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HOME   »   バスケットボール  »  [NBA] 1人のプレーヤーに得点が集中するとチームは勝てない?
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 NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシェーション)は、1946年・昭和21年の6月に設立された北米のプロバスケットリーグで、30チーム(アメリカ29、カナダ1)により構成されています。世界最高水準のバスケットボールのプレーが展開されているリーグであり、アメリカ4大スポーツのひとつとして隆盛を極めています。(基本情報です)

 そのNBA史上で1試合最高得点記録を持つプレーヤーは誰でしょう。

 NBA歴代最高得点記録38,387点を保持する伝説的ポイントゲッター、カリーム・アブドルジャバーでしょうか。郵便を配達するように得点を量産した「ミスター・ポストマン」カール・マローンでしょうか。ゴール下の暴れん坊シャキール・オニールでしょうか。現役最高のポイントゲッターであるコービー・ブライアントやレブロン・ジェームスでしょうか。それとも「バスケットボールの神様」マイケル・ジョーダンでしょうか。

 (この種の質問の恒例として)いずれのプレーヤーでもなく、ウィルト・チェンバレンというプレーヤーです。1962年のゲームで、1試合に100得点を上げました。これは凄い水準の記録です。
 NBAは、ファンに喜んでもらえるとの考え方からか、その歴史上「得点が入りやすいように」ルールの改正を続けてきていますが、現在でも1試合のチーム総得点は大体100~120点です。NBA発展期の1962年の段階で、1人で100点を上げているのですから、驚くというよりは、呆れてしまいます。

 ウィルト・チェンバレンは、1936年生まれのフィラデルフィア出身。身長216cm、体重125㎏という、当時としては(現在でも)大型プレーヤーです。NBAは、1959年のフィラデルフィア・ウォリアーズを皮切りに4チームでプレーし、1973年のロサンゼルス・レイカーズでのシーズンを最後に引退しています。

 チェンバレンの記録を挙げていくと本当にキリが無い*のですが、特に「得点」と「リバウンド」については、今後破られないであろう「不滅の記録」が数多くあります。前述の1試合100得点もそうですが、1試合55リバウンドの方が、より凄い記録だとも言われています。
 *ごく一部を書きます。1961~62年シーズンは、4029得点2052リバウンド・1試合平均50.4得点25.7リバウンド、この全てがNBA記録です。1シーズン3000得点以上の記録は、チェンバレンとマイケル・ジョーダンのみが記録しています。このように、各シーズンで大記録を作っていますのでキリがありません。

 1試合100得点は1962年3月2日の対ニューヨーク・ニックス戦で達成したのですが、このゲームでチェンバレンが所属したフィラデルフィア・ウォリアーズは負けています。
チェンバレンは、1959年のデビュー年から1964年までのウォリアーズに在籍している間、ほとんどあらゆる得点・リバウンドのNBAシーズン記録を更新し、プレーオフにも進出しましたが、NBAファイナルでは勝てませんでした。そして76ersに移籍し、チェンバレンにとってのNBA8年目・1966~1967年シーズンに、ようやくNBAファイナルを制して優勝しました。しかし、結局、彼の優勝はこの1回でした。

 ここが興味深いところです。例えば「神様」マイケル・ジョーダンの1試合最高得点記録は69点で、これも凄い記録なのですが、この試合もジョーダンが所属したシカゴ・ブルズは敗れています。また、ジョーダンはプレーオフでも1試合63点という驚異的な記録を持っていますが、この試合もブルズはセルティックスに敗れています。

 つまり、1人のプレーヤーが記録に残るような大量得点を上げると、そのチームは勝ちにくいのです。逆に言えば、勝てるチームにするためには、1人のプレーヤーに得点が集中するようなチーム作りを回避しなければならないということになります。

 マイケル・ジョーダンは、1984年からシカゴ・ブルズでのキャリアをスタートしていますが、1989年まではブルズはプレーオフに出場するだけのチームでした。この間ジョーダンはチームNO.1ポイントゲッターでしたが、どうしてもプレーオフを勝ち進むことが出来ませんでした。

 1989年シーズン後、ブルズはヘッドコーチにフィル・ジャクソンを据えて、新しいチーム作りを進めました。そして、翌1990~1991年シーズンにシカゴは初めてNBAファイナルを制して優勝しました。このシーズンのジョーダンの1試合平均得点は31.5点と、過去5年間で最低でした。(それでも得点王でした)

 ジョーダンは、フィル・ジャクソンの「もっと、皆とボールを分かち合うように」との指示を守ったのです。このシーズンからシカゴは最初の3ピート(3シーズン連続NBAファイナル制覇)を成し遂げますが、ジョーダンの1試合平均得点は、2シーズン目が30.1、3シーズン目が32.6と低いまま(これでも十分に高い水準なのですが、ジョーダンとしては低いという意味)でした。

