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 横浜国際女子マラソン大会2013は、11月17日山下公園前をスタートする42.195kmコースで行われました。

 ロシアのマヨロワ選手が2時間25分55秒のタイムで優勝、日本の野尻あずさ選手が2時間28分47秒で2位、ポルトガルのアウグスト選手が2時間29分11秒で3位でした。

 このレースを観ていて、日本女子マラソン陣のレベル低下は事実なのかもしれないと感じました。
 日本女子トップの野尻選手が28分代後半、日本女子2番手の那須川瑞穂選手が30分台の走破タイムというのは、いかにも遅いからです。

 現在の女子マラソン日本最高記録は、野口みずき選手が2005年9月のベルリンマラソンでマークした2時間19分12秒です。
 もちろん、気象条件やレース展開などいくつかの要因がありますから、マラソンの記録は単純比較できないものであるとはいえ、8年前の野口みずき選手の記録に遠く及ばない記録が、日本女子トップの記録というのは、とても残念です。

 横浜国際女子マラソン2013のスタート時点の気温は16℃でした。マラソンにとって理想とされる15℃に近い気温です。風が強かったとか、日差しが気になったとか、あるいはオリンピックの翌年であること等々いくつか要因はあるのでしょうが、それにしても遅い。
 少なくとも2時間23分前後のタイムで争われるべきレースでしょう。

 歴代の日本女子マラソン上位記録を観てみます。日付は当該のレース時期です。
① 2時間19分12秒 野口みずき 2005年9月
② 2時間19分41秒 渋井陽子 2004年9月
③ 2時間19分46秒 高橋尚子 2001年9月
④ 2時間21分45秒 千葉真子 2003年1月
⑤ 2時間21分51秒 坂本直子 2003年1月
⑥ 2時間22分12秒 山口衛里 1999年11月
(歴代50位は有森裕子選手の2時間26分36秒)

 これを見て、すぐに分かることは、これらの記録は全て2005年以前に記録されているということです。2006年以降8年間に渡って、2時間22分を切る記録は出ていません。歴代6位の山口衛里選手の記録は1999年に出ていますから、日本女子マラソン陣は「20世紀のレベルに逆戻りしている」ように見えます。

 この2006年以降の不振は、とても不思議なことのように思います。
 女子の駅伝競技は年々盛んになり、企業対抗、都道府県対抗といったレースが相当数開催されると共に、「中学生区間」といった若手登用の機会も増えています。多くの女子長距離ランナーにとっての活躍の場は、増えることはあっても減ることはないように見えます。
 しかしながら、世界のトップクラスを目指せるランナーは減少の一途を辿っているように観えます。現在は、ほとんど存在しないのかもしれません。

 加えて、とても気になるのは「若手」「マラソン経験が少ない」強豪ランナーの不在です。

 ご存知のように、有森裕子、高橋尚子、野口みずきといった、日本女子マラソンを代表する名ランナーは、マラソンデビュー直後から世界のトップクラスと互角のレースを演じています。

 有森選手は1990年1月に24歳で初マラソン。この初レースで2時間32分51秒の当時の初マラソン日本最高記録を出し、1992年8月のバルセロナ・オリンピックで銀メダルを取ったレースが、自身4レース目でした。

 高橋選手は1997年1月に25歳で初マラソン。2レース目の名古屋国際で当時の日本最高記録をマークし、3レース目の1998年12月バンコク・アジア大会で2時間21分47秒という驚異的な日本最高記録(当時の世界歴代5位)の記録で優勝しています。
 シドニー・オリンピック金メダルのレースが自身6レース目でした。

 野口選手は、2002年3月に24歳で初マラソン。自身3レース目のパリ世界選手権で2時間24分14秒の記録で2位、4レース目の2004年8月のアテネ・オリンピックで金メダルを獲得しています。

 3人のランナーは24~25歳で初マラソンを走り、いずれもデビュー2レース目で「世界で戦える力」を示しています。世界大会で活躍したのは26歳~27際の頃でした。
 端的に言って「女子マラソン競技で日本人ランナーが世界のトップを争うためには、多くのレース経験は不要」であることが分かります。ひょっとすると、沢山のレースを走ると、世界では戦えないのかもしれません。

 有森・高橋・野口の3人は天才ランナーであり特別な存在、といった見方もあるかもしれませんが、「15年間に3人の天才ランナーを生んだ日本」に、どうしてその後、天才が生まれないのでしょうか。

 百も承知の日本陸連強化担当の皆様には恐縮ですが、都道府県女子駅伝大会の何人もの中学生ランナーの素晴らしい走りを毎年眼にするにつけても、その後の強化策や15歳から20歳前後時期の国内レース体系の問題点を、キッチリと検証してみる必要があるのではないかと思います。

 1998年12月のバンコク・アジア大会女子マラソンで、気温30℃を超える高温多湿の気象条件下、高橋尚子選手が2時間21分台を叩き出し独走で圧勝したレースを観て、有森裕子選手は「引退を決意した。21分台は別次元のタイム」とコメントしたと伝えられました。

 今年の横浜国際レースなら、今から20年以上前の有森選手でも十分に日本人トップを狙うことが出来ます。この事実は、有森選手の凄さを改めて示すと共に、日本女子マラソン界の深刻な現状を感じさせるものです。
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