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 第67回リトルリーグ・ワールドシリーズは、2013年8月15日~25日にかけて開催され、日本代表の武蔵府中チームが優勝を果たしました。

 初戦はチェコ代表チームを7-3、第二戦は台湾代表チームを3-2、第三戦でメキシコ代表チームを5-2で破って準決勝に進出、準決勝戦は再びメキシコと当たり3-2で下して、決勝に駒を進めました。そして決勝戦は、アメリカ西地区代表のカリフォルニア・Chula Vistaチームを6-4のスコアで下し、5戦全勝での堂々たる優勝でした。

 これで、日本代表チームは昨年の東京北砂チームの優勝に続いて2連覇、通算9度目のリトルリーグ世界一に輝いたのです。

 ベースボールのリトルリーグは、11歳から13歳までの少年により構成されるチームによるリーグ戦です。
 そして、リトルリーグ・ワールドシリーズは、1947年・昭和22年開始という長い歴史を誇る大会です。第二次世界大戦が終結した2年後に始まっているという点で、アメリカという国の懐の深さを感じる事実です。大会会場は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州サウス・ウィリアムズポートです。これは、第一回から現在に至るまで不変です。

 この大会は、1947年から1950年代まではアメリカ国内の各地区の代表が覇を競い、そのチャンピオンをワールドチャンピオンとしていました。ベースボール起源国のプライドも感じられますし、おそらくその頃までは、アメリカのリトルリーグ・ベースボールのレベルは世界的に見て、一頭抜けていた存在だったのでしょう。

 それが1950年代半ばから世界各国の代表も加えた大会となり、その後も大会内容を少しずつ見直し・変更しながら、現在に至っています。アメリカ以外のチームが優勝したのは、1957年のメキシコ代表チームが最初です。

 現在は、アメリカ国内の各地域の代表8チームと世界中の各地域代表8チームの計16チームによって争われる大会になっています。世界各地域というのは、カナダ・メキシコ・カリブ海・ラテンアメリカ・日本・アジア太平洋中東・欧州アフリカ・オーストラリアの8地域です。
 日本は2006年まではアジア太平洋地域に属していましたが、2007年からは独立した「日本」枠となりましたので、リトルリーグ全日本選手権大会の優勝チームが、そのままワールドシリーズに進出できるようになりました。

 この大会で、優勝回数が最も多い国は当然ながらアメリカです。合衆国の各地区の代表が代わる代わる優勝していた時期が長かったこともありますが、この大会の初期にはペンシルベニア州のチームの活躍が目立ちました。ペンシルベニア州は、リトルリーグ・ベースボールの聖地であり、日本風に言えば「ベースボールどころ」なのでしょう。

 二番目に多く優勝している国は台湾です。17度の優勝を誇ります。台湾チームが初優勝したのは1969年ですが、1971年~1974年の4連覇、1977年~1981年の5連覇、1986年~1991年の6年間で5度の優勝と、とても強い時期が続きました。この時期は、台湾ベースボールがリトルリーグ・ワールドシリーズを席巻していたのです。
 おそらく、台湾出身プレーヤーがMLBで最も活躍していたのは、前述の時期の10年後位、つまり1980年から2000年の間ではないでしょうか。
 こうしたことには、明確な関連性があるものです。

 三番目に多く優勝している国は日本です。頭書の通り9度です。日本代表チームは1967年と1968年を連覇し1976年にも優勝しましたが、その後は台湾代表などの壁の前に中々勝つことが出来ませんでした。
久々の優勝が1999年で、その後5度の優勝を重ねています。

 最近10年(2004年以降)の国別成績を見ると、アメリカが6度、日本が3度、キュラソーが1度の優勝となっています。21世紀に入ってからは、アメリカの各地区代表の力が再び上がってきていることと、アメリカ以外の地域では日本代表チームの力が優位にあることが解ります。

 そして、日本代表チームの最近の5度の優勝の内、頭書の武蔵府中リトルと東京北砂リトルが2度ずつ優勝しています。この2チームは、全日本選手権でも覇を競い、ワールドシリーズでも優勝を争っている強豪チームということになるのです。
 何しろ11歳から13歳までの少年しか出場できないのですから、選手はどんどん代わります。にもかかわらず、常に日本のトップを争い、ワールドシリーズでも勝っていくのですから、その選手層の厚さと指導力の強さを感じます。この2チームは、日本のリトルリーグ野球の名門チームなのでしょう。
 
 我が国のリトルリーグ野球のレベルの高さ、裾野の広さは素晴らしいものだと思います。野球というスポーツの足腰を支えている存在であることは間違いありません。

 それにしても、リトルリーグ・ワールドシリーズは「ベースボールの世界戦略」を強く感じさせる大会です。
 
 1947年からしばらくの間は、アメリカ合衆国内でのリトルリーグの普及を目指し、1950年代からは、メキシコ、カリブ海と参加国を増やしながら普及を図り、アジアやヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアも加えて、世界規模の大会としました。

 テレビ放送の開始も大きな力となったようです。当初は決勝戦だけの放送でしたが、現在では、大会全ゲームの2/3位がアメリカ国内で放送されているそうです。一定の視聴率を稼ぐことが出来るマーケットが存在しているということですから、凄いことだと思います。

 優勝した武蔵府中チームが優勝ペナントを持ちながら場内を回っている写真がトップに掲示されている、今大会のホームページは「ベースボールは世界中に普及しているスポーツ」という印象を強く受けるように作成されています。

 アメリカ合衆国には、メジャーリーグ・ベースボールMLBを頂点としたベースボールというスポーツを、世界中のマーケットに普及させる・売り込んで行くための仕組みが、とても良く出来ていて、リトルリーグ・ワールドシリーズもその一環ということなのでしょう。

 11歳~13歳の頃、アメリカ・ペンシルベニア州サウス・ウィリアムズポートでプレーした少年達は、その思い出を忘れることは決して無いでしょう。長じてプロのプレーヤーになった時には、やはりベースボールの母国たるアメリカの地でプレーしたいと考えるのは、自然なことのように思います。

 そして、リトルリーグではプレーしたものの、その後別の道を歩む少年達も沢山居る筈ですが、この人達の大半も「アメリカのベースボールファン」で有り続けることでしょう。より広い意味では「アメリカ合衆国のファン」でも有り続けることでしょう。

 加えて、この少年たちの親・兄弟・親族・知人の方々も、応援という形で係わりますから、多くの人達が自然にベースボールのファンになるでしょう。親御さん達にとっても、子供を応援に行った、サウス・ウィリアムズポートの球場での思い出は、一生ものです。当然ながら、アメリカの学生野球やMLBにも、興味を持ち続ける方々が多いと思います。

 こうした大会が67年間も続いているのです。アメリカ国内の地区代表として出場した選手・関係者の方々も含めて、どれほど多くの世界中の人達が、ベースボールの、そしてアメリカ合衆国のファンになり、今後もなっていくのでしょう。

 アメリカ合衆国は、様々な意味で世界一のスポーツ大国です。種々のスポーツ競技において、ジュニアやリトルの大会が多数行われていますから、資金面への対応も含めて、こうした大会の運営ノウハウが十分に蓄積されています。つまり、おかしな大会には決してならない、いつも感動的な大会となるのです。

 こうした、世界規模の組織的かつ極めてシステマティックな体制作りと取組の継続は、アメリカ合衆国・アメリカの人々が得意とする分野です。そして、日本を始めとする他の国々には、中々真似が出来ないものなのです。
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