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HOME   »   高校野球  »  [夏の甲子園2013] 準々決勝 4試合
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 4試合全てが1点差ゲームというのは、珍しいことでしょう。

 夏の甲子園2013「第95回全国高等学校野球選手権記念大会」の準々決勝4試合は、8月19日、好天の阪神甲子園球場で行われました。

 これも珍しいことなのですが、この大会はここまで雨が降りません。雨でスケジュールが変更になった試合が1試合も無い、という以前に、甲子園球場に雨が降っていないのです。
 グランドは乾ききっています。グランド整備で一面に水が撒かれますが、あっという間に乾いてしまいます。球児の皆さんのワンプレー・ワンプレーには必ず大量の砂塵が舞い上がります。やっている方は大変なのでしょうが、本当に夏の大会らしい光景が続くのです。
 この乾ききったグランドも、当然のことながら、試合の大きな構成要素になっています。

 こうした舞台装置の上で、凄まじい4試合が展開されました。

 第一試合 花巻東5-4鳴門

 試合が動いたのは6回、花巻東が三番岸里選手のバックスクリーンへの2ランホームランで先制、2-0とリード。
 その裏鳴門は2つの四球でランナーを溜めて3本のタイムリーヒットで3点を挙げ、逆転。このあたりの集中打は見事。鳴門が3-2でリード。

 8回表、花巻東は四球から作った二死二塁のチャンスから3連打で3点を挙げ、再逆転。四球は常に失点の最大要因ということを再認識するとともに、花巻東の集中打にも感心するばかり。花巻東が5-3とリード。

 9回裏、鳴門は2つの四球を足場に二死満塁のチャンス。二塁強襲安打で4-5と追い上げます。ここで、1本出れば逆転サヨナラ勝ちという場面でしたが、惜しくも三塁へのフライでゲームセット。

 投げる花巻東の河野投手と打つ鳴門の日下選手。最後の1球まで、勝利の女神がどちらに微笑むか、全く分からない好ゲームでした。

 花巻東は、いつものように細川→中里→河野の3投手継投でした。厳しいスケジュールの甲子園大会においては、3人の好投手を抱えるというのは有利なことですが、一方、交代のタイミングや3人の投手のコンディション確認など、難しい要素もあります。
 準決勝も、継投の成否がポイントとなりそうです。

 第二試合 日大山形4-3明徳義塾

 明徳義塾が3度リードし、日大山形が3度追い付き、3度目は逆転したというゲームでした。加えて、日大山形の4得点はいずれも二死からのものでしたし、3点目まではいずれも長打による得点でした。日大山形打線は、とても勝負強く力強い打撃を展開したということになります。

 明徳義塾に惜しまれるのは、7回裏の二死満塁のチャンスを物に出来なかったことでしょう。2つの四死球で作ったチャンスでしたから、試合の流れは完全に明徳義塾にありました。ここで三番逸崎選手に一本出ていれば、明徳義塾の大勝だったと思います。
 日大山形の庄司投手は、自ら招いたピンチとはいえ、見事に抑えきりました。これで試合の流れが日大山形に傾き、8回表の逆転に結びついた形です。

 8回裏明徳義塾は、3四死球で再び一死満塁のチャンスを掴みましたが、スクイズ失敗で得点できませんでした。こうしたタイムリーヒットの打ち合いのゲームで、ノーヒットで得点しようとする作戦では、試合の流れを掴むことは出来ないのでしょう。

 日大山形は、日大三・作新学院・明徳義塾と夏の甲子園優勝経験チームを三連破して、県勢初のベスト4進出を果たしました。試合内容でも、この3校に全く引けを取らないものでした。
 庄司投手の粘り強い投球と勝負強い打撃が継続できれば、準決勝でも好勝負が期待されます。

 第三試合 前橋育英3-2常総学院 (延長10回サヨナラ)

 関東勢同士の対戦でした。前橋育英は連投の高橋光投手ではなく、喜多川投手を先発させました。荒井監督の采配ですが、無理な連投を極力回避するという考え方に基づいた選手起用でしょう。合理的で冷静な考え方をベースにした選手起用が、勝利を呼び込んだものと思います。

 喜多川投手は2回に2点を失いますが、結局巧打の常総打線を5回までこの2点に抑え込みました。先発投手として十分な働きでしょう。6回からは高橋光投手が引き継ぎ、4連続を含む10個の三振を取って、常総学院に追加点を許しませんでした。前橋育英・荒井監督の投手起用は成功したのです。

 こうなると、常総学院としては2点を守りきることが勝利への道でしたし、実際先発の飯田投手は良く投げました。前橋育英打線を8回まで6安打0封。ピンチらしいピンチは7回裏二死満塁でしたが、ここは高橋光選手を三振に切って取りました。

 このまま押し切れるかと見えた9回裏、飯田投手は脚の痙攣が止まらず降板。金子投手が引き継ぎました。金子投手も前橋育英のクリーンアップ3番4番を内野ゴロに打ち取り二死。5番の小川選手も緩い当たりの二塁ゴロに打ち取った時には、常総学院の勝利かと思われました。

 ところが、ここで乾ききったグランドが悪戯をしたのです。常総学院・進藤二塁手の前でわずかにイレギュラーバウンドして跳ね上がった打球は、進藤選手の胸に当たり、大きく前に弾かれました。エラーとなって、二死一塁。イレギュラーバウンドですから、進藤選手を責めることは出来ません。
 それでも、2-0でリードして9回裏二死ランナー一塁ですから、常総学院の優位は動かないものと思われました。

