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HOME   »   スケート  »  [フィギュアスケート男子] 強くなった羽生結弦選手
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 フィギュアスケートのグランプリファイナル2013大会の男子シングル・フリー演技が、12月6日福岡市マリンメッセ福岡で行われ、羽生結弦選手(18歳)がショートプログラムとの合計293.25点の高得点で優勝しました。
 日本男子の優勝は、昨年の高橋大輔選手に続いて2年連続2人目です。

 国際スケート連盟ISUの公式戦であるグランプリシリーズのファイナルには、間違いなく時々の世界トップクラスのスケーターが出場しますから、ここでの優勝は極めて価値が高いことです。羽生選手は、名実共に世界トップの男子フィギュアスケーターの仲間入りを果たしました。

 2011年からシニアの世界に登場した羽生選手ですが、2012年には既に日本男子フィギュアスケート界の中心選手に成長しました。特に、ショートプログラムには滅法強く、世界最高得点を連発しました。
 一方でフリー演技では力を発揮できないことも多かったように思います。

 その羽生選手が、2013年シーズンに入ってからメキメキと力を付けてきました。そして、世界一の称号を手にしたのです。

① ラスト30秒を滑り切る体力が身についてきたこと。
 羽生選手はフリーに弱いという印象がありました。あの細身の体格を見ると、フリー演技の「4分30秒という長い時間」を滑り切れるのか、いつも不安でした。しかし、今大会の演技は見事でした。
 4分30秒は、どんな選手にとってもキツイ長さです。特に、採点方法が「積み上げ式」になってからは、選手は次々と技を繰り出していかなければ絶対に高得点を獲得することが出来なくなりましたし、後半のジャンプの方が前半のジャンプより1.1倍の得点が得られるルールですから、下半身に疲労が溜まってきた段階で難しいジャンプを連発し、連続成功させない限り、世界大会での好成績は望むべくもありません。
 
 今大会でも、どの選手もラスト30秒はフラフラになりながら滑っていました。羽生選手も相当苦しそうでしたが、カナダのパトリック・チャン選手を始めとするライバル選手と比較すれば、スピード・演技の精度共に羽生選手が上回っていました。この持久力向上は、羽生選手にとって大きな武器になります。

② 失敗が後に響かないこと。
 今大会のフリー演技でも、羽生選手は最初の4回転ジャンプを失敗し転倒しました。前の演技者パトリック・チャン選手が相当の演技を行いましたので、ショートプログラムで12点の得点差があるとはいえ、その後の演技次第では逆転されてしまうと思わせる滑り出しでした。

 しかし、転倒後の演技は滑り出しの失敗を全く感じさせない見事なものでした。現在の採点方法では4回転で転倒しても、回ってさえいれば3回転の演技が行われたことになりますから、転倒によるマイナス1点が加算されるだけで、致命的なミスにはならないのです。怖いのは、転倒による精神的な動揺から、その後の演技がバラバラになることですが、羽生選手はこれを見事にクリアしました。

 そういえば、3位に入った織田信成選手もショート・フリー共に最初の4回転で転倒しましたが「転倒して目が覚めた」と両方の演技後コメントしていました。日本選手の精神面の強さが感じられる大会でもありました。

③ ショート・フリー共に1位であったこと。
 羽生選手のショートプログラムの演技はほぼ完璧で、99.84点という史上最高得点。「ショートの羽生」の面目躍如たるところでした。これで、パトリック・チャン選手に約12点の差を付けました。「この差をフリーで詰められて逃げ切る」形では、ショートで高得点を取れなければ、羽生選手はチャン選手に勝てないということになってしまいますから、今後の大会における精神面に影響が残るところだったと思います。

 チャン選手、羽生選手ともにミスがあったフリー演技でしたが、ともに不満足な演技の中でも羽生選手がチャン選手を上回る得点を得たことは、今後の戦い、例えばソチ・オリンピックに向けて大きな自信につながったと感じます。

 現在の男子シングル界では、実力・安定感共にパトリック・チャン選手がNO.1であることは、誰もが認めるところでしょう。しかし、羽生選手はそのチャン選手にも自らの調子が良ければ勝てること、別の言い方をすれば3回の大会があれば1回は勝てることを示したのです。

 一方のチャン選手にとっても、本大会は大きな経験になったと思います。本番のソチでこの状態にならなかったことは、チャン選手にとって幸運であったとも思います。フリー演技後インタビューで「リンクに出るのが怖かった」とコメントしていました。世界選手権を何度も制しているパトリック・チャン程のプレーヤーでも、失敗するはずがない技をやり損ねると大きな動揺に繋がることが分かったのです。
 当然、コーチを始めとするスタッフと協働し、こうした事態への対処法を構築し実行するでしょうから、ソチでは一層強さを増してくることでしょう。

 また、2002年ソルトレイクで銀メダル、2006年のトリノで金メダル、2010年のバンクーバーで銀メダルとオリンピック3大会連続メダリストであり、世界選手権優勝3回、欧州選手権優勝7回、グランプリファイナル優勝4回等々、あらゆる世界大会を席巻してきた、世界男子フィギュア史上最高のプレーヤーであり「生きる伝説」でもある、エフゲニー・プルシェンコ選手が4回目のオリンピック出場に向け、ロシアの代表選考会に登場したとの情報もあります。

 あの大天才プルシェンコが目標としているのであれば、必ずソチの舞台に登場するでしょうし、日本代表選手やパトリック・チャン選手の最大のライバルになることは間違いありません。

 史上最も充実するであろう日本男子フィギュア陣とプルシェンコ、チャンといったスケーターが顔を揃えるソチ・オリンピックフィギュアスケート・男子シングルは、空前のスケールになることでしょう。
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羽生結弦選手グランプレファイナル2013優勝  
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