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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム65] マティリアル号のラストラン 京王杯AH
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 マティリアル号、1984年4月生、父パーソロン、母スイートアース、母の父スピードシンボリ、生涯成績19戦4勝。

 重賞2勝とはいえ19戦4勝の競走馬としては、マティリアルは競馬ファンに、とても知られた馬です。

 その理由は、ひとえに1987年春のフジテレビ賞スプリングステークスの走りにあります。このレースには、前年の朝日杯3歳ステークスの勝ち馬メリーナイスと阪神3歳ステークスの勝ち馬ゴールドシチーという、2歳の東西横綱が顔を揃えました。まさに、この年のクラシック戦線を占うレースとなったのです。

 このレースで、マティリアルは強烈な末脚を魅せて、ゴール寸前、バナレットを交わして優勝しました。アタマ差でした。
 馬場の中ほどを通ってのゴール前100mからの追い込みは迫力満点。黒い馬体が躍動しました。中央競馬史上の「強烈な追い込みのレース」を上げる時、必ず入ってくるレースでしょう。
 「ワープしたような」追い込みでしたから、そのインパクトは凄まじく、マティリアルは超人気馬となりましたし、現在でも時々話題となる「記憶に残るサラブレッド」となったのです。

 父パーソロンと母の父スピードシンボリという、皇帝シンボリルドルフと同じ配合という良血もあって、マティリアルは一躍クラシック候補になりましたが、皐月賞こそ3着と健闘するものの、日本ダービー18着、菊花賞13着と大敗。クラシックレースどころか、勝ち鞍を上げることもままならない日々が続きました。

 4歳時1988年は、天皇賞(秋)、有馬記念のG1レースを始めとして7つの重賞にチャレンジしましたが、勝つことはできませんでした。

 1989年5歳の夏、マティリアルは7月七夕賞→8月関屋記念→9月京王杯オータムハンデキャップAH(現在の京成杯AH)と1ヶ月に1度走りました。現在のサマーシリーズのようなローテーションです。あのスプリングステークスから、1度も勝っていないにもかかわらず、いつも人気は高く、関屋記念と京王杯AHは1番人気でした。

 そして、夏3戦目の京王杯AHを見事に制したのです。追い込みではなく、4角2番手の好位置からゴール前の叩き合い、グイッと抜け出したところがゴール。クビ差でした。

 思えば、あのスプリングステークスも上がり3ハロンは36秒0でしたから、それ程速い脚を使ったわけではなかったのです。展開と他馬との関係で「史上稀に見る末脚」が演出された形でした。
 おそらく、マティリアルは「一生懸命に走るジリ脚タイプの競走馬」だったのでしょう。その真面目な走りが、京王杯AHでも功を奏したのだと思います。
 こんなことを書くと、マティリアルファンの方からお叱りを受けそうですが。

 しかし、好事魔多し。レース後骨折が見つかり、良血馬を種牡馬として生かしたいという関係者の懸命の努力も空しく、安楽死処分となりました。
 京王杯AHの久しぶりの勝利が、ラストランになってしまったのです。

 マティリアル号は伝説になりました。
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