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HOME   »   駅伝・マラソン  »  [箱根駅伝2020] 青山学院大学チーム 5度目の優勝
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 1月2日・3日と好コンディションにも恵まれ、「超高速レース」となった第96回箱根駅伝は、第4区に先頭に立った青山学院大チームが、そのまま首位を守り抜き、2年振り5度目の優勝を飾りました。
 飛び抜けて速い選手、いわゆる「大砲」が居ない中で、10名のランナーが持っている力を十分に発揮し、危なげなく優勝した青学大チームにとっては、戦前の調整も含めて全ての要素が上手く行った「会心のレース」であったと感じます。

[箱根駅伝2020の総合順位・記録]
1位 青山学院大学 10時間45分23秒(大会新記録)
2位 東海大学 10時間48分25秒(大会新記録)
3位 國學院大学 10時間54分20秒
4位 帝京大学 10時間54分23秒
5位 東京国際大学 10時間54分27秒
6位 明治大学 10時間54分46秒
7位 早稲田大学 10時間57分43秒
8位 駒澤大学 10時間57分44秒
9位 創価大学 10時間58分17秒
10位 東洋大学 10時間59分11秒

11位 中央学院大学 11時間01分10秒

① 「2強」対決

 レース前には「史上空前の大混戦」と予想していましたが、終わってみれば、青学大チームと東海大学チームの「2強対決」でした。
 両チームの実力は「互角」であったと思います。

 箱根駅伝2019の1・2位、全国大学駅伝2019の1・2位、そして箱根駅伝2020の1・2位が、この両チームであったことを考えれば、箱根駅伝2019から箱根駅伝2020までの1年間は、男子大学駅伝界において、この2チームが抜けた存在であったことは間違いないでしょう。

 出雲駅伝2019や全国大学駅伝2019のレース中の「目まぐるしい展開」によって、「大混戦」ではないかと、ある意味で「勘違い」してしまったことを、反省しています。
 青山学院大チームと東海大チームの皆様に、お詫び申し上げたいと思います。

 それにしても、往路、復路、総合の3つにおいて新記録を叩き出した東海大チームが、総合優勝できないという、信じられないような高速レースでした。

 東海大チームにとって惜しまれるのは、往路の3区・4区・5区において、それぞれ1分前後の差を青学大チームに許してしまったことでしょうか。区間順位は、それぞれ6位、2位、7位とブレーキという程では無いのですが、ここでの差をそれぞれ30秒縮めていれば、復路のレース展開は全く違うものになっていたでしょう。
 もちろん、これらの区間において、青学大チームのランナー達が良く走ったとも言えるのですけれども、東海大チームから観れば、ライバルチームのプレーを評価するばかりでは、勝利は覚束ないのです。

 どちらが優勝してもおかしくなかった、全く「互角」の両チームの成否を分けた区間であったと考えます。

② 熾烈な3~6位争い

 9区を終えて、概ね最終順位が決まったように観えましたが、最終第10区に熾烈な戦いが残っていました。
 こうした大接戦は、時折箱根駅伝に観られるものなのですが、いつもながら「190km以上を走ってきて、なおも複数のチームによる大接戦」が生じるというのは、本当に不思議なことです。

 3位争いを演じていた東京国際大チームと明治大チームの競り合いに、まず國學院大チームが加わり、続いて帝京大チームが追い付いたのは、第10区の18km付近でした。
 ここから4チームによる大接戦が始まったのです。

 3~6位争いですから、シード権を手にした中での戦いですが、各チームのアンカーは一歩も引かぬ走りを披露してくれました。
 そして残り1km付近で、國學院大チームが抜け出し、これを帝京大チームと東京国際大チームが懸命に追いましたが、國學院大チームが3位を確保しました。

 見所十分な競り合いでした。

③ 熾烈なシード権争い

 いつのレースにおいても、箱根駅伝最大の見所のひとつは「シード権争い」でしょう。

 2020年も、往路9位の早稲田大チームと12位の中央学院大チームのタイム差は39秒しかありませんでしたから、復路の「厳しいシード権争い」が予想されました。

 そして、第7区から、創価大チームと中央学院大チームの争いが続きました。
 7区、8区、9区と、第10位が中央学院大チーム、第11位が創価大チームという状況が続いたのです。

 「シード権獲得」という点ならば、実績十分な中央学院大チームに分があると思いましたが、創価大チームも良く粘り、第10区に入りました。
 そして、創価大チームの第10区・嶋津選手が快走を魅せたのです。
 ややオーバーペース気味に入り、そのまま押し切った、「区間新記録」の見事な走りでした。
 箱根の常連と言っても良い中央学院大チームにとっても、抗しがたい快走であったと感じます。

