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 フジテレビに「ジャンクスポーツ」という番組があります。確か2005年の正月に放送されたジャンクスポーツの内容を、本稿のテーマにしました。当該番組の内容については、ほとんどが筆者の記憶ですので、細部については違っている点があるかもしれませんが、大筋や金額・単位などは合っていますので、ご容赦ください。

 ジャンクスポーツという番組は、複数の競技のプレーヤーを8~10人位、ゲストとして招き、ダウンタウンの浜田雅功氏(以下「ハマちゃん」と表記します。雰囲気が出ますので)や三宅アナウンサー・内田アナウンサーらが司会を務めて、色々な話題についてトークショーなどを展開する、バラエティショーです。

 私は、年末年始のジャンクスポーツが大好きでよく観ていました。なぜ年末年始のジャンクスポーツが好きかといいますと

① 各競技のプレーヤー達がリラックスして登場していることです。例えば、オリンピックの放送で複数のメダリストをスタジオに呼び、話を聞く番組があり、これはこれで面白いのですが、プレーヤーは競技の延長線上で話をするので、一定の緊張感や無理やり捻り出すような回答があります。聞き手も、メダル獲得に関連する質問に終始しますので、トークの範囲が限定されるのですが、このジャンクスポーツは完全にリラックスした状態のプレーヤーですので、思わぬ話が聴けます。

 聞き手のハマちゃんも、トークのプロとして独特の世界を自然に作り出しますから話の広がりが大きくなります。他の司会者の当番組対応を見たことが無いのですが、浜田雅功氏は、この番組に向いていると思います。

② ①とも関連しますが、リラックスした各競技のアスリートが一堂に揃うので、そのサイズ感、体の動きは、他の番組では観られないものだからです。トップアスリートの体躯(「ユニット」とも言われます)は一般の人とは、相当に異なります。各競技に臨む時、日本有数、世界有数の能力を発揮するユニットが、一堂に会している姿は、壮観でさえあります。

 例えば、PGAツアーのタイガー・ウッズが出演したことがありました。タイガーは身長185cmでゴルファーとしては大きい方ですが、一般の人でも185cm位の人は居ます。しかし、番組のタイガーの大きさは一般人の185cmより大きく見えるのです。そして、実際に大きいのだと思います。肩や腰、太ももといった部位に、一般人には無い筋肉が付いていて、それが体のラインを違うものにしているのだろうと思います。

 各々の競技のために鍛え上げられた複数の体躯を同時に観ることができる、それもユニフォームではなく普段着姿でリラックスした状況下、観ることができる番組は、あまり無いと思います。

 さて、話を本稿のテーマに戻します。

 その2005年正月上旬のジャンクスポーツにMLB投手の長谷川滋利選手とPGAツアーのゴルファー丸山茂樹選手が出演していました。(恐縮ながら、他の出演者は憶えていません)
 
 長谷川は、1997年から2005年まで9年間MLBでプレーしましたので、2005年のこの番組出演は、MLB時代の最後の方ということになります。
 丸山は、2000年から2008年までの9年間、PGAツアーを主戦場としましたので、PGAツアー5年目を終えて、この番組に出演していたことになります。

 確かハマちゃんが引退後の話を、他の出演者にしていて、長谷川に振ったのです。長谷川は「MLBの年金制度は充実していて、まず5年間プレーすると年金が貰えるようになります。10年間プレーすれば、60歳から年2000万円位の年金が死ぬまで貰えます。今なら(おそらく8年間プレーした時点だったと思います)、年1500万円位ですかね」と笑顔で話しました。
 ハマちゃんは「エー!そんなに貰えるの。マルちゃんの方はどうなの」と丸山に話を振りました。

