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HOME   »   ゴルフ  »  [ツアー選手権2019] ラウンドを始める前から10アンダーパー?
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 アメリカPGAツアー2018~19年シーズンの最終戦、ツアーチャンピオンシップトーナメントbyコカコーラが、8月22日、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ郊外のイーストレイクゴルフクラブを舞台に開幕します。

 例年通りの最終戦ですが、今年からレギュレーションが大きく変わりました。

 プレーオフ第2戦のBMWチャンピオンシップまでのポイントランキング順に「ハンディキャップ」が明示される方式になったのです。
 「衝撃的なルール」だと感じます。

 1年間戦って来て、BMW選手権までのランキング1位はジャスティン・トーマス選手ですが、このトーマス選手はいきなり「10アンダー」から4日間のプレーを開始するのです。
 同様に、ランキング2位のパトリック・キャントレー選手は「8アンダー」から、同3位のブルックス・ケプカ選手は「7アンダー」から、4位のパトリック・リード選手は「6アンダー」から、5位のロリー・マキロイ選手は「5アンダー」から、トーナメントに入るのです。

 そして、ランキング6位から10位の選手は「4アンダー」から、11位から15位の選手(松山英樹選手はここです)は「3アンダー」から、16位から20位の選手は「2アンダー」から、21位から25位は「1アンダー」から、26位から30位はイーブンパーで、初日の1番ティーのティーイングショットに臨むことになります。

 例えば、松山選手とトーマス選手には、最初から「7打差」が付いているというルールです。

 年間王者を決めるという戦いにおいては、360日の成績と最後のトーナメントの成績をどのように「年間成績」に反映させるかという、難しいテーマが常に存在します。
 フェデックスカップとプレーオフ制度が導入された2007年から、様々な取組が行われてきました。

① 観客の分かり易さ

 昨年までのツアー選手権大会では、それまでに積み上げられたポイントに、最終戦の「大きなポイント」が加算されて合計点を出し比較して、年間王者を決めるという方式でした。
 
 そのポイントの配分方法が毎年のように変更されていた印象があります。
 例えば、戦前のポイント上位5名がツアー選手権大会で優勝すれば、他の選手の成績に係わらず年間王者となるが、ポイントが6位以下の選手が優勝した場合には、上位の選手の順位(例えば戦前のポイント1位の選手がツアー選手権で2位に入った場合)によっては、年間王者の行方が分からないといった事態が、発生していたのです。
 実際に、ツアー選手権大会の優勝者と年間王者が別々のプレーヤーという年も、ありました。

 近年は、ツアー選手権大会で付与されるポイントの比重が高くなり、大会優勝者と年間王者が同じ選手というケースが多かったように感じます。

 いずれにしても、ツアー選手権大会の観客の立場からすれば、眼前で行われているプレー・成績と、年間王者との関係を把握することが、とても難しかったことは事実でしょう。

 一方で、BMW選手権大会までに、あるいはプレーオフに入る前までの、11ヵ月間で積み上げてきたポイントが重視されるべき、それこそ「年間王者」であろうという意見、「プレーオフおよび最終戦・ツアー選手権のポイントが大き過ぎる」という見方があったことも事実です。

 また、PGAやフェデックス社の立場からすると、プレーオフシリーズやツアーチャンピオンシップトーナメントに注目が集まるように、プレーオフの3大会、特に最終戦にポイントを重く配したいというニーズがあるのも、無理のないところです。

 2007年以降、毎年のように「このバランス」についての議論が交わされ、様々な形が採用・試行されてきたわけです。

 そして、ついに、「スタート前からハンディキャップ」を付するという、2019年大会の方式が採用されたのです。
 この方式ならば、目の前で行われているプレーのストローク順位がそのまま年間王者を決める競い合いとなりますので、観客には、とても分かり易いのです。

 他方で、「スタートする前からアンダーパーの選手が居る、それも『10打差』といった大差」があるのは、ゴルフ競技には馴染まないのではないか、といった意見も出てくることが予想されます。

 ツアー選手権大会2019は、PGAにとって、世界中のプロゴルフトーナメントにとっても、大きな挑戦なのであろうと感じます。

 とても興味深い取組です。

② プレーヤーにとっても挑戦し甲斐が有る方式ではないか。

 2018年までの方式ですと、例えばポイント30位で出場した選手が年間王者となるためには、まず自身がツアー選手権大会で優勝して、戦前のポイント1位から5位位までの選手が、軒並み25位以下の成績に成らなくてはならないという、あまり起こりそうもない事態が必要であったように記憶しています。(毎年のようにレギュレーションが変わりましたので、古い記憶かもしれません)

 それと比べると、2019年方式は、単純に言えば「10打差を逆転すれば誰にでも優勝のチャンスが有る」のです。
 出場するプレーヤーにとっても、「やりがいがある方式」になっているように思います。

 「10打差」は、4日間のプレーにおいては「1日2.5打」詰めて行けば並ぶことができます。
 世界トップクラスのプレーヤーを相手に、1日2.5打平均で詰めて行くのは、もちろん至難の技ですが、追いかけるプレーヤーが目の前でその差を明確に把握しながら、プレーを行うことができるところは、とても面白いのではないでしょうか。

 2019年大会は、プレーヤーにとっても、新方式の意義が分かる大会なのです。

 新方式による2019年ツアー選手権大会の「年間王者」関連ボーナスは、優勝者が約15億9千万円(1,500万ドル。1ドル=106円換算)、2位が約5億3千万円(500万ドル)、3位が約4億2千万円(400万ドル)と報じられています。桁違い、気が遠くなるような高額です。

 全てのプロゴルファーにとっての「世界最大の夢」が、PGAツアーのフェデックスカップ「年間王者」であることは、間違いないのでしょう。
 もし、最終日・最終ホールで1打を巡る争いとなれば、極めて明確な「超高額な1打=例えば1打10億円のパッティング」が現出することになります。
 
 2019年のツアーチャンピオンシップトーナメントは、例年以上に面白くなりそうです。


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