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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム80] いつでも・どこでも・誰とでも戦う ダンスパートナー号
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 ダンスパートナーは、1996年のエリザベス女王杯を制しました。

 前年1995年3歳だった彼女は、桜花賞で僅差の2着、オークスは快勝と、牝馬クラシックレースで大活躍しています。
 そうすると、エリザベス女王杯に勝ったのは1995年なのでは、と思ってしまいますが、オークス制覇後3歳秋のダンスパートナーは、世界を股に架け、牡馬をものともしない戦いに踏み出したのです。
 滅多に、というか、彼女意外には見たことが無い転戦でした。

 まずフランスに渡り、8月27日のG3ノネット賞で足慣らし。惜しくも2着でしたが、3歳牝馬としてトライした外国遠征緒戦としては、十分な成績だと思います。
 続いて、9月10日のG1ヴェルメイユ賞に臨みます。ヴェルメイユ賞は3歳以上牝馬限定のレースです。秋のフランス競馬における牝馬限定G1レースとして定着している有名なレースですし、ロンシャン競馬場の芝2400mコースで実施されることから、近時は凱旋門賞の前哨戦としての位置付けも高くなっています。今年の凱旋門賞を制したトレヴ号が、ステップレースとして優勝しています。

 このヴェルメイユ賞は6着でした。日本の3歳牝馬としてヴェルメイユ賞に挑戦したことだけでも、当時としては画期的なことだったと思います。もし、ここを勝っていたら凱旋門賞にも挑戦したのではないかと考えてしまいますが、陣営にはそこまでの野望?は無かったと言われています。

 さて、長い海外滞在を経て、検疫でも相当の負担があったであろうダンスパートナーは、帰国後菊花賞を目指すことになりました。
 当時私は、フランスの疲れもあるのに、エリザベス女王杯やこの年から始まった秋華賞といった牝馬限定レースではなく、牡馬主体のクラシックレース「菊花賞」を目差したこと(牝馬として18年振りの菊花賞挑戦)に付いて拍手喝采を送りましたが、同時に体力的に大丈夫なのかと、心配にもなりました。
 結果は、マヤノトップガンの5着。素晴らしい成績だと思いました。日本ダービー馬タヤスツヨシ(6着)には先着しています。

 11月5日の菊花賞の後、今度は立て続けにG2レースを走りました。12月の阪神牝馬特別、翌1996年1月のアメリカジョッキークラブカップ、2月の京都記念と3戦連続2着、4戦目の3月産経大阪杯は4着。
 「走り過ぎ」ではないかと感じました。そもそも、オークス→ヴェルメイユ賞→菊花賞とG1レースのキャリアを積んできた彼女に、4戦連続G2レースを走らせることについて、「何か違うな」とも感じました。

 そう思っている矢先の5月、ついにG3京阪杯に出走し、イブキタモンヤグラをクビ差で凌いで、久々の勝ち鞍を挙げました。G2どころかG3レースにも挑んだのです。
 このころの彼女の陣営は「とにかく1勝が欲しかった」のでしょうか。

 このまま、G2、G3レースで荒稼ぎを狙うのかと観ていましたが、今度は一転してG1レース路線に戻りました。6月のG1安田記念は6着、続く7月のG1宝塚記念は3着と連戦を続けます。

 オークス馬優勝後、フランスで2戦して、菊花賞で3歳牡馬一線級と叩きあい、毎月のようにG2・G3レースを連戦し、G1レースに戻るという、「いつでも・どこでも・誰とでも」戦い続けたのです。
 「なんだか、凄い使われ方だな」と感じました。

 1996年7月7日の宝塚記念を走って、ダンスパートナーには久々の休暇?が与えられました。4歳夏の段階で、既に15戦を走っていました。

 3ヶ月のバカンス?をいただいたダンスパートナーは、秋緒戦にG2京都新聞杯を選びました。これは僅差ながらもマーベラスサンデーの4着に敗れましたが、休養明けとしては悪くない走りでした。

 そして11月10日、エリザベス女王杯に臨みました。好位から抜け出したダンスパートナーを、後方からフェアダンスが追い上げましたが、クビ差凌ぎ切り、ダンスパートナーが勝ちました。オークス以来のG1レース2勝目でした。

 続いて、2週間後の11月24日のG1ジャパンカップにも出走します。このあたりのローテーションは、いかにも厳しい感じですが、彼女は故障することも無く走り切り、シングスピールの10着、12月のG1有馬記念はサクラローレルの6着と敗れました。

 明けて1997年・5歳となったダンスパートナーは6戦を走りますが、エリザベス女王杯2着が最高成績で、有馬記念14着の大敗を最後に競走馬を引退しました。

 ダンスパートナー号、父サンデーサイレンス、母ダンシングキイ、通算成績25戦4勝。この時代に、ヒシアマゾンと共に牡馬を相手に互角の戦いを演じた「鉄の女」でしたが、勝ち鞍は僅かに4つでした。
 印象とは異なる成績という感じがします。

 あまり走り過ぎると、良い仔が出難いと言われる繁殖馬です。
 繁殖入り後のダンスパートナーも、なかなか重賞勝ち馬を産することが出来ませんでしたが、2007年の産駒フェデラリストがG2中山記念とG3中山金杯を勝ちました。
 産駒成績は、やや期待を裏切っている感じですが、「どこでも」ということであれば、繁殖馬になってからも世界を股に架けて活躍しています。

 第3仔、第4仔は、彼女がアメリカに渡って生み、アメリカで走りました。第3仔マンボパートナーは81戦11勝と、お母さん同様に故障が少なく良く走りました。

 ダンスパートナーは21歳になりましたが、いまだに現役の繁殖牝馬です。なんだか、よく働かせる?馬主さんだな、とは思いますが、元気に頑張ってくれているのが何よりだと思います。

 子供達には、ヨーロッパやアメリカでの出来事やマヤノトップガン、マーベラスサンデー、サクラローレルといった同時期の一流牡馬の癖などを、話して聞かせてあげているのかもしれません。
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