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 11月26日から12月1日にかけて、東京・駒澤オリンピック公園総合競技場体育館を舞台に開催された、第73回バドミントン全日本選手権大会は、東京オリンピック2020の出場を目指す、世界ランキング上位のプレーヤーによる、素晴らしくも厳しい戦いが繰り広げられました。

 各種目の決勝の結果は以下の通り。

[12月1日・混合ダブルス決勝]
優勝:渡辺勇大選手・東野有紗選手2-0西川裕次郎選手・尾﨑沙織選手

 渡辺・東野ペアが、安定したプレーを披露して勝ちました。西川・尾﨑ペアも随所に好プレーを魅せましたが、つなぎの得点の取り方、ゲームの締め方において渡辺・東野ペアが勝っていました。
 試合後のインタビューでは、東野選手の力強いコメントが印象的でした。
 しばらくは、日本混合ダブルス界における、渡辺・東野ペアの時代が続くかもしれません。

[12月1日・女子ダブルス決勝]
優勝:松本麻佑選手・永原和可那選手2-1福島由紀選手・廣田彩花選手

 世界選手権で2度優勝している松本・永原ペアですが、全日本は未勝利というより、決勝進出も初めてという形でしたが、全日本3連覇を目指した福島・廣田ペアを、接戦の末下して、初優勝を飾りました。

 第1ゲームは、福島・廣田ペアの巧みな試合運びが光りました。
 2人共に身長170cmを越える長身ペアである松本・永原ペアとの「強打の打ち合い」を避けて、ネットプレーを交えたプレーで得点を積み上げました。
 初の決勝戦で、やや松本・永原ペアが難くなっていたこともあるのでしょうか、第1ゲームは21-10で福島・廣田ペアが圧倒しました。

 このままスローペースの展開で福島・廣田ペアが押し切るかに思われた第2ゲームでしたが、松本・永原ペアがプレー速度を上げ、時折強打を連発するという戦法に切り替えて、試合の流れを互角に戻しました。そしてゲーム終盤は、自分達のプレーを展開して、このゲームを21-15で取り返したのです。
 この第2ゲームが、試合の分岐点となりました。
 勢いを得た松本・永原ペアが第3ゲームを21-8で圧倒して、全日本初優勝を遂げました。

 試合後のインタビューで永原選手の眼には涙が光っていました。
 また、コメントも途切れ途切れでした。
 日本の女子バドミントンプレーヤーにとっての「全日本の重み」を感じさせるシーンでした。

 いずれにせよ、試合時点の世界ランキング2位の福島・廣田ペアと3位の松本・永原ペアという、世界トップクラスの戦いは、バドミントン競技の本質・奥深さを感じさせる、素晴らしいプレーの連続であったと思います。

[12月1日・男子シングルス決勝]
優勝:桃田賢斗選手2-0西本拳太選手

 世界ランキング1位の桃田選手が、終始安定したプレーを披露して、順当勝ちしました。
 個々のプレーのパワー・スピードでは、互角以上の戦いを魅せていただいた西本選手ですが、ここぞというポイントで桃田選手が巧みなプレーを披露したという感じがします。
 桃田選手としては、強打で打倒した訳では無く、ネットプレーでミスを誘い続けた訳でもない、「バランスの良い」プレーを展開していたと感じます。
 これが「世界一のプレー」なのでしょう。

[12月1日・女子シングルス決勝]
優勝:奥原希望選手2-0大堀彩選手

 試合は第1ゲームで決しました。
 準決勝で山口茜選手を破った勢いそのままに決勝に臨んだ大堀選手が、第1ゲームは終始押していました。
 大堀選手が19点目を最初に取った時に、このゲームはこのまま押し切るのではないかと思いました。
 
 奥原選手のそこからの2ポイントの巧みなことには、感服しました。
 大試合におけるゲーム終盤の戦い方を熟知し、実行できるプレーヤーの力を如何無く発揮したのです。
 気が付けば、ゲームポイントは奥原選手が握っていましたし、大堀選手が20点目を取って20-20の同点にした後も、ギリギリの応酬の中で、奥原選手が「落ち着いて」2点を重ねたところに凄みを感じたのは、私だけではないでしょう。

 終始押していたはずのゲームを落としてしまった大堀選手に、第2ゲームで反攻に転ずる余力はありませんでした。
 奥原選手が容赦なく得点を重ね11-0。
 そのまま21-4で押し切って、奥原選手が勝利したのです。
 
 この2名のプレーヤーに「21-4」という差がある筈もないのですが、試合の流れを掴んだ奥原選手の強さばかりが際立つこととなりました。

 とはいえ、今回は惜しくも準優勝となった大堀選手が次代を担うホープであることは間違いないと思います。

[12月1日・男子ダブルス決勝]
優勝:遠藤大由選手・渡辺勇大選手2-1園田啓悟選手・嘉村健士選手

 試合開始直後は、園田・嘉村ペアの一方的な内容となりました。
 第1ゲームは21-11で園田・嘉村ペアが「簡単に」取ったように観えました。
 このまま押し切るかに観えましたが、遠藤・渡辺ペアは、シャトルのコースを巧みに変えて、試合の流れを次第に引き戻しました。第2ゲームが天王山となったのです。
 そして、第2ゲームは、遠藤・渡辺ペアが21-18で取り返したのです。

 これで試合の流れは一気に傾き、第3ゲームは遠藤・渡辺ペアが21-8で圧倒して、優勝を飾りました。
 渡辺選手の「巧みな繋ぎ」が印象的でした。

 渡辺勇大選手は、混合ダブルスと男子ダブルスの二冠に輝きました。
 「ダブルスのスペシャリスト」としての実力を明示したのです。

 第73回全日本選手権は、「見応え十分」の試合が続きました。
 本当に素晴らしいプレーの連続だったのです。

 勝ち負け以前に、これだけ素晴らしいプレーを展開できる「日本バドミントンの強さ」を、まざまざと感じさせる大会であったと感じます。

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