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HOME   »   スケート  »  [ISU-GPファイナル2019] フィギュアスケート競技のこれから
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 フィギュアスケート界のシーズン前半のハイライトである、グランプリファイナルが幕を閉じました。
 男子シングルはネイサン・チェン選手(アメリカ)、女子シングルはアリョーナ・コストルナヤ選手(ロシア)が、共に世界最高得点をマークしての快勝でした。

 我らが羽生結弦選手と紀平梨花選手は、共に良く戦いましたが、残念ながら2位と4位でした。

 その戦いの後のインタビューで、羽生選手からは「ジャンプ大会ではない」、紀平選手からは「時代の流れに送れずにトライできた」、というコメントがなされたと報じられました。

 紀平選手は、自身初めての「4回転サルコウ」への挑戦(惜しくも失敗でしたが)を指してのコメントでしょう。4回転ジャンプを、それも複数種類飛び、今大会でも2位・3位に入った、アンナ・シェルバコワ選手とアレクサンドラ・トゥルソワ選手のロシア勢のプレーが、現在の世界最先端であり、その流れに遅れることなくトライできたという意味であろうと思います。

 こうした流れを観るにつけ、「フィギュアスケートのこれから」について考えてみました。

 男子シングルならば、現在複数種類の4回転ジャンプを、大きな大会においてもほぼ完璧に飛ぶネイサン・チェン選手が君臨しています。
 今後チェン選手を追い抜く選手が登場するとすれば、「4回転アクセル」や「5回転サルコウ」といったジャンプを身に付ける必要があるのでしょうか。

 女子シングルであれば、紀平選手が創り出した「安定して3回転アクセル」を飛ばなければ世界では勝てないという流れから、各種の4回転を成功させるスケーターが登場してきている段階ですから、今後は「4回転ジャンプの成功率・出来の良さ」を追求する時代なのでしょう。
 GPファイナル2019において、4回転ジャンプを演技に組み込んでいなかったコストルナヤ選手が、シェルバコワ選手やトゥルソワ選手に勝つことができたのは、2人の4回転ジャンパーの完成度が、まだまだ低かったということになりそうです。まだ、「完成度の高い3回転アクセルが、完成度の低い4回転に勝る」時期なのでしょう。

 男女のペア種目にしても、2人でシンクロして飛ぶ「4回転ジャンプ」が求められてくるのは、自然な流れだと思われます。

 さて、男子シングルに、そしてそう遠くない将来、女子シングルにも「5回転ジャンプの時代が到来する」として、その後は、どうなるのでしょうか?「5回転アクセル」の時代を経て「6回転」の時代が来るのでしょうか。

 人間の能力には限界が無い、と安直に考えて良いという感じがしません。

 プレーヤーの肉体的・精神的な限界を考慮しなくてはならない時期が来ているのかもしれません。

 思えば、20世紀の大会においては、まず「審判員に顔を知られていなければ」上位には進出できないので、大会になるべく多く参加し、「雰囲気→アーティスティックインプレッションが良くなければ得点が伸びない」という採点方法であったと言われ、一度世界一に昇り詰めると「しばらくの間」は、その選手の時代が続きました。(余程のミス、例えば女子シングルならば、2回転ジャンプを連続して転倒するといったミスを犯さない限り、トップと目される選手は優勝していたのです)

 それでは「不公平」との意見が次第に強まり、ジャンプやステップ、スピンといった演技の構成要素に、その難易度毎に「基礎点」を決め、これに演技の「出来栄え」点を加減することにより、分かりやすく公平な採点方式が導入され、それが様々な見直しを加えられながら、完成度を高めてきたのが、現在なのでしょう。

 従って、基礎点の高い演目を、完成度高くプレーされてしまうと、「4回転ジャンプ」を飛べる選手の方が「3回転しか飛べない」選手より、「必ず上位に来る」時代が到来しているのです。

 昨シーズン、紀平選手がシニアにデビューした時、ロシアのコーチから「普通にやれば私達の選手は絶対に紀平に勝てない」と言ったこと、極めて冷静に分析していたことが、とても印象的でした。(本ブログ2018年12月13日の記事「[GPファイナル2018女子」紀平選手の演技に対するロシア関係者の「冷静・公平」なコメント]ご参照ください)

 結果として、ロシアチームは「わずか1年」で4回転ジャンプが飛べるスケーターを複数登場させたのです。
 そのロシアチームの強化体制のレベルの高さにも感服させられるところです。

 さて、話を戻します。

 こうなると「5回転ジャンプ時代」の到来が、それもそう遠くない時期での到来が予想されるわけですが、それがフィギュアスケートにとって良いことなのか否かを、十分に検討する必要がありそうです。
 プレーヤーにとっては、身体への重度の負担を強いるプレーが、年々厳しさを増し、観る側にとっては「3回転なのか、4回転なのか、5回転なのか」よく分からない中で、順位が付いていく時代・・・。

 とはいえ、「知名度と雰囲気だけで順位が決まる」時代に逆戻りすることもできません。

 頭書の羽生結弦選手のコメントが耳に残ります。
 フィギュアスケートは「ジャンプ大会では無い」。

 深く、重いコメントだと感じます。

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