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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム9] 京都大賞典とセイウンスカイ
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 10月8日の体育の日に京都競馬場2400mで開催される京都大賞典は、1966年にハリウッドターフクラブ賞として創設されました。
 昭和30年代に入り、ようやく日本競馬も海外の色々な国・機関との交流が進むようになりました。加えて、中央競馬の売上規模も拡大していたこともあり、新しい重賞の設置が進みました。この頃は、伝統的な日本語呼称の重賞レースだけではなく、様々な国際的呼称のレースが創設されています。少し例を挙げます。

・1960年 アメリカジョッキークラブカップ
・1963年 アルゼンチンジョッキークラブカップ(現、アルゼンチン共和国杯)
・1966年 ハリウッドターフクラブ賞(現、京都大賞典)
・1970年 ビクトリアカップ(現、エリザベス女王杯)

 ハリウッドターフクラブ賞は、1974年に京都大賞典に変わり、1984年に現在の「農林水産省賞典 京都大賞典」となりました。農林水産省が賞を提供しているG2重賞です。

 第一回は3200mでしたが、第二回から一貫して2400mで実施されていますので、3歳以上の有力馬が、秋シーズンの2400m以上のG1レースを狙う上でのステップレースとして位置付けられてきました。(毎日王冠は天皇賞秋やマイルチャンCSといった、中距離G1のステップレースという位置づけですから、役割分担している形です)

 3歳馬なら菊花賞、4歳以上の馬ならジャパンカップや有馬記念といった大レースを目指す馬の秋初戦に好適というわけです。2003年からは国際G2レースに指定されましたので、外国調教馬の出走も可能となりましたが、昨年まで外国調教馬の優勝はありません。

 秋の大レースへのステップレースですから、優勝馬も華やかですが、本稿では1998年のセイウンスカイを採り上げます。
 セイウンスカイは、父シェリフズスター、母シスターミル。生涯成績13戦7勝、主な勝鞍は、1998年の皐月賞と菊花賞、ちなみに日本ダービーは4着。堂々たる葦毛のクラシック2冠馬です。

 しかしながら、セイウンスカイはクラシック2冠馬としては影が薄い印象です。皐月賞・菊花賞の2冠馬は、皐月賞・日本ダービーの2冠馬より少ない(春シーズン、一気に2冠を取るより、夏を無事に過ごしての2冠の方が難しいのが理由だろうと思います)のですが、それでも、1974年のキタノカチドキ、1985年のミホシンザン、1986年のサクラスターオー、2000年のエアシャカールと錚々たる名馬が並びます。そうした馬たちと比較しても、やや目立たない印象です。不思議なことです。

 その理由のひとつかどうかわかりませんが、セイウンスカイは現役時代を通して「ゲート式発馬機」に慣れませんでした。常に、ゲート入りに手間取ったのです。
 血統が良いとは言えず、見た目もパッとせず、育成時代も目立たない馬だったセイウンスカイは、デビューも3歳の年の1月と遅かったのですが、連勝して弥生賞に臨み、スペシャルウィークの二着と健闘し、一躍クラシック有力候補に躍り出ました。

 セイウンスカイ・スペシャルウィーク・キングヘイローの三強というのが、1998年のクラシック路線でした。そして、セイウンスカイは皐月賞を制します。ところが、このレースでゲート入りに手間取り、レース後ゲート入りの再審査を受けなければなりませんでした。クラシックホースがこうした再審査を受けること自体も珍しい(最近では、三冠馬オルフェーブルの阪神大賞典後の再審査があります)のですが、再審査はその日程の関係で調教スケジュールに大きな影響を与えます。

 この時のセイウンスカイも、皐月賞から東京優駿(日本ダービー)にぶっつけ本番となりました。結果は、スペシャルウィークの4着。逃げるキングヘイローを二番手で追走、直線で捕まえた瞬間に脚色いっぱいとなり、スペシャルウィークに差されたレースでした。

 そして、夏を過ごして秋初戦に選んだのが、本稿の京都大賞典です。当時は、3歳馬の菊花賞のステップレースといえば京都新聞杯でしたが「もし京都新聞杯でゲート再審査になると、菊花賞に間に合わないという理由で京都大賞典を選んだ」のです。前述のように、京都大賞典は古馬も出走してきますから、この年のレースもシルクジャスティス・メジロブライトのG1馬に、ステイゴールド・ローゼンカバリーといった一線級の古馬も出走し、3歳馬のセイウンスカイには厳しいレースでした。
 しかし、これをギリギリ逃げ切り優勝。逃げ馬としての素質を開花させたレースでもありました。

 続く本番の菊花賞も、スペシャルウィークを3馬身半抑えて、キッチリ逃げ切りました。
 菊花賞は距離が3000mと長いため、スタート直後からの完全逃げ切りは極めて難しいとされています。セイウンスカイは、前半の1000mを59.6秒と暴走気味に見える走り、中間の1000mを64秒3と一気にペースダウンして、ラスト1000mを59秒3で仕上げるという見事なレース振りで、鞍上の横山典弘の意図通りに走りきりましたので、騎手の言うことを良く聞く利口な馬だったと思います。
 ちなみに、当代の人気騎手・横典(よこてん)こと横山典弘騎手のG1初制覇は、セイウンスカイの皐月賞でした。横山騎手にとっては、忘れられない馬であり、競馬を教えてくれた馬の一頭であったのではないかと思います。

 セイウンスカイは古馬になってから、天皇賞(春)(秋)に挑戦しましたが勝ち切れず、最後のレースとなった6歳時の天皇賞(春)でも、ゲート入りに手間取り、JRA係員の指示の是非が問題になりました。

 引退後は種牡馬として、生まれ故郷の北海道西山牧場で過ごしていましたが、2011年8月馬房で立ち上がる際に、頭部を強打して即死したと伝えられています。16歳での痛ましい最後でした。

 菊花賞のレース振りを観てもセイウンスカイが利口な馬であったことは確かだと思います。ひょっとすると「狭いところ」や「金属製の枠」が苦手な馬だったのではないか、と思っています。

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ハリウッドターフクラブ賞   京都大賞典   セイウンスカイ     
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Re: コメントありがとうございます。
調べてみました。
2つともご指摘の通りでした。ありがとうございます。

引き続き、コメントよろしくお願いいたします。



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