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 世界最高峰のプロアメリカンフットボールリーグであるナショナル・フットボール・リーグNFLの、2019年~20年シーズンのポストシーズンも佳境を迎え、アメリカン・フットボール・カンファレンスAFCとナショナル・フットボール・カンファレンスNFCの、カンファレンスチャンピオンを決める、カンファレンス・チャンピオンシップゲームに進出する各2チーム・計4チームを決めるための、ディビジョナル・ゲームが、1月11日・12日に行われました。

[NFC・1月11日・リーバイススタジアム]
サンフランシスコ49ers27-10ミネソタ・バイキングス

[AFC・1月11日・M&Tバンクスタジアム]
テネシー・タイタンズ28-12ボルチモア・レイブンズ

[AFC・1月12日・アローヘッドスタジアム]
カンザスシティ・チーフス51-31ヒューストン・テキサンズ

[NFC・1月12日・ランボーフィールド]
グリーンベイ・パッカーズ28-23シアトル・シーホークス

 4試合の内3試合は、ホームチーム=上位シードチームが勝利を収めました。
 レギュラーシーズンの成績上位のチームが勝ったということで、順当な結果と言えます。

 しかし、1試合→タイタンズVSレイブンズだけは、ワイルドカードを勝ち上がったタイタンズがレイブンズを破りました。
 第6シードのチームが、第1シードを破ったのです。
 これは「衝撃的な結果」でした。

 レギュラーシーズンを14勝2敗という、今期レギュラーシーズンNFL全体の最高勝率で第1シードであったレイブンズが、レギュラーシーズン後半を「12連勝」という素晴らしい勢いで走ったレイブンズが、クオーターバックQBラマー・ジャクソン選手を中心とした圧倒的な攻撃力を誇るレイブンズが、スーパーボウル2020の勝利に最も近いチームと目されていたレイブンズが、敗れたのです。

 タイタンズの大金星であったと思います。
 おそらく、ゲーム前の戦略・戦術の構築、ゲームでの実行を始めとして、タイタンズとしては「会心」のゲームであったことでしょう。

 タイタンズはワイルドカードでも、あのニューイングランド・ペイトリオッツを13得点に抑え込み勝利しました。
 QBトム・ブレイディを中心とする、「ポストシーズンで圧倒的に強い」ペイトリオッツを、敵地ジレットスタジアムで(ペイトリオッツはジレットスタジアムでポストシーズン9連勝中でした。ホームで敗れることなど考えられない実績を残していたのです)破りました。

 そして今度は、優勝候補筆頭のレイブンズを、レイブンズのホーム・M&Tバンクスタジアムで屠ったのです。
 見事なポストシーズンの戦い振りですし、今ポストシーズンの「台風の目」でしょう。

 現在のNFLを代表するモバイルQBであるラマー・ジャクソン選手は、「何でもできるQB」です。
 このゲームでも、365ヤードのパスを投げ、143ヤードを走りました。
 しかし、チームは12点しか取れなかったのです。

 ここぞというシーンにおける、タイタンズ守備陣の強さ、守備戦術面の完成度の高さとプレーヤーの実行力は、とても高いレベルであったと感じます。

 タイタンズの攻撃面では、やはりランニングバックRBデレック・ヘンリー選手の活躍でしょう。30キャリーで195ヤードを稼ぎました。
 1試合で195ヤードゲイン(ポストシーズン新記録)も凄いのですが、1キャリー当り6.5ヤード獲得というのも見事です。

 ワイルドカードゲームでも、あの「ポストシーズンで抜群の破壊力を誇る」ペイトリオッツ守備陣でも、RBヘンリー選手のランは全くと言って良いほど「止められなかった」のです。
 伝統的に守備が強いレイブンズでも止められなかったということは、サイズが有り巧みな走りを魅せる現在のヘンリー選手のランを止めるのは、至難の技なのでしょう。
 QBライアン・タネヒル選手とRBデレック・ヘンリー選手のコンビは、既に「名コンビ」になっているようにさえ観えます。

