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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム79] ネアルコ号からタマモクロス号へ
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(コラム78からの続きです)

 タマモクロスの先祖を辿ってみます。

 父系を見ると、タマモクロス←シービークロス←フォルティノ←グレイソブリン←ナスルーラ←ネアルコと繋がります。

 競馬をご存じの方なら、ネアルコ、ナスルーラ、グレイソブリンと並ぶと、現在のサラブレッド血統の主流そのものであることがお解りいただけると思います。現在、世界中で走っているサラブレッドの半数以上が、ネアルコの子孫と言われています。
 グレイソブリンとナスルーラは、ネアルコ系血統の承継馬として、ネアルコ系血統の大繁栄に大貢献したのです。ちなみにサンデーサイレンスも、当然のようにネアルコの父系子孫です。

 ネアルコ号は、本ブログにも度々登場しますので一部は繰り返しになりますが、概要を記します。
 1935年生まれのイタリア馬です。イタリアの伝説的名生産者(にして名調教師でもあった)フィデリゴ・テシオ氏の生産馬。1937年6月のデビュー以来負けを知らず、生涯成績は14戦14勝。イタリアダービーを含むクラシック2冠馬にして、イタリア最大のレース・ミラノ大賞典にも優勝し、フランスのパリ大賞典をも制して、イタリア馬の強さを欧州全域に示した名馬です。世界競馬史上最強馬を議論する時に、必ず名前が上がる1頭でもあります。

 競走馬としても超一流であったネアルコですが、種牡馬としての評価は更に上です。
 少しでも細かく表記しようとすれば何ページあっても足りませんから、概要の概要を記しますが、産駒には、イギリスのチャンピオンズステークスを制したナスルーラ、イギリスダービーを制したダンテやニンバスなど数えきれないほどの重賞勝ち馬が居ます。

 そして、それらの馬達から繋がる後継種牡馬が素晴らしい。
 直仔ナスルーラから、さらにその仔グレイソブリン・ボールドルーラー・ネバーベンド他に引き継がれましたし、直仔ニアークティックの産駒には、あのノーザンダンサーが居ます。

 このネアルコの代表産駒の一頭にして、代表後継種牡馬の一頭が前述のナスルーラ号です。
 ネアルコの産駒として1940年イギリスに生まれたナスルーラは、通算成績10戦5勝、イギリス最優秀2歳馬でもありましたが、種牡馬としての成績は、競走成績を遥かに上回りました。

 イギリス・アイルランドのリーディングサイアー1回、北米のリーディングサイアー4回獲得しています。また、欧米の両方でリーディングサイアーになった、史上初めての種牡馬でもあります。そして「ナスルーラ系」と呼ばれるサイアーラインの祖です。

 ナスルーラの生産者は、これまた伝説的生産者にして調教師のアガ・カーン3世です。フィデリゴ・テシオもそうですが、こうした人物からこうしたサラブレッドが生まれ、育つのでしょう。

 そのナスルーラの直仔に1948年イギリス生まれのグレイソブリンが居ます。グレイソブリン号は、競走馬としては通算23戦8勝(重賞3勝)と、ナスルーラ産駒としては目立った活躍を見せたわけではないのですが、後継種牡馬としては素晴らしい成功を収めました。

 特筆すべきは、その産駒の多くが葦毛馬であったことです。近代競馬における「葦毛馬の中興の祖」とも呼ばれています。タマモクロスの葦毛の馬体が見えてきました。

 グレイソブリンは、グレイモナーク、ソブリン・パス、グスタフ、フォルティノ、ゼダーン、ドンなどなど数々の活躍馬を輩出しましたが、ナスルーラと同様に多くの後継種牡馬にも恵まれ、「グレイソブリン系」というサイアーラインの祖となりました。特に、葦毛馬にとっては、忘れてはならない大種牡馬でしょう。

 そのグレイソブリンの直仔であるフォルティノ号は、通算17戦8勝(重賞3勝)の葦毛馬です。競走成績もまずまずですが、父グレイソブリン同様種牡馬としての評価の方が高いと思います。

 このフォルティノが種牡馬として日本に輸出され、ロングファストやシービークロスなどを輩出したのです。

 シービークロス号は、1975年日本生まれの葦毛馬、通算26戦7勝、目黒記念(秋)、毎日王冠、中山金杯の重賞3勝。吉永正人騎手を鞍上に、最後方一気の追い込みを売り物とする人気馬でした。一部に熱狂的なファンがいたと思います。
 そういえば、シービークロスも重賞3勝がいずれも1979年に集中しています。タマモクロス共々「一時期集中的に活躍する」血統なのかもしれません。

 ようやくタマモクロスに辿り着きました。史上初めて天皇賞を2勝した活躍は前稿に譲るとして、1988年の有馬記念競走をラストランとして引退したタマモクロスの種牡馬としての活躍も素晴らしいものでした。

 ホワイトアリーナ(南関東桜花賞、関東オークス)、カネツクロス(鳴尾記念、AJC杯、エプソムカップ)、ドラゴンゼアー(中京3歳ステークス)、タマモイナズマ(ダイヤモンドステークス)、ダンツシリウス(シンザン記念)、マイソールサウンド(阪神大賞典、京都記念、マイラーズカップ他)、ウインジェネラーレ(日経賞)、タマモサポート(ラジオNIKKEI賞、京都金杯)等々の重賞勝ち馬を輩出しています。
 特に、中央・地方の両方で産駒が活躍している点と、1990年から2003年まで毎年重賞勝ち馬を輩出した点が、素晴らしいと思います。

 世界に冠たる葦毛馬の血脈を、日本競馬界に展開してくれたタマモクロスは、2003年4月、19歳で他界しました。北海道新ひだか町に墓碑があるそうです。一度、行ってみようと思っています。
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