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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム83] 幻の三冠馬 ミホノブルボン号
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 ミホノブルボンの姿・形は、あのミルリーフに似ていると思います。お父さんのマグニテュードはミルリーフ産駒ですから、似ていても不思議は無いのですが、発達した前駆・がっしりとしたトモ、そしてクビを低くして走るフォーム、がミルリーフを彷彿とさせます。

 血のスポーツと言われる競馬において、姿・形が似ていることは大事なことだと思います。

 そのミホノブルボンは、1991年のG1朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティーステークス)の勝ち馬です。2歳時、デビュー戦・2戦目をキッチリと勝ちあがったミホノブルボンは、朝日杯に駒を進めます。
 単勝1.5倍という圧倒的な一番人気に応えて、このレースを僅差ながら勝ち切り3連勝。翌年のクラシックロードの中心馬に躍り出ました。

 3歳の緒戦フジテレビ賞スプリングステークスは、一番人気こそノーザンコンダクトに譲りましたが、レースでは初めて逃げて圧勝。2着のマーメイドタバンに7馬身差でした。ミホノブルボンが一番人気にならなかったのは、現役生活でこのレースだけでした。

 スプリングSの圧勝劇を見せられては、皐月賞の一番人気は当然でした。レースも、ゴール手前で鞍上の小島貞博騎手が追うのを止めるほどの完勝。但し、追うのを止めてもブルボンはゴールまで一生懸命走りました。「どのレースもスタートからゴールまで全力投球」というのも、ブルボンの特徴のひとつだと思います。

 そして1992年5月・第59回日本ダービーを迎えます。5連勝での皐月賞制覇ですから、ここでもブルボンは一番人気。スプリングSから導入した「逃げ」を展開します。2着のライスシャワーに影を踏ませることも無く4馬身差で快勝しました。
 レースは終始、ブルボンが逃げライスシャワーが2番手を追走する展開でしたが、ライスシャワーが追っても追ってもブルボンには追い付かず、逆に離されてしまいました。
 ミホノブルボンの栗毛の馬体が府中の直線で躍動したのです。

 相当のスピードで長い距離を押していける脚質(祖父ミルリーフの脚質に近い)ですから、気持ち良く走れば無類の強さを発揮します。無敗・6連勝での日本ダービー制覇でした。
 短距離脚質ではと疑っていた人達も、2400mにおけるこの強さを見せ付けられては「夏を無事に乗り切れば三冠は固い」と感じたことでしょう。

 3歳の秋緒戦はG2京都新聞杯でした。当時菊花賞へのステップレースであったこのレースを、2着ライスシャワーに1と1/4馬身差で快勝しました。2200m日本レコードタイムのおまけ付でした。

 夏も無事に乗り切った様子でしたから、菊花賞も間違いないと思いました。

 しかしその菊花賞では、ライスシャワーの2着に敗れました。よもやの敗戦。敗因は色々と囁かれました。

① 父マグニテュードの産駒はスプリンターが多かったので、ブルボンも基本的には短距離血統であったとする「距離限界説」
② 戦前から逃げ宣言をしていたキョウエイボーガンが逃げ、ブルボンは2番手追走の展開となったことから、気持ち良く走ることが出来なかったとする「展開影響説」
③ 京都新聞杯の馬体重が、前走の日本ダービー比+14㎏で、本番の菊花賞ではさらに+4㎏ということから「太目残り説」

 しかし、ブルボンの走破タイム3000m3分5秒2が、従来のレースレコードを上回るものであったことを考慮すれば「勝った馬が強かった」ということでしょう。同期に、稀代のステイヤー・ライスシャワーが存在したために惜しくも三冠馬になれなかったと観るのが良いと思います。

 中央競馬史上二冠馬は数多く居ますが、その中でも「最も三冠馬に近いサラブレッド」であったのではないでしょうか。ある意味では、少し不運であったと感じます。

 菊花賞の後、ジャパンカップに向けて調整中に脚部不安を発症、その後長い期間治療を行いましたが、ついに復活することなく競走馬を引退しました。

 ミホノブルボン号、父マグニテュード、母カツミエコー。父の父はミルリーフ、その父ネバーベンド、その父ナスルーラからネアルコに繋がる良血。生涯成績8戦7勝2着1回。
 実は、2歳時G1レースを勝って無敗のまま三冠を取った競走馬は、史上一頭も居ません。(ナリタブライアンは新馬戦他で負けていますし、ディープインパクトは朝日杯に出走していません)
 もしミホノブルボンが菊花賞を制していれば、史上唯一の例となっていたのです。スポーツに「もし」は無いのですけれども。

 ほぼ完璧な競走成績を誇るミホノブルボンが、7勝の中で最も苦戦したのが朝日杯3歳ステークスでした。ヤマニンミラクルとの叩き合いをハナ差制したのです。
 いつも逃げて、大きな差で勝っていた印象がありますが、菊花賞でのマチカネタンホイザの追走をアタマ差凌いでの2着死守を観ても、実は「競っても強い馬」だったのではないかと思います。
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