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 6月3日、本年9月15日に実施される、マラソングランドチャンピオンシップMGCの出場選手が発表されました。

 日本陸上競技連盟強化委員会のマラソン強化戦略プロジェクトリーダー(ちょっと長い名称ですが)の瀬古利彦氏らから、同会見において発表されたのです。
 出場するのは、男子31名、女子12名の選手達です。

 東京オリンピック2020の日本のマラソン代表選手を一度のレースの結果によって決めようという、これまでの日本陸上界にはなかった試みですが、いよいよ迫ってきたと感じます。

 こうした取組については、基本的に大賛成です。

① 公平・オープンであること
② 一発勝負に対するコンディション調整能力や所謂「気持ちの強さ」も測り得る方式であること
③ その選手の持つ「運の強さ」が分かること

 が賛成の理由です。

 近時においては、特に①が重要でしょう。
 従来のように「会議で代表を決める方式」では、どうしてもブラックボックス要素が残ってしまい。選手の間や選手関係者の間、ファンの間にしこりが残ってしまいます。

 「本当は○○選手の方が強い」「依怙贔屓があったのではないか」「あの選手は選考委員長の出身校の選手だから」「私の方が記録は良いのに」・・・といった様々な意見や憶測が交錯してしまうのです。
 会議室という密閉された空間で、限られた人数の参加者により秘密裏(会議議事録詳細は公開されていません)に選択を行えば、どのような方法を取ったとしても、必ずこうした疑問が生まれてしまうのです。これは避けられません。

 そして、「選出されなかった選手が出場していた場合との成績比較は、いつの大会でも不可能」なのですから、密室で選考した人達の責任も最終的には問われない、結局は「まあ、仕方がない」といって忘れ去られる一方で、選出されなかった選手達やその関係者の不信感や、大袈裟に言えば「遺恨」は、長く残ってしまうのです。(「オリンピアンか否か」は、当該選手のその後の人生にも大きな影響を及ぼすものでしょう)

 それと比較すれば、今回のように「衆目監視のレースの結果」により、ほぼ自動的に代表選手が決まるというのは、とても「オープン&フェア」です。
 21世紀において、スポーツのみならず全ての分野において求められている「オープン&フェア」が相当に達成できているのでしょう。

 加えて、MGCへの参加資格を取ることができるレース、機会も相当数確保されていました。これも大事なことだと思います。

 当然ながら、東京オリンピック2020出場を目指す選手達にとって、最も大事なことは、MGC本番(9月15日のレース)において、自らの実力を100%発揮することなのですが、目標のレースに向けての調整方法は、ランナー毎に異なるのは自然な話でしょう。

 MGC出場を目指すレースと、MGC本番までの調整に必要な期間も、ランナーによって異なるのでしょうから、数多くのチャンスが存在することは良いことです。

 さて、MGCの実施が公表された際には、「やはり、残り1名は会議室で決めるのか」と少し残念な感じがしたものですが、今回の発表の際に、「残り1名の選出方法・設定記録」が公表されて、なるほどと感じました。

 代表選手残り1名を決める際の設定記録は、男子が2時間5分49秒、女子が2時間22分22秒という、現在の日本マラソン界にとっては「とても高い水準の記録」となったのです。
 これは、2017年8月~2019年4月(=MGC参加資格を得ることができた1年半余の期間)の日本人最高タイムより、男女ともに「1秒早い」記録となっています。

 この発表を聞いた時、「なるほど、オリンピックが近付いた時期に飛び出してくる『新星』のための枠」であると思いました。
 男子であれば、この設定記録を上回るということは、自動的に日本最高記録樹立となりますので、これは「大新星」の誕生でしょう。

 その時期、今回であれば、東京オリンピック2020開催時期ですが、その時期の「最強の日本人ランナー」を出場させようという観点からは、ひとつの考え方であろうと思います。
 この設定記録を上回る選手が登場しない場合には、MGCの3位の選手が代表となる、という建て付けも悪くないと感じます。
 MGCの重みは、厳然と存在しているのです。

 こうした方式と、「一発レースで全3名の代表を決める」方式のどちらが良いかは、今後の検討を待つこととなるのでしょう。
 私個人としては、やはり「一発レースで全代表を決める方式」の方が、より良いと考えていますが・・・。

 話を戻します。

 MGC開催の時期も良いと思います。
 9月15日といえば、日本列島はまだまだ暑い時期ですし、とんでもなく暑い残暑の時期である可能性も有ります。
 酷暑(高温多湿)下のレースが予想される東京オリンピック2020の、マラソン代表選考レースとしては、とてもマッチした時期に行われることになるのでしょう。
 午前9時台の時刻のスタートというのも「暑さ」を十分に考慮しています。

 オリンピック本番は、MGCより早い、午前6時前後・早朝のスタートですが、実施時期としては盛夏ですので、9月のMGCの暑さを「本番に近いもの」にしようという意図が感じられます。

 気温が低い時期にどんなに強い選手であっても、本番はとても暑い時期に行われるのです。
 高温多湿の時期に強い選手を選定する必要があるのは、当然のことだと思います。

 9月15日午前9時台、東京・神宮外苑の銀杏並木をスタートし、ゴールも神宮外苑、右手に神宮球場、左手に軟式野球場がある辺りであると発表されました。
 
 神宮外苑は、本記者会見の発表者のひとりであり、かつて日本男子マラソン界を牽引した瀬古利彦選手の練習場として広く知られていました。瀬古選手は、神宮外苑を走り続けていたのです。(当時は、瀬古選手を観たければ神宮外苑に行け、と言われていました)
 そのエリアが、MGCのスタート・ゴール地点となった訳です。

 9月15日が、本当に楽しみです。
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東京オリンピック2020マラソン・MGC参加選手発表  
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