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HOME   »   ゴルフ  »  [PGAツアー] フェデックス・カップとPGAツアー
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 PGAツアーとは、アメリカで開催されている最も有名なゴルフツアーで、毎年1月から11月まで毎週のように開催される試合の全体としての呼称です。参加しているゴルファーの技術他の水準・ゴルフプレーの水準が、世界一高いツアーです。

 昔なら、青木功選手や尾崎将司選手、近時なら丸山茂樹選手、最近なら石川遼選手が、日本ゴルフ界から挑戦した、あるいは挑戦するアメリカのゴルフの試合といえば、PGAツアーの中の試合です。

 PGAツアーは、PGA(プロフェショナル・ゴルファーズ・アソシェーション・オブ・アメリカ)TOURという団体が主催しています。このツアーには、マスターズ、全米、全英、全米プロの所謂4大メジャートーナメントも組込まれています。

 1968年から開催されているPGAツアーですが、2007年のフェデックス・カップ導入からスケジュールが変わりました。

 フェデックス・カップとは、世界的な物流会社であるフェデックス社がスポンサーとなっている競技で、その優勝を競うのですが、PGAツアーの一部(大半)の試合の成績により与えられるポイントの合計数値で、各プレーヤーが覇を競うものです。(そもそも、PGAツアーの中の大半の試合を対象としていますので分かりづらい)
 フェデックス社のスポンサーとしての出資額がとても大きいので、PGA TOUR(PGAツアーの主催団体)としても、この競技を導入したのでしょう。

 今年を例にとります。

・1月6日ヒュンダイ・トーナメントがハワイで開催されました。これがPGAツアーの今シーズン初戦であり、フェデックス・カップの今シーズン初戦でもあります。

・1月のスタートから8月16日のウィンダム選手権までの37試合が、フェデックス・カップの予選となります。もちろんPGAツアーのレギュラーシーズンの試合でもあります。メジャートーナメント4試合もこの37試合に含まれます。そして、この37試合でのポイント獲得上位125位までが、翌週から始まる、フェデックス・カップ「プレーオフ」に進出できます。

・プレーオフでは、8月23日からのザ・バークレイズ・トーナメントで125人からポイント上位100人に絞られ、8月31日からのドイツバンク選手権で100人から同70人に絞られ、9月6日からのBMW選手権で70人から同30人に絞り込まれて、9月20日からのツアー選手権にて30人による最後の戦いが行われます。(現在、行われています。30人ですから予選落ちはありません。全員が4日間プレーします)

 このツアー選手権が終わるとフェデックス・カップは終了しますが、当然ながらPGAツアーは続きます。11月のチルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシックまで、毎年5試合程度が実施されます。これらはフォール・シリーズ(秋のシリーズ)と呼ばれています。

 フォール・シリーズは、翌年シーズンのシード権(賞金ランク125位以内)をめぐる争いですので、既に十分賞金を稼いでいるトッププレーヤーの参加は少なく、今シーズン活躍できなかった選手たちが、生き残りをかけて戦う試合になります。

 こうして見ると、PGAツアーの実質的な試合(ファンが世界最高のプレーを楽しむという意味での)は、9月下旬に終わってしまうように見えます。10月~11月は、一般ゴルファーにとっては、ゴルフを楽しむのにとても良い季節なのですが、世界最高峰のPGAツアーは実質的に幕を閉じている感じなのです。

 確かに、フェデックス・カップの賞金は高く、ツアー選手権を終えてポイント・トップの選手(=フェデックス・カップ優勝者)には、副賞ボーナスとして1000万ドル(約8億円)が授与されます。

 PGAツアーの賞金は、そもそも各試合の賞金額が日本のゴルフツアーとは桁違いです。例えば、現在行われているフェデックス・カップ最終戦のツアー選手権の優勝賞金は144万ドル(約1億15百万円)です。

 過去二年間、そして今年もおそらくツアー選手権の優勝者が、フェデックス・カップも制する(より面白くするために、そういうポイント配置にしてあります。クイズ番組で最後の問題に高い配点をするのと同じです)と思われますので、優勝者は、ツアー選手権の賞金1.15億円+フェデックス・カップ賞金8億円=9.15億円を手にすることになります。日本ゴルフツアーでは、年間獲得賞金1億円がツアー終盤の話題になりますが、一桁違います。(日本のゴルフツアーも、PGAツアー以外の世界のツアーの中では、賞金額は高い方ですが)

 PGAツアーの他の試合も、多くの試合で優勝賞金が100万ドルを超えますので、日本ゴルフツアー所属のプレーヤーがPGAツアーで1勝すれば、日本ツアーの賞金王争いに参加できることになります。(賞金の話ばかりで恐縮ですが、プロスポーツ選手にとっては大切な要素ですので、ご容赦ください)

 以上から、フェデックス・カップの開催は、PGAツアーにとっては大変なスポンサーが付いたというメリットがありますが、一方でいくつかの問題点もあると思います。

 第一には、スケジュールの問題です。先にも述べましたが実質的なツアーが9月半ばに終わってしまいます。ツアー選手権は、2006年までは11月に開催される、文字通りのPGAツアーシーズン最終戦でした。当然ながら試合の格も高く、ツアー選手権の賞金総額は、マスターズ選手権などのメジャートーナメントと同額です。
 この一年納めの試合を、フェデックス・カップのために9月に持ってきたのです。

