下り、カップのすぐ横を通過して、ピン下70cm位のところに止まりました。このパットをしっかりと決めたのです。

 オーガスタ・ナショナルゴルフクラブをラウンドしたことが無い人でも、これまでマスターズトーナメントを見続けてきた人なら、最終日の16番ホールは「あそこに打てば良い」ことは分かっています。
 しかし、そこに中々打てないのです。直径1m弱のターゲットポイントに、きっちり打てる、それも、マスターズの優勝争いの最中に、首位に立つプレーヤーとして打って行けるところが、何よりも凄いことなのでしょう。

 18番パー4では、タイガー・ウッズ選手の第2打が、あまり飛びませんでした。
 こちらもライが悪かったのであろうと思いますが、モリナリ選手の15番の第3打と共に、「不思議なショット」でした。最新のクラブとボールとの間で発生しうる現象だとしたら、要対応事案なのかもしれません。

 18番ホールをボギーとしたタイガー・ウッズ選手ですが、1打差で勝ち切りました。
 短いボギーパットを決めた瞬間、オーガスタの森には「大」歓声が響き渡り、ウッズ選手は喜びを爆発させました。これまで観たことも無い「弾ける喜び」であったと感じます。

 「逆転のシャウフェレ」と呼ばれ、今大会も3日目を終えてトップから5打差という、自らのパターンに沿った位置からの追い上げを魅せて、12アンダーまでスコアを伸ばした、ザンダー・シャウフェレ選手。
 「メジャーに滅法強く」、メジャートーナメント3連勝を目指して、冷静かつ計算し尽くされたプレーで12アンダーまでスコアを伸ばした、ブルックス・ケプカ選手。
 現在の「世界ランキング1位」を争う存在として、常に優勝争いの中心に居て、12アンダーまでスコアを伸ばした、ダスティン・ジョンソン選手。

 この3名の誰が優勝しても、おかしくないトーナメントだったのでしょう。

 しかし、この3プレーヤーを抑えて13アンダーで栄冠に輝いたのは、「生きる伝説」タイガー・ウッズ選手でした。
 タイガー・ウッズ選手でなければ、抑え切れなかったのではないか、とも感じます。

 様々なショット、驚きに溢れたシーンが交錯した、素晴らしい大会でした。
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