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HOME   »   MLB  »  [MLB] さらば マリアノ・リベラ
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 ニューヨークヤンキースのクローザー、マリアノ・リベラ投手が今シーズン限りで引退します。今シーズン開幕前に、リベラ自身が公表していましたから、今シーズンのリベラの投球は、キャリアラストシーズンのプレーとして終始注目されていました。

 現在43歳であるリベラ投手のメジャーデビューは1995年です。25歳の時でした。後に不世出のクローザーとなるプレーヤーですが、決して華々しいデビューではなく、20歳の時にドラフト外でヤンキースに入団し、5年の時を掛けてじっくりと育てられたという印象です。

 高校を卒業して、生まれ故郷のパナマで父親の仕事である漁師を手伝い、イワシ漁やエビ漁に精を出しながらアマチュアベースボールチームでプレーしていたとのことですから、リベラ本人もプロのプレーヤーになるなど夢にも思っていなかったのでしょう。
 
 アマチュア時代のポジションもショートストップ。1988年に自軍の投手が余りに打たれるので、志願してマウンドに立ったのが投手デビューという、とても「天才ピッチャー」の登場とは掛け離れたキャリアです。

 1995年にヤンキースでメジャーデビューした後も、しばらくの間は代名詞であるカットボールを投げていませんでした。成績も並みのピッチャーというものでしたから、トレード候補にも上がっていたそうです。
 そうした中で、クローザーに転向した1997年のシーズン途中で、ストレートを投げると曲がるという現象が起き、これがカットボールとの出会いでした。

 なにか、メジャープレーヤーを目指して必死に頑張り、メジャーの打者を抑えるために懸命に練習して、ついにカットボールを物にした、といった「成功物語」とは程遠いキャリアであると思います。
 敬虔なキリスト教徒であるリベラ投手自身の穏やかな心持・考え方と関係していることでしょうが、これが彼にはぴったりだったように感じます。力みが無く、常に冷静なプレー振りや、18年間に渡り安定した成績を残し続けたことも、「この心持」の賜物なのでしょう。

 1997年にカットボールを物にしてから、クローザーとしてのマリアノ・リベラの快進撃が始まりました。
 以降、引退シーズンである2013年までの16シーズン中14シーズンで30セーブ以上の記録を残し、2012年シーズン以外には、大きな故障による長期離脱もありませんでした。

 通算セーブ数652は、もちろんMLB最高記録ですし、オールスターゲーム選出12回、1999年ワールドシリーズMVP、2013年オールスターゲームMVPなど、記録を上げるとキリがありません。
 記録の中で少し意外なのが、シーズン最多セーブです。これは、1999年(45セーブ)、2001年(50セーブ)、2004年(53セーブ)の3回しかありません。これだけ長い間、MLBを代表するクローザーであった割には少ない感じがします。これも「1位を目指してがつがつしない」リベラ投手の心持の結果のように思います。

 そして、あらゆる記録の中で最も素晴らしいものは、ポストシーズンにおける強さでしょう。ワールドシリーズやリーグチャンピオンシップゲームにおけるマリアノ・リベラの強さは、どんなに賞賛しても賞賛し過ぎることは無いと思います。
 ポストシーズンでは、通算96試合に登板し(これだけでも凄い)、114イニングを投げて、8勝1敗42セーブ、防御率0.70です。なんという成績でしょう。

 ヤンキース絶体絶命のピンチに現れて、何事も無かったようにアウトを取り、ゲームを終わらせるシーンを何度目にしたことでしょう。「絶対」という言葉は、スポーツには有り得ないのですが、マリアノ・リベラに関しては存在したように感じます。
 試合の流れが圧倒的に相手チームにあるシーンでも、リベラ投手は簡単にその流れを呼び戻してしまうように観えました。文字通りの「火消し役」です。
 
 気迫十分、マウンドに仁王立ち、といった形容とは無縁で、いつも静かにプルペンからマウンドに走って来て、物静かな表情で何球か練習投球を行って、インプレーになっても物静かにカットボールを投げ込む、それがマリアノ・リベラでした。

 カットボールとストレートの2球種しか無いのに、相手打者が打てないのも不思議でした。左バッターの内角高めに食い込んで行く球筋が目に焼き付いています。世界最高のMLBの打者が、予測しても打てないボールだったのです。それも16年の長きに渡って「分かっていても打てない状態」が続いたのです。
 もはや、表現方法も無い程のピッチャーであったことが分かります。

 リベラのようなカットボールを投げる投手は、当分現れないでしょう。何しろ16年間現れなかったのですから。ひょっとすると、2度と現れないのかもしれません。

 身長188cm体重88kgという、MLBでは標準的なサイズのリベラでしたが、MLB史上不滅のクローザーとなりました。
 このマリアノ・リベラのプレーを、同時代にリアルタイムに観ることができたのは、とても幸せなことだったと思います。
 マリアノ・リベラ投手、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
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