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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム60] 第80回日本ダービー キズナ号優勝!
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 キズナは、4角で最後方グループに居ました。直線の急坂を上りきった残り300m地点から加速し、前を走る14~15頭のライバルたちを一気に交わしてゴールという、見事なレース振りでした。

 日本ダービーには、いくつかの「勝ちパターン」があるのですが、その中で最も難しく希少な勝ち方で優勝したのです。
 この「4角最後方からゴボウ抜き」というパターンで優勝したのは、私の知る限り、ヒカルイマイ、ミスターシービーに続く、3頭目の快挙だと思います。
 そして、キズナの走ったコース、他の馬の配置を考慮すると、ミスターシービーの勝ち方に良く似ていると思いました。

 キズナがこうした難しい勝ち方をすることが出来たのは、前半1000mのタイムが60秒台と平均ペースであり、1000m~1800mの中間走に緩みが無く、上り600mが35.2秒であったことに、理由があると考えます。

 いつも書くことで恐縮ですが、どんなサラブレッドでも上り3ハロン・600mを31秒で走ることは出来ません。競走馬の絶対スピードには限界があるのです。
 日本ダービーのような大レースで、出走馬が強い馬ばかりであれば、道中楽は出来ませんから「33秒台で上がってくれば速い」ということになります。
 そうすると、先行馬が34秒台で上がってしまうと、最後方からでは届かないのです。これは、どんなに強い追い込み馬でも無理です。

 このレースは、道中のペースに緩みがありませんでしたから、先行馬の上がりには35.2秒を要しました。一方で、前半1000mは平均ペースでしたから、上りが36秒・37秒かかるという「先行馬総崩れ」のレースにもならなかったのです。3着に、先行したアポロソニックが残っていることでも解ります。

 こうした微妙なペース上がり下がりの中で、キズナは上がり3ハロン・600mで1.7~1.8秒のタイム差を縮めることが出来、ゴボウ抜きの大逆転レースを実現できたのです。

 レース後の鞍上・武豊騎手のコメントが印象的でした。「この馬のレースをしようと考えて乗った。直線で追い出した時には、届くかどうかは判らなかった。」と。武騎手は、キズナの能力を最大限に引き出すことに努め、全体のレース展開とのバランスの中で、ゴールで先頭に居たということでしょう。

 ミスターシービーのレースと似ていたと頭書しましたが、違う点はといえば、ゴールでの着差です。シービーは1と3/4馬身差、キズナは1/2馬身差です。
 これが、日本ダービー時点での、同世代のライバル達と、この2頭の力の差を示していると考えます。
 ミスターシービーは、追い出しのタイミングや展開が多少変わっても勝てる力の差があったのですが、キズナはこの形・このタイミングしかなかった、ということではないでしょうか。

 エピファネイアは大魚を逸しました。これで、皐月賞・日本ダービーとクラシック2戦連続2着です。菊花賞での巻き返しが期待されます。
 ロゴタイプは、それなりには走りましたが、こうした緩みの無い厳しいレースは、器用さだけでは乗り切れないことを示しました。
 コディーノは、最後の直線でキズナより2馬身前で追い出しましたが、全く伸びませんでした。これが血統のせいなのか、調子落ちのせいなのか、今後のレースを観てみたいと思います。

 そして、キズナ号は10月の凱旋門賞に挑戦するようです。斤量面で3歳馬が圧倒的に有利な凱旋門賞です。あの切れ味を、フランスでも魅せてほしいものです。
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