 丸山は「PGAツアーも充実してますよ。やっぱり5年間プレーしないと貰えないんです。いくら貰えるかとかは、各プレーヤーの年金を管理している『年金おばさん』が一人いて、彼女に聞くと教えてくれるんですよ。この間聞いたら、『あなたは、あと5年頑張ってプレーしたら全部で20億円~30億円になるわね』といわれましたよ。60歳から貰えるんですけど、50歳でまとめてキャッシュで欲しければ、何割か引かれて貰えます。」
 ハマちゃんは「エー、30億!」。長谷川は、笑いながら肘打ちみたいなことをしています。
 丸山はニコニコしながら続けます。「もちろん成績とかも関係します。タイガーなんか、このまま活躍したら300億円~400億円貰えると思いますよ。」と。

 出演者一同ビックリして、ハマちゃんはここで話題を変えました。

 こうした話は、中々表に出てきません。特に年金制度の話は、滅多に聴けるものではありませんので、貴重なトークでした。
 プレーヤー本人達が話しているのですから、間違いない話でしょう。(→続きへ)

 もちろん制度の詳細は分かりません。受給資格や算出方法などはベールに包まれたものですが、アメリカのプロスポーツには充実した年金制度が存在していることは確かなのです。NFLやNBA、NHLには、まだシーズンを通して活躍した日本人プレーヤーが居ないこともあって、報道される機会がありませんけれども、同じアメリカのプロスポーツとして同水準の年金制度が存在していることでしょう。

 私の同僚や知人には海外勤務経験者あるいは現在海外で働いている人が沢山います。彼らの話を聴くと、一般の日本人ビジネスマンもアメリカで勤務すると、アメリカの年金制度を受けられるのです。一昔前なら10年間以上の勤務が必要でしたから、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなどのアメリカの拠点に勤務する日本人は「今9年目だから、あと1年半はアメリカに居たいな」などと言っていました。現在は、10年間働かなくとも年金が貰えるそうです。

 一定の基準を満たして「アメリカの年金受給資格を得た人」をキチンとフォローし、世界中どこで暮らしていても、当該の人物に年金が届くように管理するのは容易なことではないと思いますし、その体制が構築されているのです。人員やシステムを含めると、相当なコストがかかると思います。
一昔前なら郵便為替が毎年、決まったサイクルで送られてきたそうですし、現在では銀行口座への振込も選択できるそうです。

 アメリカで働く普通の日本人ビジネスマンにも、こうした制度が適用されるのですから、教師・学者・研究者やアーティスト等、あらゆる業種の人に適用される年金制度がアメリカには存在するのだろうと思います。

 これは、アメリカに各界の優秀な人材が集まる理由の一つであろうと思います。

 我が国の各スポーツ界において、その競技独自の年金制度があるという話は、聞いたことがありません。(私が知らないだけかもしれませんが)しいていえば、大相撲・日本相撲協会の引退後の親方制度や協会職員として働く制度が上げられます。
 この相撲協会の制度にも定年制がありますから、引退後から60才までの間の働く場の提供ということになります。

 我が国では、プロスポーツ選手の60才以降の年金は一般の人と同じ、国民年金なのでしょうか。

 例えば、PGAツアーのやり方について、私が伝聞している情報を記述します。
PGAツアーでは、各試合のスポンサー企業から提供される資金の一部を入り口の段階で差し引いて年金原資などの必要経費とし、残りをその試合の賞金にしているようです。色々な情報を総合すると、その差引額は全体の2割程度のようです。

 今シーズンのマスターズや全米オープンなどの4大メジャートーナメントや、フェデックス・カップのプレーオフシリーズ4試合の賞金総額は、いずれも800万ドルですから、おそらくスポンサー企業などから1000万ドル程度の資金をPGAツアーが受けて、200万ドル程度を年金原資他の必要経費として差し引いていると思います。

 もちろん、試合には観客の入場料とかテレビの放映料、関連グッズの売り上げ等々様々な収入がありますから、これらとスポンサーの出資との関係等、よくわからない要素もありますが、大切なことはキチンと年金原資を確保する方法が確立されているということです。
 こうした年金原資を、PGAツアーを主催しているPGA TOURがプレーヤーに代わって運用しているのだと思います。

