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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム93] きさらぎ賞の黄金時代 1970年~1975年
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 きさらぎ賞は、関西地区のクラシックレースへの登竜門として1961年・昭和36年に誕生しました。初めの頃は、中京競馬場の現在は存在しない「砂コース」で行われていましたが、1970年から京都競馬場の芝コースに移りました。

 現在に比べて、関東・関西の移動が容易ではなかった時代のことですから、2歳から3歳のはじめにかけては、クラシックレースに挑もうとする若駒達は、それぞれの地域の重賞で力を試し、実績・賞金額を積み上げて、クラシック第一弾の桜花賞・皐月賞を目指していたのです。

 そのクラシック登竜門としてのきさらぎ賞の役割が、最も発揮されたのが、1970年~1974年の5年間であったと思います。これは、頭書のように、開催コースが京都競馬場に移された初年からの5年間です。

 1970年・第10回は、タニノムーティエ号が優勝しました。本ブログにも既に登場済みの優駿タニノムーティエです。前年の阪神3歳ステークスを快勝して、2歳時を9戦7勝でクリアしたムーティエは、不良馬場のきさらぎ賞も圧勝して東上。
 続く弥生賞、スプリングステークスも制して12戦10勝、皐月賞、日本ダービーの2冠馬となりました。関東のエース・アローエクスプレスとの激闘は、この年の中央競馬の愁眉でした。

 1971年・第11回は、ヒカルイマイ号が優勝しました。日本ダービーを、4角最後方から差し切った馬は、ヒカルイマイとミスターシービーの史上2頭だと思いますが、そのヒカルイマイです。ヒカルイマイもきさらぎ賞を4馬身差で圧勝して東上。皐月賞、日本ダービーの2冠に輝きました。
 この頃の日本ダービーは、現在より遥かに多頭数のレースで、この年も28頭立てでした。ヒカルイマイは、府中の直線で27頭を抜き去って優勝したのです。

 1972年・第12回は、ヒデハヤテ号が優勝しました。「故障無かりせば三冠馬だった」といわれるサラブレッドは何頭か居ますが、その中でも最も多くのファンから惜しまれているのが、ヒデハヤテだろうと思います。
 1972年といえば、本ブログにも登場した関西三強、ロングエース・ランドプリンス・タイテエムがクラシック路線を席巻し、この三強による日本ダービーゴール前の競り合いは、語り草になっていますが、ヒデハヤテはその三強の一角ランドプリンス(皐月賞馬)と2度戦って2勝しています。前年の阪神3歳ステークスを8馬身差のレコードで圧勝したレース振りといい「この馬で日本ダービーまでは仕方が無い」と言われました。

 タニノムーティエ、ヒカルイマイと2年続けて2冠馬を輩出していたきさらぎ賞でしたから、今年もきさらぎ賞馬が皐月賞と日本ダービーを制すると思われたのです。
 しかし、好事魔多し。続く、京成杯でランドプリンス相手に快勝した後、脚部故障を発症し、ヒデハヤテはクラシックレースに出走できませんでした。

 1973年・第13回は、クリオンワード号が優勝しました。中京3歳ステークスを勝ったクリオンワードは、きさらぎ賞を勝って東上。スプリングステークスもハイセイコーの2着と健闘し、日本ダービーに駒を進めましたが18着と大敗。
 しかし、その後も重賞レースの常連として走り続け、阪神大賞典を制しています。前述の通り、この1972年のクラシックレースは、稀代の人気馬ハイセイコーと稀代のステイヤー・タケホープの年でした。クリオンワードは、同期ハイセイコー・タケホープとの激戦を続けたのです。

 1974年・第14回は、キタノカチドキ号が優勝しました。キタノカチドキは、本ブログにも時折登場する優駿ですが、2歳時に阪神3歳ステークスを制するなど4戦4勝、そのいずれもが3馬身以上の差を付ける圧勝でした。
 そして、きさらぎ賞も快勝して東上。スプリングステークスも勝って、6戦無敗で臨んだ皐月賞も快勝しました。史上初の単枠指定馬となった日本ダービーは調子落ちからか、府中の直線で大きく寄れて、よもやの3着となりましたが、秋に盛り返し、菊花賞を制し2冠馬となりました。菊花賞を制するまで、11戦10勝、負けたのは日本ダービーだけという、素晴らしい成績を残したのです。

 きさらぎ賞は、この「黄金時代」の後も、1978年の優勝馬インターグシケン号が菊花賞を制し、1990年のハクタイセイ号が皐月賞馬となり、1998年のスペシャルウィーク号が日本ダービーに優勝し、1999年のナリタトップロード号が菊花賞馬となり、2003年のネオユニヴァース号が皐月賞・日本ダービーの2冠を制し、2007年のアサクサキングス号が菊花賞馬となるなど、クラシックレースで優勝していますが、やはり1970年から74年の5年間ほど集中して活躍馬を輩出した時期は無いと思います。

 そして近年、2008年以降は、どちらかというと「中距離馬」のレースになっていった感があります。中央競馬のレース編成充実に伴って、「クラシック登竜門としてのきさらぎ賞の役割」が、小さくなってきているのは、少し寂しいことだと思います。 
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きさらぎ賞の黄金時代・1970年~1974年  
Comment
97
きさらぎ賞
今年は外国産駒エイシンエルヴィンや父内国産駒ブラックカイトに期待してるのですが・・・。

99
コメントありがとうございます。
渋い狙いですね。

私は、ホワイトマズルの仔バンドワゴンの走りが観たいと思っています。
ダンシングプレーブの血を日本競馬に残して行きたいという気持ちです。

引き続き、コメントよろしくお願いします。

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