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HOME   »   スポーツ共通  »  寺川綾選手と有森裕子選手 完成されたアスリート
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 世界水泳2013は、スペインのバルセロナで7月20日から8月4日にかけて開催されました。

 この大会で、日本女子代表選手の寺川綾選手が、100m背泳ぎと50m背泳ぎの2種目で3位・銅メダルを獲得する活躍を見せました。
 2種目目の50mのレース後のインタビューで「金メダルのチャンスがあると思ったのですが・・・。でも、良かったです。」とコメントしているのを見て、陸上競技マラソンの有森裕子選手を想い出しました。

 有森裕子選手は、1992年のバルセロナオリンピック・マラソン競技で銀メダル、1996年アテネオリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した名ランナーです。
 バルセロナオリンピックの銀メダルは、太平洋戦争終戦後、初の日本女子陸上競技界におけるメダル獲得でした。メイン会場であるオリンピックスタジアムに日本国旗を掲げた、戦後最初の女子アスリートということですから、素晴らしい快挙といえます。
 そして、アテネオリンピックにおける銅メダル獲得は、日本女子陸上競技界初のオリンピック複数メダル獲得でした。この記録について言えば、いまだに有森選手以外には達成者が居ません。高橋尚子選手も野口みずき選手も出来ていない快挙なのです。

 そういう点から観れば、有森裕子選手は日本女子陸上競技史上のベストプレーヤーであったとも言えると思います。
 その有森選手がアテネで銅メダルを獲得した後のインタビューで「初めて、自分を褒めてあげたい」とコメントしました。流行語にもなった言葉でしたが、より速く走るために常に自らを追い込み続けたアスリートが到達した「ひとつの境地」だったのでしょう。平静な心持から発せられた、とても深い意味が込められたコメントだと感じたものです。

 そして、今回の寺川綾選手のコメントです。50m背泳ぎ、持ちタイムからしてギリギリの勝負になると考えて臨んだレースだったのでしょう。そして、実際にレースは僅差の勝負となり、寺川選手はよく追い上げましたが、ふたりの中国選手に10~20㎝及びませんでした。

 「惜しかったな、残念だったな」と寺川選手は感じたと思いますが「でも、良かったです」と静かに笑いました。「でも、良かったです」というコメントに、寺川選手の長く様々なことがあった水泳キャリアが込められているように感じました。

 2001年、高校2年生16歳の時に福岡世界選手権大会に初出場してから12年間、日本女子水泳界を引っ張り続けてきた寺川選手です。昨年のロンドンオリンピックで銅メダルを2つ獲得しましたが、これがオリンピックでの初メダルでした。

 有森選手、寺川選手、ふたりとも自らに極めて厳しいアスリートだと思います。そして、常に熱い気持ちで大レースに挑み、とても冷静に大レースを振り返ることが出来る境地に達していた・いるように思います。

 「高い次元の冷静さ」。経験も十分に積み、精神面・肉体面で完成されたアスリートだけが到達できる・享受できる境地なのでしょう。
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