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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム95] 12歳 トウカイトリック号 ついに引退
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 2007年のダイヤモンドステークスG3の勝ち馬トウカイトリックが、本年1月6日の万葉ステークスでの4着をラストランとして現役を引退しました。
 2004年の8月の2歳新馬戦・小倉でデビューしてから、足掛け11年の競走馬キャリアでした。「無事これ名馬」という言葉を地で行ったサラブレッドでした。

 トウカイトリック号、父エルコンドルパサー、母ズーナクア、母の父シルバーホーク、生涯成績63戦9勝、重賞3勝(2007年ダイヤモンドステークスG3、2010年阪神大賞典G2、2012年ステイヤーズステークスG3)

 トウカイトリックのキャリアには、いくつかの特徴があります。

1.重賞勝ちは、全て3000m以上のレースであること。
 ダイヤモンドステークス3400m、阪神大賞典3000m、ステイヤーズステークス3600mとなっています。
 レース振りや走りっぷりを見ると、いわゆる「ステイヤー」 (一定のスピードで長い距離を走破できる能力を持ったタイプ) という感じではないのですが、結果としては長距離戦に強い馬でした。絶対スピードは今ひとつなのですが、常に真面目に一生懸命走り、長距離重賞レースでは展開次第で優勝することがあったというサラブレッドなのだろうと思います。

2.同じレースに何度も出走していること。
 この点が、トウカイトリックの最大の特徴でしょう。長距離戦で好成績を残せる→長距離戦でしか好成績を残せない、ので、出走しようとするレースが限定されるのです。
 そのことに、11年に及ぶ長いキャリアが重なって、「毎年このレースでトウカイトリックを見る感じがする」ことになったのです。検証してみましょう。

① 万葉S(オープン競走)3000m 7回出走 2008年と2010年に優勝
 (出走年)2007年、2008年、2010年、2011年~2014年

② G3ダイヤモンドS 3400m 4回出走 2007年優勝
 2006年、2007年、2010年、2012年

③ G2阪神大賞典 3000m 8回出走 2010年優勝
 2006年~2013年の8年連続

④ G1天皇賞(春) 3200m 8回出走
 2006年~2013年の8年連続

⑤ G2目黒記念 2500m 4回出走
 2006年、2007年、2009年、2011年

⑥ G2アルゼンチン共和国杯 2500m 7回出走
 2006年~2009年、2011年~2013年

⑦ G3ステイヤーズS 3600m 7回出走
 2006年~2009年、2011年~2013年

  となっています。

 実は、4歳以上の馬が出走できる平場3000m以上のレースは中央競馬全体でも、上記の①、②、③、④、⑦の5レースしかないのです。
 トウカイトリックは、この5レース全てに出走しているのみならず、全て4回以上走っています。天皇賞(春)と阪神大賞典に到っては8年連続で出走しています。「いつもこのレースでトウカイトリックを見る」という感想も当然のことですし、上記①~⑦のレースで45戦を戦っていますが、4歳以降の51戦(国内49戦)のうちの45戦ですので、「トウカイトリックは毎年同じレースに出走していた」と言っても、過言ではありません。

 こうした競走馬は、他に思い当たりません。本当にユニークな存在だと思います。

 トウカイトリックは、天皇賞(春)に8回挑戦しています。古馬で長距離が得意な馬にとって、天皇賞(春)に優勝することは最高の栄誉です。トリックも取りたかったことでしょう。そのトリックが、天皇盾に最も近付いたのが、2007年のレースでした。このレースで、トウカイトリックは3着と健闘しましたが、勝ったメイショウサムスンからハナ・クビの差の3着。トリックが上がり34.4秒の脚を使ったレースでした。あと一歩、本当に惜しい、大魚を逸したレースであったと思います。

 また、トウカイトリックはその長いキャリアの中で、ディープインパクトとオルフェーヴルの2頭の3冠馬と戦っています。この2頭の両方と戦った馬は、他には思い当たりません。

 ディープインパクトと一緒のレースは、3歳時の神戸新聞杯と4歳時の天皇賞(春)でした。共にディープが1着で、トリックは7着と9着でした。
 オルフェーヴルと一緒のレースは、10歳時の阪神大賞典、あのオルフェが逸走しそうになったレースです。勝ったのはギュスターヴクライ、トリックは6着でした。

 もちろん、12歳まで走ったからというだけでディープ・オルフェと走れたわけではありません。12歳まで一貫してG1クラスのレースに出走できる成績と体調を維持し続けたから、可能だったのです。本当に素晴らしいことだと感じます。
 
 さて、トウカイトリックの引退には、もうひとつのエポックが存在します。

 それは、「エルコンドルパサー最後の産駒が引退する」という点です。凱旋門賞ゴール前のモンジューとの激烈なデッドヒートが忘れられない名馬であるエルコンドルですが、種牡馬になって3年目・7歳の時に腸ねん転を発症して亡くなりました。短い種牡馬キャリアだったわけですが、その最後の現役産駒がトウカイトリックだったのです。
 エルコンドルも故障しない馬でした。トリックの頑健な体は父親譲りのものなのでしょう。

 トウカイトリックは、引退後京都競馬場の乗馬になると伝えられています。そうすると、エルコンドルパサーの血脈が途切れてしまうのではないかと心配です。

 エルコンドルパサーの父はキングマンボ、母の父シルバーホークはグラスワンダーの父でもあります。良血だと思いますし、非サンデーサイレンス系として貴重な血統でしょう。
確かに12歳まで走りましたから、種牡馬としてのプライムタイムが短いとは思いますが、何とかトウカイトリックの産駒を見ることは出来ないものでしょうか。
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