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 歴代のフランスサッカーを代表するプレーヤーといえば、ミッシェル・プラティニとジネディーヌ・ジダンの2人でしょう。

 プラティニ選手は、代表チームの中心選手としてUEFA欧州選手権1984でフランスを優勝に導き、セリエAユベントス時代の1984年UEFAカップウイナーズカップ・1985年UEFAチャンピオンズカップにも優勝し、1983年1984年1985年と3年連続バロンドールに輝くなど、「フランスサッカーを欧州の一流国に引き上げた」プレーヤーでした。
 2007年からはUEFA(欧州サッカー連盟)会長です。

 そのミッシェル・プラティニでも成し遂げられなかった「ワールドカップ優勝」をフランスにもたらしたのが、ジネディーヌ・ジダンでした。

 1988年、フランスサッカーのリーグ・アン、ASカンヌでプロ選手としてのキャリアをスタートしたジダンは、1992年にボルドーに移籍、1994年にリーグ・アンの最優秀若手選手に選出されるなど活躍し、1996年にはイタリア・セリエAのユベントスに移籍しました。

 客観的に観て、この頃はセリエAの方が相当リーグ・アンより上という評価でしたから、この移籍はジダンにとっての大チャンスでした。また、プラティニと同じユベントスに入団したのを見ると、おそらくユーベはプラティニの後継者としてジダンを獲得したのでしょう。

 こうしてビッグクラブ入団を果たしたジダンに、1998年の自国開催ワールドカップ・フランス大会が待っていました。
 
 以前も書きましたが「世界サッカーの20世紀の終盤から21世紀の初頭の10年間はブラジルの時代」でした。ブラジルは、1994年のアメリカWC優勝→1998年フランスWC準優勝→2002年日韓WC優勝と、ロマーリオ、ロナウド、リバウド、カフーといったスター選手を擁して、世界サッカー界を席巻したのです。

 この3回のワールドカップの決勝トーナメントで、ブラジルチームに唯一の黒星を付けたのが、ジダン率いるフランスチームでした。
 
 1988年7月12日、第16回FIFAワールドカップ・フランス大会は決勝戦を迎えました。会場のサン・ドニにあるスタッド・ド・フランスは80,000人の大観衆で埋め尽くされました。地元フランスとブラジルの対戦。

 フランスは、決勝トーナメント1回戦(ベスト16)のゲームでパラグアイに苦戦、延長の末1-0でパラグアイをなんとか破ります。(パラグアイというチームは、WCに出場してくると粘り強いプレーを展開するチームです)

 続く準々決勝のイタリア戦は死闘でした。延長戦フルタイムを戦っても0-0。試合はPK戦に縺れ込みます。これを4-3で凌いで辛くも準決勝に駒を進めました。この試合は、本当に素晴らしい試合で、イタリアサッカーの堅守が存分に発揮されましたが、最後は「地元の利」が活きたと感じました。

 準決勝は、同国史上最強チームと言われ、準々決勝でドイツに3-0と完勝したクロアチアと対戦、クロアチアのエース・スーケルのゴールを許すも、ディフェンダーDFテュラムの2ゴールで2-1と逆転勝ち。決勝に進出しました。
 イタリア、ドイツ、イングランドが優勝している中で、いまだWC優勝が無いフランスにとっての、千載一遇のチャンスである地元開催大会で、ついに決勝に進出したのです。

 一方のブラジルは、この大会のMVPとなったロナウド選手を中心に、整斉と決勝に進んできました。
 苦戦といえば準決勝のオランダ戦でしょうか。このゲームは、ロナウドの先制ゴールでブラジルがリードするも、オランダもクライファートのゴールで追い付き、延長戦を戦って1-1の同点。PK戦の末ブラジルが勝ちました。

 何しろ、1994年のアメリカ大会を制して連覇を目指すブラジルですから、戦前の予想はブラジル有利が大半であったと思います。

 しかし、決勝は意外な展開となりました。前半27分にコーナーキックからジダンのヘディングシュートが決まり、フランスが1-0とリード。続いて、前半ロスタイムにも同じくコーナーキックからジダンのヘッドが決まって2-0とリードを広げます。
 この2本のヘディングシュートは、いずれも強烈でした。そして、全くフリーでジダンがシュートしているように観えました。

 この2点で試合は決し、この後フランスはさらに1点を加えて3-0でブラジルを破り、優勝しました。

 この試合では、ブラジルのエース・ロナウドが原因不明の体調不良に襲われ、本来の力を全く出せなかったことが、ブラジルの敗因とされていますが、私には「ブラジル守備陣の不出来」が大きかったように観えました。ジダンの2本のシュートに絡めなかった守備陣、2点ともジダン以外の選手全員が止まっているような感じでした。
 いまでも、とても不思議なシーンだったと思います。

 いずれにしても、フランスはワールドカップ初優勝を実現し、フランスサッカーは面目を保ちました。

 この大会のフランスチームには、大きなプレーヤーが多かったように憶えています。
 DFのローラン・ブランが身長192cm、同じくDFのリリアン・テュラムが185cm、フォワードFWのダヴィド・トレゼゲが190cm、同じくFWのティエリ・アンリが188cm、そしてミッドフィールダーMFジダンが185cmと長身プレーヤーが並びます。本来大きなプレーヤーが多いゴールキーパーのファビアン・バルテズの183cmが小さく感じられるチームでした。

 この後2000年の欧州選手権も制したフランスチームは、間違いなくこの頃の欧州最強チームだったでしょう。
 「魔術師」とか「宇宙人」と言われたジダン選手の自在のプレーも輝きました。あっと驚くパスと惚れ惚れするようなドリブルを主体に組み立てられるプレーは、まさに「ファンタジスタ」そのものでした。「ファンタジスタ」という尊称は、ジダンのためにある言葉だと今でも思います。

 また、「ジダン→アンリ」のホットラインは、世界サッカー史上屈指のホットラインだと思います。想像を超えるジダンのパスを、アンリは想像を超える形でゴールに決めて行きました。

 2006年ドイツWC決勝で、イタリアのマテラッツイ選手への「頭突き」により退場となったゲームが、ジダン選手のフランス代表としての最後のゲームとなりました。そしてこのゲームで「欧州サッカーにおけるフランスの時代」が終わったように観えます。
 
 フランスサッカーの第二期黄金時代を築き、ワールドカップを初めてフランスにもたらしたジネディーヌ・ジダン。
 そのジダン最大のマジックが、1998年フランスワールドカップ決勝戦での「他の選手の動きを止めて?」の2ゴールであったのかもしれません。
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魔術師と呼ばれたジネディーヌ・ジダン選手  
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