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HOME   »   ラグビー  »  [ラグビーワールドカップ2019準決勝-1] イングランドVSニュージーランド 観戦記
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 スイングロー・スイート・チャリオットの歌声が、横浜国際総合競技場に響き渡りました。

 試合開始前から聞こえていたのですけれども、試合が開始され、試合が進行するにつれて、その歌声は頻度・声量共に増加して行きました。
 白に赤い薔薇のユニフォームに身を包んだ、沢山のイングランドチームのサポーターが、肩を組んで、天に向かって歌っています。

 そして、試合時間が70分を過ぎて以降は、スイングロー・スイート・チャリオットが、スタジアムに響き渡り続けたのです。

 本場?の応援の大合唱を見て、聴き、感じることができたのは、とても貴重な思い出となりました。

[10月26日・準決勝第1試合・横浜国際総合競技場]
イングランド19-7ニュージーランド

 イングランドチームの「完勝」でした。

 ニュージーランド・オールブラックスは「為す術も無く」敗れたのです。

 このゲームについては、10月25日付けの記事で、「互角」と判断し、「前半20分までの間に最初にトライを挙げた方が優位に立つ」と書きましたが、この日のイングランドチームには、「20分」などという時間は必要ありませんでした。

 ゲーム開始1分40秒、ニュージーランドゴール前に迫ったイングランドは、センターCTBマヌー・ツイランギ選手が右中間にトライ。
 あっという間の先制トライでした。

 正面スタンドから観ていて、「随分押し込んでいるな」と感じていましたが、そのままトライするとは思いませんでした。オールブラックスが、そんなに早くトライを許すとは、思いもよらなかったのです。

 しかし、イングランドチームの「前進力」は極めて高く、ニュージーランドチームはワンプレー毎に後退していましたので、こうした結果が生まれたのでしょう。
 ひとつひとつのプレーのパワーはもちろんとして、スピードもイングランドが勝っていました。

 ツイランギ選手のトライで、ゲームは一気に傾きました。
 イングランドチームが「支配」したのです。
 この「支配」はゲーム終了まで続きました。

 前半終了間際、イングランドのスタンドオフSOジョージ・フォード選手がペナルティーゴールPGを決めて、10-0で前半を終えました。

 「1対1」のプレーで、イングランドチームが圧倒している展開では、この10点は大きいと感じました。
 個別のコンタクトプレーで、ほぼイングランドが勝ち続けるという展開は、試合前には想像していませんでした。
 ニュージーランドチームの各プレーヤーのコンディションが悪かったのかもしれませんが、ここは「イングランドの出来が良過ぎた」と観たいと思います。イングランドチームは、本当に素晴らしいプレーを続けたのです。

 後半開始早々のオールブラックスの反撃が期待されましたが、ゲーム展開は前半と同じでした。全てのプレーでイングランドが勝っているのです。
 まず後半9分にSOフォード選手がPGを決めて13-0。
 試合は一方的な展開となりました。

 後半16分、ニュージーランドのフランカーFLアーディ・サベア選手が、イングランドのラインアウトのボールを直接キャッチし、そのままトライとしました。
 イングランドのミスを突いたプレーでした。
 ニュージーランドは7-13としたのです。

 しかし、オールブラックスのファンの皆様には申し訳ないのですが、この試合に限っては、「反撃開始」という雰囲気はありませんでした。
 「零敗」を免れた、というのが、ニュージーランドチームの正直なところではないでしょうか。

 その後も、後半22分、29分とSOフォード選手のPGが決まって、19-7とイングランドがリードして、試合も終盤を迎えました。

 この試合では、イングランドの攻撃において「微妙な判定」が2度ありました。

 2度とも、当初イングランドのトライと判定されたものが、ノートライに変更されたのです。
 TMOにより、スローフォワードといった判定が下されたものですが、本当に微妙でした。
 もちろんノーゴールなのですけれども、この2つのノーゴールがトライと判定されていた得失点(イングランドに10~14点が加算された形)が、このゲームの内容に相応しいようにも感じます。
 それ程に、一方的なゲームであったと思います。

 残り試合時間3分を切ったころから、オールブラックスの最後の攻撃が展開されました。
 なんとかボールを活かしながら、右に左に走り回ります。
 しかし、どんどん後退して行くのです。
 それも、相当の速度での後退でした。

 「攻めながら後退する」というのは、ラグビーでは珍しいことではありませんが、これ程に速く連続した後退と言うのは、滅多に観られないものでしょう。
 ニュージーランドのプレーヤーとイングランドのプレーヤーがコンタクトする度に、押し返されるのです。

 「このまま自陣インゴールまで押されるのではないか」と隣の妻に言いました。

 さすがに、そんなことは起きなかったのですが、この一連のシーンが、このゲームを象徴していたと感じます。

 イングランドチームは、凄いゲームをしました。
 ベストゲームでしょう。
 特に、そのディフェンスは見事なもので、ほとんど反則をせずに、あのオールブラックスの攻撃を止め続けたのです。
 試合前には、オールブラックスがイングランドの反則からPGをいくつか決め、イングランドがトライ+ゴールで追い上げるという展開を予想していたのですが、その前段である、「オールブラックスのPG」が皆無の試合となったのです。

 一方のニュージーランドにとっては、全く不本意なゲームでしょう。
 もともと少人数しか投入しないラックプレーにおいて、再三ボールを奪取され、安定感十分なはずのラインアウトでも、イングランドに絡まれ失球するといった、「らしくない」プレーの連続でしたが、先にも書きましたように、これはイングランドの出来が良過ぎたと観るべきでしょう。

 オールブラックスのプレーヤーは、何度も何度もイングランドの守備ラインに突進しました。
 ここで「抜ける」ことができれば、組織的なフォロープレーによってチャンスを拡大することができたのですが、この試合では、なかなか「抜ける」ことが出来ませんでした。
 ランナーが悉く潰されていた印象です。
 
 一次攻撃の段階で潰されてしまうと、ニュージーランドチームには「得意のプレー」を展開する機会が無いのです。
 これが、このゲームにおける「単発に見える攻撃」の原因であろうと考えています。

 2007年ワールドカップまで、毎回のように観られていた、オールブラックスの意外なほどに脆い試合が、2019年の準決勝で久方ぶりに登場してしまいました。
 オールブラックスにとっては、本当に残念なゲームでした。

 イングランドは「完璧なゲーム」を展開しました。
 そして、ワールドカップの舞台で、オールブラックスにはじめて勝利したのです。

 エディ・ジョーンズHC率いるイングランドチームの、決勝戦における戦い振りに注目です。

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