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 元旦恒例のニューイヤー駅伝が、今年も群馬県庁をスタート・ゴールとする7区間100㎞のコースで行われました。

 このレースの第2区でDeNAチームのカロキ選手が26人抜きの快走を見せました。駅伝では時々見られる「ゴボウ抜き」です。チーム順位も33位から7位に上がりました。見事な走りであったと思います。

 さて、駅伝競技における「ゴボウ抜き」について考えてみましょう。

 私は、駅伝競技でチームが好成績を残すという目的を踏まえれば、「ゴボウ抜き」はあまり良いものではないと考えています。理由は、

① 数多くのランナーを追い抜けるということは「チームの順位が低い」ということ、つまり前の区間までのレース振りが良くないということです。当たり前のことですが、例えば26人抜きを実現するためには、27位以下でタスキを受け取らなければなりません。

 今回のDeNAも1区で33位と大きく出遅れました。これも当たり前のことで恐縮ですが、1位でタスキを受け取れば、ひとりも追い抜くことが出来ません。一方、ひとりも追いぬけなくとも、チームがトップに居る方が良いのは間違いありません。一般的には、「ゴボウ抜き」の無いチームの方が、成績が良いということになるのでしょう。

② 前を走る沢山の選手を抜くためには、ランナーは「走行スピードのアップダウン」を繰り返す必要があります。結果として、追い抜く側のランナーの走行タイムを悪化させる可能性があります。
 縦一直線に前のランナーが並んでいる場合には、そのタイム押し下げ影響は少なくて済むかもしれませんが、前に集団でランナーが居る場合には、その集団に一度追い付いて、周りのランナーの様子を見たうえで再加速するといった走りが必要になります。

 こうしたスピードのアップダウンを伴う走りは、独走でキッチリとタイムを刻む走りより、タイムが悪くなる可能性が高いと思います。さらに、「追い抜く」ことを考えるあまり自身の走りのリズムを悪くしてしまっては、何にもなりません。

 このレースのカロキ選手も区間賞を取ってはいません。区間賞はNTNのワウエル選手でした。そしてワウエル選手は第2区でトップに立ち、3区に繋いでいます。あまり多くの選手と競うことなく、トップで走る方がタイムが速いのかもしれません。カロキ選手がワウエル選手の位置で走れば、もっと良いタイムを出せた可能性があります。

③ 「駅伝競技において順位が重要なのは最終区間だけで、その他の区間では順位よりタイム差の方が重要」であることは明白です。こうした原則がある中で、順位に拘った走りをすると、本来もっとタイムを稼げたはずのランナーが、タイムを失う可能性があることです。
 例えば、集団で残り2㎞に来た時に、その集団で先頭になることに拘ると「ラストスパート勝負」になりやすいのです。自身が最も速く走れる距離、例えば残り400mまで待ってスパートするとすれば、それまでの1,600mは集団内でじっと我慢することになります。これでタイムを失うのです。

 最終区間以外であれば、この「じっと我慢」には意味が無いように見えます。自身の最もタイムを稼げるスピードで2㎞を走り切る方が良いのではないでしょうか。

 集団から、残り400mでスパートし、中継点で5m先行して、集団トップで繋ぐよりも、たとえ集団トップを取ることが出来なくても、2㎞をロングスパートした方が、チームの為になるのです。

 前に選手が居ようが居まいが、自身が任された距離を自身の最速タイムで走り切る方が、チームに貢献できるのですが、とはいえ実際のレースでは、目の前に沢山のランナーが走っていて、自身の調子が良い場合には、「追い抜きたい」と思うのも、無理も無いところです。
 そして、「追い抜くことはランナーにとって大きな喜び」でもあるのでしょう。
 また、「自分は、追い抜くことで良いタイムを出せるタイプだ」という、気合型のランナーも居るのかもしれません。

 しかし、追い抜こうとして追い抜くのではなく、自身に最適なペースで走り、結果として追い抜く方が、自身の区間最速タイムを確保するためには望ましいことのように思います。

 とても難しいことなのでしょうが、普段のトレーニングにおいて「自身の走りのリズムを崩す事無く追い抜く走り方」を身に付けておく必要があるのかもしれません。
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