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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム72] 関西のエース キタノカチドキ号
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 1973年のデイリー杯3歳ステークス(現在のデイリー杯2歳ステークス)を9馬身差で圧勝したのが、キタノカチドキです。

 現在に比べて、関東と関西の競馬の独立性が高かった時代に、関東の競馬ファンにとって「関西の来年のクラシック候補馬」を知ることが出来る貴重なレースであった、デイリー杯3歳ステークスですが、この時の「9馬身差の圧勝」には、とても強い印象を受けたことを憶えています。確か、カチドキはまだ2戦目でした。

 この頃は、デイリー杯などの重賞を経て、関東では朝日杯3歳ステークス、関西では阪神3歳ステークスに2歳の牡馬牝馬の有力馬が集まり、それぞれの地域の2歳チャンピオンを決めていたのです。
 その阪神3歳ステークスでキタノカチドキは、後に高松宮杯などを制する名牝イットーに3馬身差で完勝、2歳時を4戦4勝の完璧な競走成績で終えて、最優秀3歳牡馬に選出されました。名実ともに関西のエースとなったのです。

 明けて1974年、カチドキはきさらぎ賞を快勝して東上しました。関東馬が強かったこの時代に、関西の期待を一身に背負っていたと思います。
 スプリングステークスの走りを観た時には「好位置につけて直線で差す。負けにくいレースをする馬」という印象でした。
 「逃げ」でも「追い込み」でも無く、「好位差し」という戦法を取ることが出来たのですから、騎手の言うことを良く聞き、自在の脚質を持ったサラブレッドだったのでしょう。また「好位差し」という現在では当たり前の戦法を、有力馬として初めて確立したのもキタノカチドキだったのではないでしょうか。

 5月13日の皐月賞(この年は厩務員のストライキで、スケジュールが後ろ倒しでした)も、2着のコーネルランサーに1と1/2馬身差で快勝。無敗の皐月賞馬の誕生でした。ゴール前100mあたりで、必ず前にグイッと出るレース振りは安定感抜群で、これは日本ダービーもカチドキで仕方がないと思われました。

 しかし、皐月賞と同様に単枠指定となった日本ダービーでは、よもやの3着に敗れます。後から聞いた話では、調子が相当落ちていたのだそうです。加えて、23頭立ての19番と外枠の不利もあってか、いつものように好位に付けるのに手間取った感じもありました。
 最後の直線で、まず大きく内に刺さり、それから外によれて、距離を損しています。

 「インターグッドかコーネルランサーか、キタノカチドキは3着だ」という、テレビのアナウンサーの絶叫が耳に残っています。日本ダービー史上に残る大接戦、長い写真判定の結果、優勝したのはコーネルランサー号でした。キタノカチドキとの差は「ハナ+1馬身」でしたから、カチドキが真っ直ぐに走っていれば十分交わしていたと思います。

 3歳秋は、神戸新聞杯→京都新聞杯→菊花賞と3連勝しました。この3連勝は、当時は「夢の3連勝」と呼ばれていましたが、カチドキは見事に達成したのです。
 この時の菊花賞の最後の直線の走りは、とても苦しそうでした。一杯一杯という感じで、追いすがるバンブトンオールを1と1/4馬身凌ぎ切ったのです。私は「カチドキは本質的には中距離馬」だと感じました。高い競走能力で、何とか距離もこなすサラブレッドだったのでしょう。
 ちなみに、キタノカチドキの鞍上は武邦彦(武豊騎手の父)、バンブトンオールの鞍上は福永洋一(福永祐一騎手の父)でした。当時、名人と呼ばれた武邦彦と天才と呼ばれた福永洋一の対決でもあったレースでした。

 4歳・古馬となったキタノカチドキは、マイラーズカップこそ勝ちましたが、天皇賞(春)はイチフジイサミの2着、有馬記念はイシノアラシの8着と敗れて引退しました。

 キタノカチドキ号、父テスコボーイ、母ライトフレーム、母の父ライジングフレーム、通算成績15戦11勝2着2回3着1回。日本競馬界に一時代を築く大種牡馬テスコボーイの、最初の傑作馬でした。

 そして、「キタノカチドキ」というのは本当に素敵な馬名だと思います。

 この頃、関西で流行っていた歌?を思い出します。「今日の良き日は、カチドキの、勝ち出で賜いし、良き日なり」。記憶ですので細部が違うかもしれませんが、関西競馬ファンのキタノカチドキに込めた思いが、良く分かる歌だと思います。
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