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 10月19日の土曜日、第90回東京箱根間往復大学駅伝競走の予選会が、例年のように国営昭和記念公園周辺コースで開催されました。

 第90回大会は、ラウンド開催回の記念大会ですので、例年10校を選ぶことが多い予選会ですが、今回は13校を選出するレースとなりました。

 印象に残った諸点を上げます。

① 実力上位の13校が選ばれたこと
 13位の国士舘大学の合計タイムは10時間16分54秒、14位の亜細亜大学のタイムが10時間21分29秒でしたから、その差は4分35秒。ランナー1人当たり27.5秒の差ですから、大差です。今回は関東インカレ大会の成績も加味されませんでしたから、文字通り実力上位13校が選出されたと感じました。
 当たり前のことのようですが、そうではないでしょう。例年カットラインは僅差のことが多い上に、エースランナーの不調・不出場による番狂わせもあります。今回の如き順当さは「異例のこと」のように思います。

② 「極端な集団走」が見られなかったこと
 一時期予選会では、同じ大学の5~10人位のランナーが、10~15kmまで集団で走る「集団走」が良く見られました。「力が劣るランナーを引っ張っていこう」という狙いであったと思いますが、私はもともと、この方法・戦術に疑問を持っていました。力上位のランナーのタイムをロスするリスクが高いと考えていたのです。遅い人に合わせていると、速いランナーもリズムを崩すことが多いものです。
 今回は、出場権を争うレベルの大学においては、2~3人でまとまって走る例はありましたが、極端な集団走は見られなかったと思います。
 力量が同程度のランナー2~3人が併走するのは、走りのリズムの維持・調整には有効な方法だと思います。

 極端な集団走が減少した最大の理由は、全体のタイムが上がってきていて、各ランナーがキッチリと自分の実力を発揮し、自分の実力どおりのタイムを叩き出しておかないと、チームとして予選会を通れなくなったということでしょう。

③ 慶應義塾大学、東京大学の挑戦が続いていること
 今予選会では、慶応大学は10時間59分19秒で28位、東京大学は11時間11分48秒で33位でした。
 予選会突破に向けては、まだまだ力不足の感は否めませんが、慶応大学に付いては箱根駅伝黎明期の名門校として、東京大学に付いては国立大学の代表として2度目の本大会出場に向け、挑戦が続いている点が素晴らしいと思います。

 今年の箱根駅伝「予選会出場資格」では、10~14名のメンバーを登録し、12名以内が走り、上位10名の記録の合計タイムで競うことになっていますから、少なくとも両校には、20kmを走りきれる10名以上のランナーが居るということになります。
 加えて、「平成24年1月1日から、申込期日前日(今回は平成25年10月2日)までに各校エントリー者全員が5000m16分30秒以内もしくは10000m34分以内の『公認記録』を有していること。ただし、トラックでの記録に限る」という、きっちりとした条件があるのです。

 当然ながら、関東に存在する大学の仲良しクラブでは出場が難しい、逆に言えば、こうした条件が無ければ、予選会に極めて多くのチームが出場してきてしまい、収拾が付かなくなるでしょう。なにしろ、「箱根」は予選会もテレビ放送されるのです。

 本項の話に戻ると、慶應義塾大学にも東京大学にも、一定水準の「公認記録」を保持するランナーが10名以上所属しているということであり、ほとんど毎年予選会に出場してきているということは、そのレベルの競技ランナーを毎年10名以上供給し得る体制・伝統が出来上がっているということに他なりません。容易なことではないでしょう。
 この両校のユニフォームを、お正月の箱根路で再び見られる日もそう遠くは無いのかも知れません。

 最後に、例年の事ながら、関東学生陸上競技連盟の運営振りには感心します。

 箱根駅伝は、正月三が日の一大イベントであり、国民的行事でもあります。当然ながら、テレビ放送の視聴率も大変高いので、多くの企業や団体が当該行事を自らの事業展開に利用しようとするでしょう。資本主義社会の当然の経済活動です。

 こうした「巨大資本」のアプローチを数十年に渡って受けてきたにも拘らず、一貫して「関東地区の大学の駅伝大会」という軸を崩さず、運営も関東大学陸上競技連盟主体と言う方針を曲げることなく、90回を数えるに至りました。
 大変なことであり、素晴らしいことでもあると思います。

 現在では、「箱根駅伝の有力ランナーはスター」です。しかしながら、レースにおいては特別扱いされることはありません。
 スターランナーがコースに登場する時に、音楽が流れドライアイスの霧が噴出したりすることはありません。全てのランナーが、同一の条件の中で、自らの走りを展開しようとするのです。当たり前のことでしょうが、商業ベースに乗ってしまえば、当たり前ではなくなってしまうでしょう。「別の大会」になるのです。

 この点を維持している、つまり「箱根駅伝を箱根駅伝として維持している」のが、関東大学陸上競技連盟なのだと思います。
 もちろん、これだけのビッグイベントに育ってしまった以上、相応の費用が掛かりますから、数社のスポンサー企業が存在するのは「仕方が無い」「当たり前のこと」でしょう。しかし、運営主体はあくまで現役の学生たちであり、質実剛健な大会運営を継続することは、今後も堅持して行っていただきたいものです。
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