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HOME   »   スキー  »  [ソチ・オリンピック33] アルペン王国オーストリアの復興はなったのか?
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 オーストリアといえば、言わずと知れたアルペン王国です。特に、滑降やスーパー大回転といった「高速系種目」に対する拘りは、とても強いと思います。

 この強さは、スピードスケートにおけるオランダに近いものだと感じます。

 そのオーストリア・アルペンチームが、前回2010年バンクーバーオリンピックで、相当の不振に陥りました。
 男子はメダル無し、女子で金1、銅2を確保して、計3個でした。

 トリノにおいて、金4、銀5、銅5の計14個のメダルを獲得し、王国の名を欲しい儘にしたオーストリアチームが、4年の後「惨敗」したのです。金1・銅2を獲得した成績を惨敗と言うのは、普通の国・チームでは有り得ないことなのですが、ことオーストリアにとっては、間違いなく惨敗であったと思います。

 バンクーバーから4年。王国の復興はなったのでしょうか。

 ソチでの成績を並べてみます。
① 男子滑降 金
② 男子回転 金、銅
③ 女子スーパー大回転 金、銅
④ 女子大回転 銀
⑤ 女子回転 銀、銅
⑥ 女子複合 銀

 となっていて、全体では、金3、銀4、銅2の計9個のメダルを獲得しました。アルペン競技の国別のメダル獲得数でも、トップに返り咲きました。
 選手別で見ると、女子のアンナ・フェニンガー選手がS大回転で金、大回転で銀を獲得しているのが目立ちます。

 前回3個だったメダルが9個と3倍増となり、前回0個だった男子が金2個を獲得していますから、オーストリアチームとしては、相当に改善した成績といえるのでしょう。

 しかし、内容を観ると「復興途上」という感じが否めません。
 男子は、滑降でマティアス・マイヤー選手が金メダルを捥ぎ取りましたが、オーストリアが最も拘っている「男子・高速系」でのメダルは、これ1つ。もし、マティアス・マイヤー選手が優勝していなければ、何となく気分が盛り上がらない感じだったことでしょう。

 男子回転のマリオ・マット選手・マルセル・ヒルシャー選手の金・銀獲得は、見事でした。もともとは、それほど得意ではなかった「技術系種目」の回転でも、オーストリアのポジションを確保したのは、トリノ大会におけるベンヤミン・ライヒ選手(回転と大回転で金メダル)だったと思いますが、そのライヒ選手の伝統を引き継いだ形です。

 女子はフェニンガー選手を中心として、安定した成績を残しました。2002年のソルトレイクシティ大会までは、男子チームの陰に隠れがちであった女子チームですが、強化策が徐々に実を結び、トリノ以降は男子と互角以上の成績を挙げるようになり、安定感は男子を凌ぎます。
 現在のオーストリア・アルペンチームは「女性上位」と言えるかもしれません。
 
 いずれにしても、王国完全復興のためには、男子の高速系種目における活躍が不可欠ですし、そのことはオーストリアチームの皆さんが最もよく分かっておられると思いますので、再興への取組は高いエネルギーを持って継続されることでしょう。
 「怪物」と呼ばれたヘルマン・マイヤー選手に代表される、豪快かつ繊細なオーストリアスキーの復活が待たれるところです。

 ここからは、ソチ大会のアルペンスキー競技全体を振り返ります。

 男子については、各国・チームの力量が接近していて、「混戦」であったと思います。昨年の世界選手権で三冠を獲得したテッド・リグティ選手(アメリカ)も今大会は大回転の金1つでしたし、同じアメリカのボディ・ミラー選手もS大回転の銅1でした。

 複数のメダルを獲得した選手は、イタリアのクリストフ・インナーホッファー選手(滑降・銀、複合・銅)とノルウェーのチェーティル・ヤンスルード選手(S大回転・金、滑降・銅)の2選手でした。見事な活躍でしたが、大会をコントロールするところまでは、行っていなかったと感じます。
 アルペン男子は世代交代の混戦期なのかもしれません。

 女子については、「3強の激突」が観られました。
 オーストリアのフェニンガー選手(S大回転・金、大回転・銀)、スロベニアのティナ・マゼ選手(滑降・金、大回転・金)、ドイツのマリア・ヘフルリーシュ選手(複合・金、S大回転・銀)の3選手が、アルペン女子の秩序を創っていたと思います。
 この3選手は、いずれも滑降から回転・大回転まで、「高速系」から「技術系」までの5種目に登場し、それぞれの種目で好成績を残しました。
 そのオールラウンダー振りからも、アルペン女子は当面「3強」の時代が続くように感じます。

 それぞれの種目で素晴らしい滑りを魅せてくれた、ソチ大会のアルペン競技でした。次の大会では、日本選手の姿を、第1シード(15名)や「神セブン」の中で観てみたいと思います。
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