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HOME   »   陸上競技  »  [1968年メキシコOLY] リー・エバンスとラリー・ジェームズ
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 時代を超えた走りでした。

 1968年・昭和43年10月18日、メキシコオリンピック男子400m競走決勝の舞台で、アメリカのリー・エバンス選手とラリー・ジェームズ選手が競り合いを演じ、エバンス選手が43秒86で優勝、ジェームズ選手は43秒97で2位でした。記録は、共に世界新。

 この43秒86は、その後20年間に破られることがありませんでした。陸上競技のトラック種目の記録としては驚異的な長寿を誇ったのです。

 異次元の記録が生まれたレースでありながら、エバンス選手の圧倒的な勝利ではなかったことが不思議でした。
 つまり、同じレースに2人のスーパーランナーが出場していたということです。ラリー・ジェームズ選手は、リー・エバンス選手と世代が少しでも違えば、時代を代表する400mランナーになれたのです(何しろ、この2人の記録は20年間破られなかったのですから)が、神様も意地悪?をするものです。

 1968年のメキシコオリンピックの陸上競技は、トラック(走路)が1964年の東京オリンピックまでの土(土のトラックの一種であるアンツーカートラック)から、合成ゴム製のタータントラックに変わった初めてのオリンピックということもあってか、多くのトラック種目で世界新記録が出ました。主なものを挙げてみます。

・ 男子100m走 9秒95 ジム・ハインズ選手(アメリカ)
・ 男子200m走 19秒83 トミー・スミス選手(アメリカ)
・ 男子400m走 43秒86 リー・エバンス選手(アメリカ)
・ 男子400mハードル走 48秒12 デビット・へメリー選手(イギリス)
・ 男子800m走 1分44秒40 ラルフ・ドーベル選手(オーストラリア)
・ 女子800m走 2分00秒92 マデリン・マニング選手(アメリカ)

 こうした記録を観ると、やはりタータントラックはアンツーカートラックより記録が出やすい走路であろうとは思われますが、少し意外なのは、女子の100m~400mの短距離種目では世界新記録が出ていませんので、この大会のタータントラックは「筋力が強い、男性ランナー向きの走路」だったのかもしれません。

 話を戻します。

 記録が出やすい新トラックにおける世界新記録といっても、他のトラック種目は、次々と記録が塗り替えられていったのに比べて、男子400m走の記録のみが20年間も破られなかったのですから、やはり時代を超えた走りであったということでしょう。

 ちなみに、男子400m走の世界歴代記録を観ても、エバンス選手の記録は第7位、ジェームズ選手の記録は第10位です。45年の月日を重ねても、いまだに世界ベスト10に入っているのです。現在に至るまで、400mを44秒未満で走ることが出来たランナーは、世界中で10人前後しかいないことが判ります。

 さて、この決勝レースはテレビで見ていました。確か、前半の200mの通過が20秒7だったと記憶しています。この200m・20秒7というタイムは当時の日本記録と同水準でした。「速いなー」と思いました。
 結果として、後半の200mは23秒余りかかっているのですが、それほど落ちたという感じはせず、エバンスとジェームズの競り合いがゴールまで続きました。1m弱の差でした。

 このレースの3位には、44秒41の好タイムでアメリカのロン・フリーマン選手が入りました。短距離王国アメリカとしても珍しい、オリンピックにおける金銀銅メダル独占のレースだったのです。
 
 余談ですが、この3人にビンセント・マシューズ選手(1972年ミュンヘンオリンピック400m金メダリスト)を加えた4人で走った、アメリカチームの4×400mリレーが、これまた凄まじいものでした。
 第一走者のマシューズ選手がトップに立つと、第二走者フリーマン選手、第三走者ジェームズ選手と差を広げ、アンカーのエバンス選手にバトンが渡った時には、80m近い差が付いていたようなイメージがあります。少し、エバンス選手が差を詰められた(これだけの大差が付いていると、400mという超苦しい種目では中々全力では走れないのかもしれません)ように記憶していますが、とにかく圧倒的な強さで優勝。
 タイムは、2分56秒16という、従来の記録を3秒以上短縮する異次元の世界新記録でした。実は、この記録は24年間に渡って破られませんでしたから、長寿という点ではエバンス選手の400mの記録より4年長かったのです。

 1968年メキシコシティオリンピックのアメリカ選手団には、男子400m競走の歴史的ランナーが集結していたことになります。
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