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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム63] ドイツ馬が強くなっているのか?
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 競馬の本家といえば、サラブレッドを生み出し、クラシックレースを開始したイギリス(イングランド)ということになります。そして、欧州各国はイギリスから早々にサラブレッドを導入し、各々の国で、それぞれの競馬を創り上げてきました。

 欧州各国には国際的なレースも多いので、各国の競走馬の実力比較ができます。20世紀以降の競馬に付いて見れば、欧州競馬の中核を成す国は、イングランド、フランス、アイルランドということになるでしょう。特に、21世紀に入ってからはアイルランド馬の強さが目立つように思います。

 一方で、いわゆる国力に比して評価が低いのが、イタリアとドイツでした。特に、ドイツは、欧州NO.1の経済力を保持していることは周知の事実ですが、競馬に付いてはイギリスやフランスの後塵を拝してきたのです。もちろん、ドイツ競馬の歴史は他の欧州大陸各国と遜色ないもの(1822年開始)です。
 他のスポーツでのドイツの強さを勘案すると、不思議な感じもします。

 欧州における、3歳馬・古馬が出走できる代表的な国際レースといえば、毎年7月の第4週にイングランド・アスコット競馬場芝12ハロン(約2400m)のコースで行われる「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」と毎年10月第一日曜日にフランス・ロンシャン競馬場芝2400mコースで行われる「凱旋門賞」の、ふたつのレースでしょう。

 キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは「欧州の上半期NO.1ホースを決める」レースという、明確なアイデンティティがあります。とはいえ、7月という開催時期は、3歳有力馬が各々の国のダービーに相当するレースに向けてコンディションをピークに整え、出走を終えた後というタイミングであるため、間をおかずに、もうひとつ大レースに臨むのが難しいということから、負担重量差が5kg以上ある(3歳54.9kg、4歳以上60.3kg)にもかかわらず、近年3歳馬の出走が少ないレースでもあります。

 一方、凱旋門賞は、開催時期が10月ということで、3歳馬が調整しやすい上に、3歳の夏を越えて、急速に地力が付いてくる時期ということもあってか、3歳馬の出走が多く、成績も4歳以上の古馬より3歳馬からの方が優勢というレースです。
 ちなみに、凱旋門賞も3歳56kg、4歳以上59.5kgと3.5kgという大きな負担重量差が有りますが、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSよりは斤量差が小さく設定されています。7月下旬から10月上旬の2ヶ月余りの間の3歳馬の成長度合いは、相当に大きいということなのでしょう。

 さて、本題に戻ります。

 欧州を代表する、3歳馬・古馬混合の国際レースであるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS と凱旋門賞における、ドイツ馬の成績は、惨憺たるものでした。
 キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの方は、2011年までの61回のレースで0勝、凱旋門賞の方は2010年までの89回のレースで僅かに1勝。

 ちなみに、ドイツ馬と同じように、欧州の中では少し力が落ちると言われるイタリア馬の方は、凱旋門賞で6勝しています。
 20世紀前半、サラブレッドの生産に革命をもたらしたといわれる、名生産者にして馬主であり調教師でもあったフィデリゴ・テシオ氏の馬リボー号*が1955年・1956年と2連覇しているのを始めとして、1988年には日本では種牡馬としてお馴染みのトニービン号が勝つなど、時々活躍馬を出しています。(*リボーは16戦16勝の無敗馬で、凱旋門賞2勝に加えて、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSにも勝っています。世界の競馬史上最強馬の議論には必ず登場する名馬です)

 ところが、イタリア馬にも?押され気味だったドイツ馬が、最近この2つのレースで実績を挙げてきているのです。

 2011年に3歳牝馬デインドリーム号が凱旋門賞を制しました。ドイツ馬として史上2頭目の快挙でした。「3歳牝馬は、斤量に恵まれているから」と言われましたが、翌2012年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSにも優勝してしまいます。
 今度は「ドイツ馬では、デインドリームだけが強い」とか言われましたが、2013年今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを4歳牡馬のノヴェリスト号が5馬身差で圧勝したのです。

 テレビ番組でこのレースを見ましたが、スタートから緩みの無いペースでレースが展開され、直線半ばから抜け出してきたノヴェリストの脚色は迫力満点。古馬ですから60.5kgという重い斤量を背負い、これまでのレコードを約2秒も更新する、5馬身差の圧勝劇でした。

 さて、こうなると、これまで弱いといわれてきたドイツ馬の評価を変えなくてはならないのかもしれません。
 何しろ、直近のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSと凱旋門賞の4レースの内3レースをドイツ馬が制しているのですから。

 ノヴェリストは、今年10月の凱旋門賞にも挑戦する予定です。オルフェーヴル号やキズナ号の強敵となることは間違いありませんし、もしノヴェリストが凱旋門賞も勝つようなら、明らかにドイツ馬のレベルが上がったと見るべきでしょう。
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