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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム76] 短中距離の初代皇帝 ニホンピロウイナー号
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 1984年のスワンステークスに優勝したのが、ニホンピロウイナーです。

 1984年は、中央競馬の重賞にグレード制が導入された年です。同時に、それまでの2400m以上の距離のレースを中心にした重賞体系から、中距離路線が明確化され始めた年でもありましたから、ニホンビロウイナーは我が国最初の短中距離のスペシャリストであったとも言えます。

 1400m以下のレースは、10戦して9勝、1敗はレース中に落鉄した阪急杯でした。
 1600m以下のレースなら18戦して14勝2着3回、1600mのG1レースを3勝しています。今風に言えば、ニホンビロウイナーは「マイル戦にも勝てる最強スプリンター」であり、ロードカナロワの大先輩といったところでしょうか。

 このニホンビロウイナーが3歳時の1983年は、まだまだクラシック競走を中心としたレース体系でしたから、ウイナーも当然に皐月賞を目指しました。2歳時をデイリー杯3歳ステークス優勝など4戦3勝。3歳となって、きさらぎ賞にも勝利。続く、2000mのスプリングステークスでは6着に敗れます。
 そして、クラシック第一弾の皐月賞2000mはミスターシービーの20着と大敗。陣営はクラシック路線を諦めて、短中距離路線に切り替えます。この方針転換は見事に当たった訳ですが、短中距離レースに光が当たらない時期でしたから、ニホンビロウイナーの活躍はあまり話題にはなりませんでした。

 そして、ニホンビロウイナー4歳時の1984年にグレード制が導入されたのです。ウイナーもG1のマイルチャンピオンシップを目指すことになりました。
 秋緒戦9月の朝日チャレンジカップを勝って、秋2戦目として臨んだのがスワンステークスでした。このレースでウイナーは、先行したまま2着シャダイソフィアに7馬身差を付けて圧勝しました。

 本番の1600mのマイルチャンピオンシップは、ウイナーには少し長いかなと見ていましたが、ハッピープログレスに1/2馬身差で快勝しました。「G1」マイルCSの最初の優勝馬となったのです。

 明けて5歳、ニホンピロウイナーはマイラーズカップ、京王杯スプリングステークスと1600m以下の重賞を勝ち続け、5月のG1安田記念もスズマッハを3/4馬身差で退け優勝しました。
 秋には、G1天皇賞(秋)2000mこそギャロップダイナ、シンボリルドルフの3着(勝ち馬から僅か1馬身差)と敗れましたが、続くG1マイルチャンピオンシップを連覇したのです。このレースは2着のトウショウペガサスに3馬身差を付ける圧勝でした。

 中距離レース体系が整備され始めた頃とはいえ、短距離路線の整備は遅く、この頃のスプリンターズステークスはG3でした。スプリンターズステークスがG1になるのは1990年を待たなければなりません。この頃G1のスプリント競走があれば、ニホンビロウイナーは、間違いなく何勝かしていたでしょう。

 ニホンビロウイナー号、父スティールハート、母ニホンピロエバート、母の父チャイナロック、通算成績26戦16勝。父スティールハートは、大種牡馬ハビタットの産駒、イギリスで1200mの重賞を4勝した名スプリンターでした。また、母ニホンピロエバートは、あのキタノカチドキの半妹です。

 さらに、種牡馬としてのニホンビロウイナーの活躍も素晴らしいものです。代表産駒は安田記念2勝、天皇賞(秋)の優勝馬であるヤマニンゼファー。他にも、高松宮杯やスプリンターズステークスを制したフラワーパークなど、中央・地方を問わず多数の重賞馬を輩出しました。
 ヤマニンゼファー他何頭かが後継種牡馬となっているのは、頼もしいことです。ウイナーの血脈は続いて行くことでしょう。

 ニホンビロウイナーは2005年に他界しましたが、2012年JRAの安田記念競走CMに『マイルの皇帝』と紹介されていました。この表現は初めて聞きました。死して後、評価が見直されたのでしょう。
 当時、「1600m以下なら、皇帝シンボリルドルフより強い」と言われていたニホンビロウイナー。生まれてくるのが少し早かったのかもしれません。
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短中距離の初代皇帝・ニホンピロウイナー  
Comment
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本当に早く生まれ過ぎたというか。。。
あの安田記念CMを観た時は鳥肌が立ってしまいました。
凛とした美男子でしたね。

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