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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム94] 京都記念(秋)(春)に優勝したエリモジョージ号
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 「京都記念」競走は、1942年5月に創設されています。太平洋戦争真っ只中、京都競馬場芝3500m・春と秋の年二回開催の新しい重賞レースとして始まったのです。このことだけでも、当時の日本のホースマン諸兄の気概を感じます。

 1944年から1946年の間は、戦争激化等により中止。1947年の秋のレースから再開されました。この時に、距離は3200mに短縮されました。その後、3000m→2400m→2000mと短縮され、最終的には1953年・昭和28年から2200mに落ち着きました。

 春と秋の年二回開催重賞レースというと、天皇賞以外の平場では、関東では1933年開始の目黒記念、関西では京都記念というのが有名です。重賞レースが少なかった時代に、京都記念は、とても格が高いレースとして定着していたのです。

 そして、1984年のグレード制導入と同時に、京都記念と目黒記念は「年一回開催」となりました。京都記念について言えば「秋のレースを廃止」することとし、G2に格付けされたのです。

 さて、大レースとして定着していた京都記念ですから、年二回開催の頃の優勝馬にも、マツミドリ、セカイオー、ダイナナホウシユウ、リュウフォーレル、タケシバオー、ヒカルポーラ、タニノチカラ、テンポイント、ホクトボーイといった名馬が名を連ねますが、本稿では、1976年秋のレースと1978年春のレースを制した、エリモジョージ号を採り上げます。

 2歳時の1974年に阪神3歳ステークスで3着となり、関西のクラシック候補の一角を占めたジョージですが、明けて3歳のシンザン記念を快勝して、一躍クラシック有力馬となりました。しかし、本格化には程遠かったのでしょう、皐月賞こそ3着と健闘しますが、日本ダービーは12着と完敗、カブラヤオーの影さえ踏めない状態でした。

 加えて、秋の菊花賞に向けての休養中のえりも農場が火災に見舞われるという不運も重なり、3歳の残りのレースには出られませんでした。

 明けて4歳・1976年。オープンレースを2つ叩いて、サンケイ大阪杯・鳴尾記念と重賞レースを2戦、ともに3着とまずまずの成績でしたが、重賞1勝馬ではやむを得ないものの、天皇賞(春)は12番人気でした。

 この1976年の天皇賞(春)は、例年にも増してメンバーが揃いました。カブラヤオー世代の関西の大将格ロングホーク、4歳で有馬記念を制したイシノアラシ、オークス馬トウコウエルザ、菊花賞馬コクサイプリンス、カブラヤオーに肉薄した日本ダービー2着馬ロングファスト、日本競馬史上初めて2000mで2分を切り、1400mのレコードも保持していた快足シルバーランド、等々、多士済々の役者が登場したレースだったのです。

 このレースで、エリモジョージはロングホークをクビ差抑えて優勝しました。ロングホークは、4つの重賞レースを含めて6連勝中でしたが、7連勝はなりませんでした。

 しかし、天皇賞(春)を勝ったとはいえ、それまでのレース振りの影響も有ってか、競馬ファンとしては「フロック」との見方が強かったと思います。
 続く宝塚記念は9番人気で7着、夏の函館記念を9番人気で優勝するも、続く京都大賞典は2番人気で9着と、安定しない成績が続きました。

 そして、1976年11月の京都記念(秋)を迎えます。11頭立ての5番人気だったエリモジョージは、何とこのレースを2着コウイチサブロウに8馬身差のレコード勝ち!
 正直、ビックリしました。

 さて、天皇賞(春)を制して、京都記念(秋)をレコード勝ちしたジョージでしたが、この後も成績は全く安定せず、1978年1月まで8重賞を含む10レースに出て、オープンレースの1勝のみという成績でした。
 2月の京都記念(春)に出走してきた時も、勝つのは難しいと感じたものですが、ファンは2番人気に支持しました。いつも言うことで恐縮ですが「ファンの眼は確かなもの」です。

 ややメンバーに恵まれた感があった1978年の京都記念(春)でしたが、エリモジョージはこれを4馬身差で圧勝。この頃から「気まぐれジョージ」と呼ばれるようになりました。

 しかし、「気まぐれジョージ」は、続く鳴尾記念・宝塚記念を連勝し、重賞3連勝を飾ります。鳴尾記念は2着ホクトボーイに「大差」勝ち、宝塚記念は2着グリーングラスに4馬身差と、「強い時のエリモジョージは、何者も寄せ付けない」レースを展開したのです。

 さすがに、この3連勝を見せられては、続く高松宮杯・京都大賞典・京都記念(秋)と3戦連続1番人気でしたが、8着4着6着と良いところ無く敗れ、「気まぐれジョージ」の本領を発揮しました。この後、エリモジョージが優勝することはありませんでした。

 エリモジョージ号、父セントクレスピン、母パッシングミドリ、母の父ワラビー。通算成績44戦10勝。
 父セントクレスピンは凱旋門賞馬です。当時は、凱旋門賞馬が種牡馬として輸入されることは珍しい時代でしたから、大変期待された種牡馬でした。代表産駒は、エリモジョージとタイテエムの2頭でしょう。2頭の天皇賞馬を輩出したのですから、セントクレスピンは日本で成功したと思います。

 エリモジョージ自身は、2歳から7歳まで、3歳の秋の不運を除けば故障も無く、44戦を良く走り、G1級レースを2勝していますから、立派な成績です。
 一方で、1番人気で勝ったのは、3歳緒戦のシンザン記念だけ、2着が1回だけ、3着も4回だけということですから、「馬券の軸」にはし難い馬でした。連勝複式が主体だった当時の馬券体系で、44戦して33戦で3着以下なのです。ある意味では、ファン泣かせの馬でもありました。

 しかし、それでもなお、「勝つ時の圧倒的な強さ」は記憶に残ります。

 京都記念(秋)を8馬身差のレコード勝ち、京都記念(春)を4馬身差で圧勝。エリモジョージは、春と秋の両方の京都記念を勝った最後のサラブレッドでした。
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