FC2ブログ
HOME   »   大相撲  »  [大相撲] 2013年5月場所を振り返って
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 将来、この5月場所を一言で表すとしたら「大関・稀勢の里の場所」ということになるでしょう。

 しかし結果は、横綱・白鵬が15戦全勝で25回目の優勝を飾りました。自身の全勝優勝記録を10回に伸ばしたのです。

 稀勢の里は強くなりました。前に出る力が増して、中々押されなくなりました。もともと地力は十分ですから、重心位置が少し低く前になっただけで、これ位の成績は残せるのでしょう。
 特に12日目の横綱・日馬富士戦、13日目の大関・鶴竜戦は見事な内容でした。立合いでガシッと受け止め、真っ直ぐに押して行くという取り口。日馬富士も鶴竜も、左右に自在に動ける力士なのですが、稀勢の里の圧力が強かったのか、おっつけが効いていたのか、何もできませんでした。この2番の強さを観れば、稀勢の里が既に横綱でも違和感は無いでしょう。

 それでも優勝が白鵬であったということは、白鵬の力も増していたことになります。共に13連勝で迎えた14日目の対決は、5月場所の愁眉でした。

 立合いで、白鵬は少し交わしました。稀勢の里の圧力をまともに受けることを回避することと、四つになることを狙ったのでしょう。直ぐにがっぷり四つとなり、体を入れ替えて白鵬が寄り立てます。おそらく、この寄り(体を入れ替えた際に、稀勢の里の重心が少し浮いている状態での寄り)が、第一弾の白鵬の攻めだったのです。

 稀勢の里は少し後退しましたが、この寄りを堪えて、逆に強烈な引き付けから寄り立てます。白鵬は、この寄りに対して、両まわしを引いたまま、まず右に稀勢の里を振ります。続いて、左に振り、再び右に振って、そのまま土俵に捻じ伏せました。
 最近、白鵬関が身に付けた、両まわしを引いたままの捻り倒すような投げです。稀勢の里と白鵬は、一緒に土俵に倒れ込みますが、白鵬の体が稀勢の里の上にありました。

 このところ白鵬は、寄り切れないと感じた相手に対して、素早い肩すかしや捻りが効いた投げで料理していますが、稀勢の里に対しても「捻り投げ」で勝負したことになります。白鵬独特の柔らかい上半身を最大限に活用した新しい攻め口、横綱・白鵬の進化の証です。横綱となり、24回の優勝を積み重ねてきた中で、さらに進化を続ける白鵬関に、拍手を送りたいと思います。

 また、白鵬は稀勢の里相手にまともに戦ってはリスクが高いと考えたのでしょう。稀勢の里の腰が落ち着く暇を与えずに、攻め続けました。作戦といい、技のキレ味といい、見事な横綱・白鵬の大相撲であったと思います。

 一方、稀勢の里関は、この取組では白鵬のスピードに付いて行けませんでした。また、がっぷり四つとなってしまい、稀勢の里の最強の武器である「左からのおっつけ」を出すことが出来ませんでした。一気に相手力士を吹っ飛ばす威力をもつ「左のおっつけ」を封じる、白鵬の作戦勝ちでもあったと思います。

 敗れた稀勢の里ですが、この場所は精神面の充実が感じられました。緊張すると盛んに瞬き(まばたき)をするのが特徴だったのですが、今場所はその瞬きが少なく、立合いの手を付いた時に見せる腰の動きもありませんでしたから、冷静沈着かつ安定した姿勢で取組に臨んでいました。
 また、時々何か呟いているシーンが目立ちました。自らを落ち着かせる手法を身に付けたのかもしれません。

 第一人者の大横綱・白鵬に「まともに取ると危ない」と思わせる程に、今場所の稀勢の里は充実していました。千秋楽に大関・琴奨菊の寄りに屈して13勝止まりだったことは、本当に残念ですが、いずれにしても来場所優勝するしかないのですから、同じことだとも言えます。

 今場所の稀勢の里関には、常に大きな拍手・歓声が送られました。大関・魁皇に送られた拍手・歓声に勝るとも劣らないものでした。
 大相撲の明日を支えるスター力士として、ファンは稀勢の里を認めたのだと思います。であれば、ファンの期待に応えるためには、来場所優勝するしかないのです。横綱昇進とは別の次元の話です。

 稀勢の里関は、この期待に応えなくてはなりません。そして、応えて行く実力は十分に備わっていると思います。
関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[日本サッカー] サッカー専用スタジアムを増やさなければ
NEW Topics
[温故知新2020-競泳3] 男子100m背泳ぎ 日本チームのメダル独占
[競馬(無観客)] 安田記念2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス3] 「アイス・ドール」 クリス・エバート選手
[温故知新2020-男子テニス4] 黒人プレーヤーの先駆者 アーサー・アッシュ選手
[ブンデスリーガ2019~20(無観客)] 鎌田大地選手 2試合連続ゴール
[競馬コラム269] オークス2020のデアリングタクトと日本ダービー2020のコントレイル
[温故知新2020-陸上競技4] 男子走り幅跳び オリンピック金メダリストの記録
[ブンデスリーガ2019~20・第27節(無観客)] バイエルン・ミュンヘン 圧勝
[温故知新2020-女子テニス2] アメリカの英雄 ビリー・ジーン・キング選手
[競馬(無観客)] 東京優駿(日本ダービー)2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス1] 「史上最強」 マーガレット・コート選手
[温故知新2020-男子テニス3] ダブルスの名手 ジョン・ニューカム選手
[温故知新2020-陸上競技3] 男子10,000m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-競泳2] 男子1,500m自由形 日本チームの全盛期
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
Entry TAG
大相撲5月場所は稀勢の里の場所   進化する白鵬  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930