 タイガー・ウッズは、2000年代の全盛期には、毎年100~120億円の収入があり、F1ドライバーのミハエル・シューマッハとプロスポーツプレーヤーの年収世界一を競っていましたから、年金など必要ないとの見方もあります。

 一方で、タイガー・ウッズの存在がPGAツアーにもたらしたマネーは膨大なものです。タイガーに限らず、NPBの長嶋茂雄や王貞治、MLBのベーブルース・ジョーディマジオ・デレクジータ、サッカーのペレ・ベッケンバウアー・メッシ、NFLのジョーモンタナやブレットファーブ、NBAのマイケルジョーダンやレブロンジェームズ、NHLのウェイングレツキー、PGAツアーの二クラウスやパーマー・トムワトソン、テニスのピートサンプラスやビリージーンキングといったスター達(他にも沢山います)は、何千万人あるいは何億人もの観衆に楽しさや喜びや夢を、時には生きる希望さえももたらして来ましたし、現在ももたらしています。

 加えて、その所属する競技のリーグ関係者・プレーヤー達はもちろんとして、用具メーカー関係者、報道関係者、テレビ他のAV機器メーカー関係者、旅行会社関係者等々、数百万人・数千万人あるいはもっと多くの人達に、働く場を提供しています。
 こうした存在がスポーツ界におけるスターという存在であり、例えばタイガー・ウッズであれば、400百億円(20年間で受け取るとして、年20億円)位の年金を受け取るのは当然だという見方もあります。私もこの意見に賛成です。
 
 本稿で考えたいのは、日本のプロスポーツ界、各競技は、こうしたスター達にキチンとした引退後の生活を支える手段を提供しているのか、提供しなくてよいのか、ということです。
 大相撲の横綱曙が引退後相撲協会で働くことになりましたが、その年収が1200万円でしたので、食費・子供の養育費として足りないという理由で、新格闘技に転向した(一試合1億円のファイトマネーを契約条件として)という報道を見たことがあります。
 横綱貴乃花と共に、一時代の大相撲の屋台骨を支え、冬季長野オリンピック開会式で国技大相撲を代表して土俵入りを行った、大相撲を代表するプレーヤーだった曙が、食べるために異種格闘技のリング上で戦っている姿は、本人が望んでやっているか否かにかかわらず、いかがなものかと思います。

 およそ世界でメジャースポーツと呼ばれる、あらゆる競技におけるアメリカ人プレーヤーの強さは際立っています。(サッカーとラグビーは例外ですが)
その理由の一つが、この年金制度なのではないでしょうか。

 よくテレビなどで、日本のプロ野球選手がMLBに行くのはけしからん、といった意見を耳にしますが
① 世界最高レベルのリーグやゲームにトライしたい、というニーズがトッププレーヤーの中に存在するのは、当然のことですし
② その世界最高レベルのリーグやゲームは、いくつかの理由によって、アメリカのプロスポーツ界に存在することは事実なのですから、止むを得ないことでしょう。

 そのいくつかの理由の一つが、年金制度の充実だと思います。アメリカプロスポーツの年金制度は、世界中、特に開発途上国のプレーヤーにとっては、アメリカンドリームの一部であると思います。
 
 昨晩、妻に「今年の正月はジャンクスポーツ、見たかな」と聞きましたら「見なかったわね。何でかしら」と。放送されていれば、見落とさなければ観るハズなので、ひょっとすると何らかの理由で放送が無かったのかもしれない、とも思っています。
 もし今年、無かったのでしたら、フジテレビの関係者の皆さん、来年のお正月には是非放送をお願いします。この種切り口の企画番組は、他には無いのですから。楽しみにしています。

 私のブログは簡潔を旨として作成しているつもりなのですが、本稿は長くなってしまいました。ここまで読んでいただいた来訪者の皆様にお礼を申し上げます。
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