FC2ブログ
HOME   »   駅伝・マラソン  »  [マラソン2020] ヴェイパーフライ問題 ひとまず決着
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 1月31日、世界陸上競技連盟は、長距離競走に使用されている「厚底シューズ」について、一定の規則を適用することを発表しました。

 この「一定の規則」によって、このところ使用されていた、ナイキ社のシューズ「ヴェイパーフライ(VF)」の当面の使用が可能になりました。東京オリンピック2020においても使用できる見通しとなったのです。

 「一定の規則」とは、「靴底厚は40mm以下」「プレートは1枚」「大会で使用される4か月前から一般市販されている必要がある」ことなどです。
 これまで使用されてきたVFが、この規則に則ったものであるということになります。

 VFの種類を、登場順に観て行きましょう。

① 初代
② VF4%(第2世代)
③ VFネクスト%(第3世代)

④ アルファフライ(第4世代)

 前述の①~③は、頭書の規則の範囲内というか、則っています。
 ④はプレートが3枚使用されていますので、規則違反となり、大会では使用できません。

 この問題、「厚底シューズが東京オリンピック2020では使用できないのではないか」という騒動は、これで一応の落着ということになります。

 そもそも、近時の日本マラソンの動き・記録には、当然ながら「厚底シューズ」が大きくかかわっています。
 例えば、2018年春の設楽悠太選手による16年振りのマラソン日本新記録樹立や、同年10月の大迫傑選手の日本記録更新は、いずれも前述②のシューズを履いて達成されています。

 また、2020年の箱根駅伝や都道府県対抗駅伝は好記録続出の大会となりましたが、前述の②、③のシューズの影響が大きかったとも報じられています。

 「厚底シューズ」を使用すれば、必ず記録が伸びるのかどうかは分かりません。
 従来のシューズの方が速く走れるというランナーが居るのは、自然なことでしょう。

 大事なことは、「新しい道具によりスポーツが変化して行く」ことなのでしょう。

 東京オリンピック1964までは、アンツーカだった陸上競技場トラックのサーフェイスが、メキシコシティ・オリンピック1968からはタータントラックと呼ばれたオールウェザー型サーフェイスに変わったことは、その最たる例でしょう。
 トラック種目は、この変更に伴って大変化したのです。
 アンツーカで速く走れる走法と、オールウェザーで速く走れる走法は、世界最高レベルのレースにおいては、全く異なるものになったのです。
 既に50年余の時間を経ていますから、本件についての見解は安定したものとなっていますが、例えば、現在の世界記録9秒58を保有しているウサイン・ボルト選手と、東京オリンピック1964の金メダリスト、10秒0で走ったボブ・ヘイズ選手の、どちらが速く走れるのか、というテーマについては、永遠に結論が出ないものだと思います。
 アンツーカによる100m競走とオールウェザーによる100m競走は、別の競技なのでしょう。

 また、卓球日本が最も強かった時期、日本選手は「厚い裏ソフトラバー」を使用して、卓球競技に革命をもたらしました。表ソフトの薄いラバーが主体だった時期に、厚い裏ソフトラバーによって、「より強く回転数の多いスピン」をボールにかけることが出来るようになったのです。
 このラバーについては、どんどん厚くなる可能性が有りましたから、一定の規則が導入されて、現在に至っています。
 卓球界に一定の秩序をもたらした規則の制定であったのでしょう。

 「厚底シューズ」に対する、今回の規則導入は、まだ最終的なもの(その後、毎年の細部の見直しで対応できるレベルの規則)では無く、おそらくは数年間に渡って検討が行われ、制定されるものだと考えられます。
その第1歩ということになるのでしょう。

 東京オリンピック2020に対する影響について観れば、世界各国の代表選考レースで使用されている「厚底シューズ」が本番で使用禁止となれば、そもそも「代表ランナー選考レースの意味・価値」を問われることになりかねません。
 本番で使用できる道具で競わなければ、代表選考レースにならないことは自明です。

 日本でも、昨秋のMGCにおいては多くのランナーが②のシューズ、所謂「ピンク色のシューズ」を使用して走り、代表に選ばれたランナーも、それを履いていました。

 その点から、そして「公平」という観点からも、①~③のシューズが本番で使用可能となったことは、良かったと感じます。

 世界陸連としては、「厚底禁止」といった衝撃的な決定は、もっと早く行う必要があったのでしょう。
関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[大相撲2020・1月場所] 照ノ富士と宇良の優勝
NEW Topics
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
[フィギュアスケート2020春・世界ランキング] 羽生選手、紀平選手が共に1位
[NPB2020] 菅野智之投手 超絶の仕上がり
[高校野球2020] 花巻東高校 女子野球部が練習開始
[大相撲2020] 豊ノ島の引退
[UEFA-EURO2008決勝] スペインチーム 黄金時代の幕開け
[UEFA-EURO1976準決勝] 降りしきる オランダチームの涙雨
[競馬(無観客)] 皐月賞2020の注目馬
[UEFA-EURO1984準決勝] フランスチーム ポルトガルチームとの「死闘」を制す
[NPB2020] 関根順三氏 逝去
[FIFAワールドカップ1994決勝] ブラジルチーム 4度目の優勝
[競馬コラム261-日本馬の海外挑戦8] 2004年からの4年連続のアメリカンオークス挑戦
[ラグビーワールドカップ2011準決勝] フランスチーム ウェールズチームを振り切る
[FIFAワールドカップ1978決勝] アルゼンチンチーム 初優勝
[競馬(無観客)] 桜花賞2020の注目馬
Entry TAG
マラソン2020・ヴェイパーフライ問題ひとまず落着  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031