 ひとりのプレーヤーに得点が過度に集中しないチーム作りが、NBAというかバスケットボールのゲームで勝っていくためには、必要なことなのかもしれません。
 とはいえ、チームの勝利のためにはポイントゲッターが相応の得点を上げることも必要ですから、このバランスが難しい。これまでNBAを観てきた感じですが、チームのフォーメーションや作戦に合わせて適正に多くのプレーヤーにボールを回した上で、ポイントゲッターは30~35点を1試合平均で上げていくのが良さそうです。そうすると、大事なことは「高いフィールドゴール成功率」を維持していくことになります。

 先ほどから色々な記録が出てきますので、本稿に関連する代表的なNBAの記録(2012年8月末時点)を以下に記載してみます。(→続きへ) 


・歴代得点数
1.カリーム・アブドルジャバー 38,387
2.カール・マローン 36,928
3.マイケル・ジョーダン 32,292
4.ウィルト・チェンバレン 31,419
5.コービー・ブライアント 29,494 (現役)
6.シャキール・オニール 28,596
7.モーゼス・マローン 27,409
8.エルビン・ヘイズ 27,313
9.アキーム・オラジュワン 29,946
10.オスカー・ロバートソン 26,710

・歴代リバウンド数
1.ウィルト・チェンバレン 23,924
2.ビル・ラッセル 21,620
3.カリーム・アブドルジャバー 17,440
4.エルビン・ヘイズ 16,279
5.モーゼス・マローン 16,212
6.カール・マローン 14,968
7.ロバート・パリッシュ 14,715
8.ネート・サーモンド 14,464
9.ウォルト・ベラミー 14,241
10.ウェス・アンセルド 13,769

・1試合得点
1.ウィルト・チェンバレン 100 (1962年)
2.コービー・ブライアント 81 (2006年)
3.ウィルト・チェンバレン 78 (1961年)
4.ウィルト・チェンバレン 73 (1962年に2回)
6.ウィルト・チェンバレン 72 (1962年)
6.デビット・トンプソン 72 (1978年)
8.エルジン・ベイラー 71 (1960年)
8.デビッド・ロビンソン 71 (1994年)
10.ウィルト・チェンバレン 70 (1963年)

 こうして見ると、ロサンゼルス・レイカーズ現役のコービー・ブライアントの記録が目立ちます。先輩スタープレーヤー達の偉大な記録に迫る可能性があります。

 一方で、マイケル・ジョーダンが歴代一位の記録というのは、多くはありません。しかしながら、NBA史上最高のプレーヤーとしての評価は固まっていると思います。「バスケットボールの神様」と呼ばれるのは、マイケル・ジョーダン唯一人です。

 この点は、日本プロ野球の長嶋茂雄に似ています。長嶋も立派な記録を残していますが、歴代一位という記録は多くは無く、最も印象的な記録はチームの9年連続優勝です。ジョーダンも詰めていくとシカゴ・ブルズにおける2回の3ピート、計6回のNBAファイナル制覇に行きつきます。

 ジョーダンは、試合時間残り僅かで、フェードアウェイシュートやスクープショット、レイアップシュートを何度決めてくれたことでしょう。長嶋も、ファンがここで打って欲しいと願う場面で、何度快打を飛ばしてくれたことでしょう。

 個人記録はもちろん大切ですが、「チームの勝利への劇的な貢献」が、スーパースターの条件です。
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NBA      ウィルト・チェンバレン   1試合100得点   1試合55アシスト  
Comment
86
チェンバレンが100得点を達成した試合は、彼が所属するウォリアーズが勝ったはずですよー

87
コメントありがとうございます。
ご指摘を受けて調べてみました。
おっしゃる通り、この試合はチェンバレンが所属するウォリアーズがニックスに勝っていました。私の記憶違いです。お詫び申し上げます。
こうした記憶違いをしてしまった理由は、この頃チェンバレンがNBAの歴史に残る大活躍をしていたのに、セルティックスには中々勝てなかったこと、セルティックスの方が相当強かったと感じていたことにあります。
チーム作り、ゲーム作りを目指す際には、一人のプレーヤーに得点が集中する形は望ましくないということを書きたかったのです。
ご指摘のおかげで、記憶違いを訂正することができました。ありがとうございました。


204
マイケル・ジョーダンが69得点した試合、ブルズは勝ったはずです(^ω^)

206
Re: コメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。

私の記事は記憶を主体に肉付けしていますので
ご指摘の通りかもしれません。
1986年プレーオフにおけるボストンとのゲームでの
63得点しながらの敗戦の印象がとても強かったためかもしれません。
ラリーバードとジョーダンの時代。懐かしいですね。

引き続き、コメントよろしくお願いします。



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