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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム71] 凱旋門賞レコード勝ち ミルリーフ号
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 少量ですが欧米の競馬情報が、定期的かつ比較的リアルタイムに入ってくるようになった1970年・昭和45年頃、最初にヨーロッパ最強馬と報じられたのがミルリーフであったと記憶しています。
 モノクローム写真でしたが、がっしりとした馬体が印象的でした。

 ミルリーフ号、父ネヴァーベンド、母ミランミル、1968年アメリカ・バージニア州生まれ、イギリスにて調教されました。競走成績14戦12勝・2着2回。

 14戦12勝・2着2回という競走成績は、それ自体が大変高いレベルのものですが、その内容が極めて素晴らしいものです。
 特に3歳時・1971年シーズンは、イギリスダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、凱旋門賞のいわゆる「欧州3冠レース」(いずれも2400m)に優勝しています。
 ダービーが2馬身差の勝利、「キングジョージ」は6馬身差の圧勝、凱旋門賞は3馬身差かつレースレコード勝ち、でした。この年の欧州最優秀馬にも選出されましたから、我が国に欧州最強馬と報じられたのも当然のことでした。

 生涯2度の2着が、また凄い?ものです。

 ひとつ目は2歳時フランスに渡って出走したロベールパパン賞1100m。これはマイスワロー号に頭差の2着。このマイスワローは初のフランス2歳4冠馬でした。少し詳しい方でしたら思い当たると思いますが、マイスワローは1978年に種牡馬として日本に輸出され、ワカテンザンやキョウエイレアの父となっています。

 ふたつ目は3歳時の2000ギニー・1600m。言わずと知れた牡馬クラシックレース第一弾です。この年の2000ギニーは、一番人気がミルリーフ、二番人気がマイスワロー、三番人気がブリガティアジエラードという、超豪華絢爛なメンバーでしたから、出走馬はわずか6頭。
 1着がブリガディアジェラード、3馬身差で2着がミルリーフ、3着がマイスワローでした。

 競馬史においては、時々名馬が同じ時期に集中して登場するのですが、1970年頃もまさにそうした時期でした。

 ブリガディアジェラード号は、18戦17勝・2着1回の競走成績を誇る中距離の名馬で、史上最強中距離馬との評も多く、現在もイギリスで最も人気のある馬とも言われています。
 ミルリーフとの対戦は、この2000ギニー1度だけで、その後はマイル戦を中心に重賞制覇を重ね、4歳時にはイギリス年度代表馬に選出されました。最近で言えば、フランケル号のタイプです。

 ミルリーフとブリガティアジェラードという、40年を経た現在でも、史上最強馬や史上最強中距離馬の候補となる2頭の馬が同世代であったわけで、もし2000ギニーにブリガディアジェラードが出走していなければ、ミルリーフはイギリス2冠馬になっていた可能性が高いと思いますし、この2頭と同世代でなければ、マイスワロー(競走成績11戦8勝・2着2回・3着1回)も、もう少し現役を続けられたことでしょう。

 いずれにせよ、短距離に絶対の力を持つマイスワローと史上最強中距離馬との呼び声高いブリガディアジェラードに、それぞれ1度ずつ敗れたとはいえ、ミルリーフの名声にはいささかの影響も有りませんでした。

 ミルリーフのレース振りには特徴があります。「もの凄く速い」という感じがしないのです。どのレースも、最後の直線で先頭グループに進出し、ライバルの馬達と並んで走ります。このまま、ずーっと並んで走るのではないかと思うくらい、同じ速度で走ります。そして、ゴール前1ハロンあたりからジリジリと前に出るのです。
 「あの脚が凄かった」という場面が無いレース振りでした。

 かつて、日本ダービー馬のコダマ号とシンザン号を調教した武田文吾調教師が「コダマはカミソリ、シンザンはナタ(鉈)の切れ味」と評しましたが、ミルリーフはナタの切れ味だったと思います。速い馬ではなく強い馬だったのです。

 凱旋門賞をレコード勝ちしたミルリーフ。その馬名は、欧州馬の強さの象徴です。
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