④ 初のシード権獲得

 総合5位に食い込んだ東京国際大チームと、前述の創価大チームが、初めてシード権を獲得しました。
 予選会トップから、往路3位、総合5位に食い込んだ東京国際大チームの活躍は見事でした。

 箱根駅伝における「シード権の重み」は、私達には想像も出来ない程でしょう。
 10位と11位の間には、本当に「深い溝」が存在するのです。
 「天国と地獄」と呼んで良いような差。

 その重みというか、シード権獲得の難しさは、伝統校にとっても同様です。
 今大会7位に食い込んだ早稲田大チームにしても、箱根駅伝2019において12位に終わり、久し振りにシード落ちしたのですが、予選会2019では9位というギリギリの順位で何とか出場権を得たのです。
 「1度シード落ちしてしまうと再び箱根駅伝の舞台に戻ってくるのは至難の技」とも言われます。

 大学長距離競走界の有力ランナーが凌ぎを削る箱根駅伝ですから、当然と言えば当然のことなのでしょうけれども、例えば早稲田大チームに付いていえば「10名の内たったひとりが失敗」すれば、あっという間に11位以下に下がってしまう怖れがありました。
 10名のランナー全員が「成功」しなければ、シード権の確保は難しいのです。
 心身のコンディショニングを始めとして、「10名全員が成功する」というのは、本当に至難の技なのです。

 早稲田大チームの皆さんには叱られてしまうかもしれませんが、上位入賞では無く「7位によるシード権確保」は、歴史と伝統を誇る早稲田大チームにとっても「大成果」であったのではないかと思います。

⑤ 東洋大チームの誤算

 レース前には、優勝候補の一角と目されていた東洋大チームは、往路11位、総合10位と不本意な結果に終わりました。

 箱根駅伝における安定感という面ならば、他チームの追随を許さないチームなのですが、2020年のレースでは各選手の不振が目立ちました。
 
 誤算のはじまりは第1区の西山選手の不調でしょう。
 区間賞争いの最有力候補と観なされていた西山選手が、早々に後退し、14位に終わったのです。
 トップ争いを演じながら第2区に入ることを目論んでいた東洋大チーム、2区の「大砲」相澤選手によって「独走」を想定していたであろう東洋大チームにとっては、相澤選手の脚を後方からの追い上げに使わざるを得なかったことは、大誤算であったことでしょう。

 とはいえ、相澤選手は期待通り、期待以上の快走を魅せて、驚異的な「区間新記録」を叩き出しましたから、ここから東洋大チームの反攻が始まる筈でした。

 ところが意外なことに(これは本当に意外だったのですが)、続く第3区、4区のランナーが、区間13位、20位と失速してしまいました。
 こうした「大ブレーキが少ない」のが特徴であった東洋大チームに、何が有ったのか?というところでしょう。

 第5区の宮下選手が「区間新記録」の快走を魅せながら、往路11位に止まったのです。
 5名の内、2名のランナーが区間新記録を叩き出しながらの11位というのは、珍しいというか、チームとしては本当に残念な結果でしょう。

 復路に入ってからも、第6区・山下りで一気に7位に順位を上げ、「ここから」という雰囲気でしたが、7区・8区・9位と伸び切れず、7位のまま最終・第10区に突入しました。
 「東洋の3位以内の記録もこれで切れてしまう」と思いましたが、それどころか、アンカーの大不調により、早稲田・駒澤・創価の3チームに抜かれ10位に下がってしまいました。

 中央学院大チームのアンカーが不調であったために、何とか10位は確保しましたが、中央学院大のアンカーが創価大チームと最後までシード権争いを演じていたならば、11位に後退していても不思議の無い展開でしょう。

 「九死に一生を得た」東洋大チームであったと感じます。

 とはいえ、こうした「最悪のシナリオ」下にあっても、東洋大チームはシード権を確保しました。最後の宝は手放さなかったのです。
 箱根駅伝2021における、東洋大チームのリベンジに期待します。

 好コンディションの下で、次々に好記録が飛び出した、2020年の箱根駅伝は青山学院大学チームの5度目の優勝で幕を閉じました。

 「2強対決」だったのですが、3位以下の順位については、ほんの少しの失敗によって大きく変動したように観えるところは、やはり「大混戦」だったのかもしれません。
 國學院大チーム、帝京大チーム、東京国際大チーム、創価大チームと「箱根にとっての新進気鋭のチーム」も登場しています。

 箱根駅伝2021が、今からとても楽しみです。
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