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HOME   »   ラグビー  »  [ラグビーワールドカップ2019-40] 選手の首根っこ下の四角いポケットにはGPS?
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 ゲームを観ていた妻が「選手達の背中の真ん中上部、首の下あたりにポケットが在って、中に何か入っているみたい。あれ何?」と聞きます。

 後日には、「ユニフォームにはポケットが付いているけれども、今日のチームは何も入っていなかった」とも言います。

 少し調べてみました。

 首根っこ下の四角いポケットに入っているのは、どうやら「GPS装置」のようです。

 選手ひとりひとりがGPS装置を所持して、戦っているのです。

① 試合における運動量の測定

 GPSは、「GPSが付けられている物」の移動状況を把握するための装置ですから、この場合であれば、「選手の移動距離=その試合において当該選手が動いた距離」が分かります。
 個々の選手の走破距離の把握も容易にできるのです。

 おそらくは、その測定結果は、試合の5分毎、10分毎、あるいは1分毎に把握できるのでしょうから、「運動量が落ちてきた選手」の交替時期の判断に、重要な情報ともなるのでしょう。

 A選手は、いつもなら後半10分頃までは運動量を維持できるのだが、この試合では、前半30分過ぎから運動量が急激に下がっている、この試合では、後半開始時点から交替しよう、といった判断が可能になります。
 選手の「いつもとの違い」、疲労の蓄積やコンディションの良し悪しによっての「違い」を、客観的に把握する手段として、とても有効だと思います。

 GPSが無かった時代には、ヘッドコーチや各部門コーチが、各選手の動き・様子を観ながら判断していた、個々の選手の運動量増減を、より正確に把握する手法ですから、ある意味では「革命的な変化」と言えるのでしょう。

② 練習時の諸点の把握

 GPS装置は、練習時にも付けられると聞きました。
 これは、個々のプレーヤーの練習時の運動量他の把握に使われるわけですが、ある意味では「とても厳しい」対応に観えます。

 簡単に言えば、当該選手が「ちゃんと練習しているか」、「サボっているか」が、一目瞭然に把握できてしまうからです。
 再びA選手の、いつもの練習時の走破距離平均が2時間で10kmだとして、本日は7kmというのでは、やはり「力を抜いている」と観られてしまう可能性が有ります。
 そういう意味では、GPSは「個々のプレーヤーのプレーをより正確に管理する仕組み」ということになります。

 GPSの価値は、試合時より練習時に高いのかもしれません。

 それにしても、選手が「今日はちょっと疲れた。練習を少しセーブしよう」と考え実行することが難しいというのも、何だか大変なことであると感じますし、そういう「心持ちになる頻度が高いプレーヤー」がレギュラーメンバーに選定されにくいのかもしれないと思うと、少し割り切れない感じもします。

③ チームメンバーの構築

 GPS装置は、当該選手の「ランニングスピード」や「加速力」といった情報も把握できます。

 また、個々のプレーヤーの特性、例えば「ダッシュ力が有り10m以内の目標物への寄りが速い」といったことや、「30mを走らせると速い」とか、「一定のスピードで30分間走り続けることができる」といった「持ち味」を、客観的に数字で観ることができます。

 こうした情報は、ゲーム前のメンバー選定等において、とても重要でしょう。

 相手チームのメンバー・プレーの特徴を十分に調査した上で、自チームのメンバーの持ち味により、試合毎にメンバーを選定して行くことは、大試合になればなるほど、大きな威力を発揮することになりそうです。

 逆に言えば、こうした「基本的かつ客観的な情報が無い」チームは、ゲーム開始前から劣勢に立たされていることになります。

 今回は、ラグビーの試合におけるGPS装置の効用について簡単に観てきましたけれども、当然ながら、GPS装置から得られる情報は膨大なものでしょうし、その膨大な情報を瞬時に分析し、練習や試合に即座に活かしていくための仕組み、おそらくはAIでしょうが、その仕組みも、既にチーム毎に確立されていると考えられます。
 
 他のスポーツと同様に、ラグビーも「情報戦の時代」であることは、間違いありません。
 「GPS装置からどのような情報を得るのか」、「AIの性能」といった、ベーシックな仕組みの競争が、試合結果に大影響を与える時代が来ているのです。
 各チームに「AI・GPS班」が必要、それも相当規模・高スキルの「チーム」が必要であることも、当然のことだと思われます。

 もとより、「AIの言うことは何でも正しい」などということがある筈も無く、当該AIを作った人間の能力に、AIの能力が左右されることは道理ですし、AIの学習機能・自習機能といったところで、学習・自習のプログラム・やり方によってその能力が大きく異なるのも自然なことですし、完全に自分で自分の能力を高める仕組みを構築し実行するタイプのAIともなれば、これは人間の成長に近い過程(より速く正確な知識を蓄積するかもしれませんが、知識量と判断能力は必ずしもリンクしません)を取りますので、結果として、人間と同様の「本当の間違い」を犯す可能性が十分に有るでしょう。
 当然のことながら、AIにも、高レベルのAIと低レベルのAIが存在するのです。
 前述のチームの力が試される所以です。

 どんな競技においても、こうした情報戦で後手を取るようでは、大試合での勝利は覚束ない時代がきているのでしょう。

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