 この「タイタンズのラン主体の攻撃」は、今ポストシーズン最大の見所かもしれません。

 ワイルドカードでオーバータイムOT・延長戦の末ニューオーリンズ・セインツを倒したバイキングスが、49ersに挑んだゲームは、バイキングスが引き続き「強力な守備」を披露したのですけれども、49ersの攻撃がそれを上回った形でしょう。

 QBジミー・ガロポロ選手のパスが131ヤードに抑え込まれた49ersは、ラン主体の攻撃に活路を見出し、RBテビン・コールマン選手の22キャリー・105ヤードのラン、RBラヒーム・モスタート選手の12キャリー・58ヤードのランなどで前進を図り、ロースコアゲームを制しました。

 QBカーク・カズンズ選手を中心としたバイキングスオフェンスを10点に抑え込んだ、49res守備陣の頑張りも見事でした。

 チーフスとテキサンズのゲームは、今ポストシーズン初?の「点の取り合い」となりました。
 そして「点の取り合い」となれば負けられないチーフス攻撃陣が、持ち前の「ランとパスをバランス良く織り交ぜたオフェンス」で大量51点を奪い、逆転勝ちしたのです。

 第1クオーターQでリードを許したチーフスの第2Qが圧巻でした。
 QBパトリック・マホームズ選手からのタッチダウンTDパスがビシビシ決まり、4TDを挙げて逆転し、そのまま押し切ったのです。
 第1Qでテキサンズの守備を研究・検討し、2Q以降の攻撃に結びつけたベンチ采配の勝利でもあったのでしょう。

 パッカーズVSシーホークスは競り合いでした。
 攻撃・守備共に「互角」の展開でしたが、第3Qまでに28点を挙げたパッカーズが逃げ切った形でしょう。

 共にスーパーボウル制覇のキャリアを保持する、パッカーズのQBアーロン・ロジャース選手と、シーホークスのQBラッセル・ウィルソン選手、共に現在のNFLを代表するベテランQBの、「試合運び」も味わい深いものでした。
 ロジャース選手もウィルソン選手も、全く慌てることなく、「ゲームを勝利するためのドライブ」を、各プレーおよびゲーム全体に実行し続けていたように観えました。

 QBロジャース選手は、ワイドレシーバーWRダバンテ・アダムス選手へのパスプレーを骨格として(8キャリーで160ヤードゲイン)攻撃を組立て、WRジミー・グラハム選手へのパスも交え、ランはRBアーロン・ジェームズ選手やタイラー・アービン選手、そして自身も5キャリーで14ヤードを獲得しています。

 一方のQBウィルソン選手は、WRタイラー・ロケット選手、DKメトカルフ選手、ジェイコブ・ホリスター選手らにパスを投げ分け、ランは自身の7キャリー・64ヤード獲得と短いところはRBマショーン・リンチ選手の12キャリー・26ヤード獲得、を駆使してのプレーでした。

 この1戦は、多彩で重厚なゲームという印象があります。
 まさに、「現在のNFLを代表するカード」のひとつなのでしょう。

 その「多彩で重厚なゲーム」を勝ち切ったパッカーズが、カンファレンス・チャンピオンシップゲームに駒を進めたのです。

 カンファレンス・チャンピオンシップゲームは、AFCがタイタンズVSチーフス、NFCが49ersVSパッカーズとなり、1月19日に行われます。
 このゲームを勝利した2チームが、各カンファレンスのチャンピオンとなり、2月2日の第54回スーパーボウル(於、フロリダ州マイアミガーデンのハードロック・スタジアム)に進出するのです。

 どちらのゲームも、本当に素晴らしいカードとなりました。
 NFL最高峰のゲームとなることは間違いありません。

 特に、タイタンズのRBデレック・ヘンリー選手のプレーは必見なのです。

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