 第二には、フォール・シリーズの位置づけです。先ほども述べましたが、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンといったトッププレーヤーは既に賞金ランク上位ですので出場しない場合が多いのですが、それでも賞金ランク30位周辺のプレーヤーが出場することがあります。
 当然出場できるのですが、獲得賞金額下位の選手の逆転の機会を奪うように見られます。つまり、上位のプレーヤーが出場しにくい、出場すると悪役になるような雰囲気があるのです。2006年までは、存在しなかった無言の壁と言えます。

 第三には、第二の事情があるので、9月下旬以降PGAツアーのトッププレーヤー達は、アメリカ以外の世界中のツアーに出場するようになります。
 日本のツアーも10~11月はビッグトーナメントが目白押しです。我々観衆からすると、世界のトッププレーヤーを間近に観られるのはとても良いことですが、日本ツアーを主戦場としているプレーヤー達にとっては脅威です。日本ツアーも翌年のシード権を目指した戦いの最中なのですから。

 第四には、ツアー選手権の会場の問題です。ジョージア州アトランタ郊外のコースが選ばれているのは、アメリカ南部であり11月中旬でも暖かく、ゴルフプレー・観戦に向いているという理由でしたが、9月中旬となると暑い夏の延長線上にあって、コースコンディションを整えるのが、とても難しいのです。この数年は、芝が剥げかかったグリーン状態のゲームが続いています。最高峰の戦いの会場としては残念ですし、美しいコースが台無しです。
 こうしたビッグトーナメントの会場を変更するのは、当然ながら容易なことではありません。ハイレベルな競技に合わせたセッティングや試合前のクローズ期間の設定等々。現在の会場は、2004年から使用され始めたばかりですから、一層変更は難しいでしょう。

 こうした、やや歪な変更が2007年からPGAツアーに導入された理由は、巨額のスポンサー料だけではないともいわれています。

 10~11月は、アメリカ4大プロスポーツの試合が盛り上がるので、PGAツアーが注目されにくい、といった指摘が以前からあったというのです。確かに、MLBの地区シリーズからワールドシリーズ、NFLのシーズンゲームの本格化、NBAもNHLも始まる、といった時期ではあります。PGA TOURとしての以前からの検討に、フェデックス社の参加申入れがあって、こうした変更が行われたとする見方です。

 色々な見方があると思いますが、フェデックス・カップは2007年に開始され今年でまだ6回目です。この形式の是非について論じるには、もう少し時間が必要なのかもしれません。

 さて、今シーズンのツアー選手権も初日が終わりました。今年も、アメリカ・ジョージア州アトランタ郊外のイーストレイク・ゴルフクラブ(以下GC)で開催されています。筆者も、仕事でアトランタに出張した折に、たまたまイーストレイクGCを観ました。本当に美しいコースですが、コース名の通りに池が多く、その池に張り出したグリーンなど、非常に難度が高いコースという印象を受けました。スコアはともかく(ボールも相当数失くしそうですが)、一度はプレーしてみたいコースです。

 今シーズンのフェデックス・カップは、プレーオフ第二戦ドイツバンク選手権・第三戦BMW選手権を連覇したローリー・マキロイ(北アイルランド)が最有力。対抗は、タイガー・ウッズ(アメリカ)でしょう。タイガーは、ここまでカップ・ポイント2位でマキロイを追っています。

 初日を終えて、トップは-4でタイガー・ウッズとジャスティン・ローズ(イングランド)が並んでいます。マキロイは-1でフィル・ミケルソンやババ・ワトソンらと並んで12位タイ。タイガーは、逆転でのフェデックス・カップ優勝に向けて、最高のスタートを切った形です。

 実質的な世界のトッププレーヤー30人で争われるツアー選手権(1987年の開催当初からPGAツアー賞金獲得額上位30人しか出場できませんでした)は、いつの時代も世界中のゴルファーのオールスター戦であり、出場すること自体が世界中のゴルファーの夢です。(日本人プレーヤーでは、2004年の丸山茂樹と2008年の今田竜二の参加があるのみだと思います。丸山・今田両選手の凄さを感じます)

 大騒動から復活し、今シーズン3勝を挙げたタイガー・ウッズと、ポスト・タイガー一番手の呼び声高いローリー・マキロイの争いを中心とした、美しいイーストレイクGCでの戦いは、今週末最大の楽しみです。

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フェデックス・カップ      PGAツアー   ザ・ツアー選手権   ロリー・マキロイ   タイガー・ウッズ  
Comment
81
「1440万ドル(約1億15百万円)」←違います

82
ご指摘ありがとうございます。
失礼しました。

一桁間違えてしまいました。
お詫び申し上げ、訂正します。
尚、ドル-円の為替レートは、当時=昨年9月時の
ものをそのまま使います。

ご指摘ありがとうございました。

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