 しかし後から思えば、球運は既に前橋育英に傾いていたのでしょう。6番板垣選手の2ベースヒットで二死2・3塁となり、打席には再び高橋光選手。気迫十分の打席でした。低いライナーがセンター前に抜けたと見えましたが、打球が速く、右中間を破る三塁打。
 2-2の同点となりました。

 金子投手は好投しました。3人の打者を3つの内野ゴロで仕留めた投球だったのです。常総学院は、エースが降板したから負けたのではなく、球運が味方しなかったとしか言いようがありません。

 9回二死ランナー無しからのイレギュラーバウンドが勝敗を分けました。野球の怖さを、改めて感じるゲームでした。

 エース高橋光、二番手喜多川という2枚の投手を擁する前橋育英は、準決勝でも十分に戦えると思います。荒井監督の冷静な采配にも注目です。

 第四試合 延岡学園5-4富山第一 (延長11回サヨナラ)

 この試合も、先制→逆転→再逆転→同点→サヨナラ、という目まぐるしいゲームでした。第二試合と同様に、両チームに何度も勝つチャンスがありましたが、両チームとも相手チームに傾いた流れを、自チームに何度も引戻す力を見せた点が素晴らしいと思います。

 3回裏延岡学園の攻撃、二塁ランナーを本塁で刺した富山第一・平田中堅手の好返球や、5回表富山第一の先頭バッター藤井選手の二塁打、さらに三塁を狙う走塁を、好中継プレーで刺した延岡学園、両校共に好守備をも展開したのです。

 6回裏延岡学園は、スクイズも交えて3点を奪い逆転。7回表富山第一はタイムリーを重ねて3点を奪い再逆転。しかし、どちらの攻撃も、続くチャンスを宮本投手と横瀬投手が空振り三振に切って取っています。
 両チームとも、攻撃陣が得点を挙げますが、投手陣があと一歩のところで踏ん張り、流れを完全に渡すことを阻止し続けています。真の粘りだと思います。

 8回裏、延岡学園は4番岩重選手のタイムリー二塁打で4-4の同点に追い付き、さらに一死三塁。ここは、富山第一の宮本投手が踏ん張り、後続を断ちます。宮本投手の気迫溢れる投球は見事でした。

 富山第一にとって惜しまれるのは9回表の攻撃。連続ヒットで無死1・3塁のチャンス。ここで、あと一本が出ませんでした。
富山県勢にとって悲願のベスト4進出に、あと一歩に迫った攻撃であったと思います。

 この時、珍しいプレーがありました。富山第一・西田選手が内野ゴロに打ち取られ、ダブルプレーでチェンジ、延岡学園の選手たちは皆ベンチに帰ってきました。しかし、このプレーは、外野審判タイムの後のプレーでしたからインプレーではありませんでしたので、一死1・3塁の状態で再プレーとなったのです。

 後で見た映像では、投球練習場からボールが外野グランド内に入ってしまい、レフトの線審が大きく手を振り、走りながらタイムをコールしています。しかし、両チームの選手達は誰一人気付かず、プレーが続いています。「両チームとも凄い集中力だ」と感じました。

 さて、再プレーとなったのですが、普通こうした状況なら富山第一に流れが行きそうなものですが、ここでも延岡学園・奈須投手の踏ん張りが素晴らしかった。流れを完全に引戻したのです。
 西田選手を空振り三振に取った1球が、この試合を決めました。

 延岡学園も、井出→横瀬→奈須の3投手リレーが武器です。打線も、ここまでの3試合いずれも二桁安打を記録しており好調です。
 準決勝も打線の出来がポイントでしょう。

 さて、準々決勝の4試合をざっと見てきましたが、頭書の通り、どの試合も好ゲームでした。どちらのチームにも勝つチャンスが十分にあった試合が続いたのです。
 通常なら、2~3試合を投げてきた主戦投手が、疲労から大きく崩れ、試合が序盤に決まってしまう、あるいは大差が付くゲームが1~2試合有っても、何の不思議も無いのですが、4試合とも1点差の、試合内容も拮抗したゲームが続いたのは、本当に素晴らしいことでしたし、記憶にとどめておく価値が有ると思います。

 そして、結果として東北の花巻東と日大山形の2校がベスト4・準決勝に進出しました。
 東北勢2校がベスト4に入ること自体は、1989年の仙台育英と秋田経法大付属の例がありますので初めてということではないのですが、当時とは少し雰囲気が違うと思います。
 試合内容が一段と良いのです。全国の強豪校と互角以上の戦いを演じて勝ち進んでいる花巻東と日大山形には、決勝に進出する可能性が十分にあります。

 また、前橋育英には勢いが感じられます。今大会屈指の好投手・高橋光成(たかはし こうな)を擁して、夏初出場でここまで来ました。得点力が課題です。早い段階で得点できれば、良い試合を展開できるでしょう。

 延岡学園も、宮崎県勢として48年振りのベスト4です。九州勢の中では、やや影が薄かった感のある宮崎県勢反抗の狼煙が上がったというところでしょうか。好調な打線の活躍が決勝進出の鍵です。

 もうひとつのポイントは「休養日」。今大会、史上初めて導入された準々決勝と準決勝の間の1日のお休みです。
 特に、投手にとっては大きな休養日となりますが、かえって調子を崩す投手が出てくる可能性もあります。

 投手・野手、各選手の肉体面・精神面の疲労回復と好調維持に向けて、監督他スタッフの腕の見せ所でしょう。
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夏の甲子園2013の準々決勝・好試合の連続  
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