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HOME   »   その他のスポーツ  »  [ソチ・オリンピック34] 日々進歩を続ける競技にとって、過去の実績は無関係
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 女子スノーボードクロスの予選・準々決勝・準決勝・決勝が2月16日に一気に行われ、チェコのエヴァ・サムコヴァー選手が優勝、2位にはカナダのドミニク・マルテ選手、3位にはフランスのクロエ・トレスプシュ選手が食い込みました。

 ゲーム全体としては、予選のタイムトライアルからサムコヴァー選手が他の選手を圧倒し、決勝まで押し切ったという印象です。素晴らしいスピードでした。
 そもそも、ボードで雪面を滑るスピードに大差が有るのです。世界トップクラスの選手が揃いながら、スタート直後からサムコヴァー選手がリードを奪い、そのまま先頭を譲ることなくゴールするのですから、雪上の格闘技と呼ばれる「競り合いのテクニック」など登場する暇も無く、サムコヴァー選手は、どのレースでも「転倒だけを注意して滑っていた」という感じでした。

 スキーフリースタイルであればスキーイングが、フィギュアスケートであればスケーティングが最も大事であることは、本ブログでも繰り返し述べているところですが、この種目では、「ボードを速く走らせる能力・技術」が最も大切です。

 加えて、若い競技・歴史の浅い競技では、過去の実績にほとんど意味が無いことも再認識させられました。
 歴史の浅い競技においては、その技術は日々進歩していますし、競技としてのレギュレーションも固まっていませんから、過去にどんなに大きな大会で実績を残している選手でも、次の大会で好成績を残せる保証は全く無いということです。

 どちらかといえば、「競技経験が浅く、過去に実績が無い選手の方がチャンスが有る」のかもしれません。
 何故かというと、競技経験が浅い選手は最新の技術を習得し易いからです。一方、競技経験が長く実績十分の選手は「自らの技術を変更していくことに消極的」である可能性があります。

 「このやり方で、オリンピックで好成績を残してきた」といっても、日々進歩している未成熟な競技では、革新的な新技術が発明されることは珍しいことではないのですから、基本的なやり方を変えていかなければ、次元の違うレベルには付いていけません。

 加えて、歴史の浅い競技では、選手層が日々厚くなります。例えば、スノーボード競技であれば、競技が生まれ国際大会がスタートした頃には、カナダ・アメリカ・フランスといった一部の国々の選手が大半を占めていたものが、5年10年を経る中で、欧州全域に広がり、南米に広がり、オセアニア・アジア・アフリカに広がるといった形で、世界中の人達がトライすることとなり、当然に全体のレベルが飛躍的に上がります。

 以上の2点の理由から、若い競技のレベルは「日々進歩している」のです。これは、大袈裟ではなく、本当に「日々」進歩しているのだと思います。

 さて、ソチ大会の女子スノーボードクロスでも、その急速な進歩の影響が随所に観られました。

 2010年バンクーバー・オリンピックの金メダリストであるマイール・リッカー選手(カナダ)と銀メダリストのデボラ・アントニオ選手(フランス)が、準々決勝で敗退しました。前回の1・2位が準決勝にも進めなかったのです。
 また、この種目では伝説的な存在で、2003年から2011年までの間に世界最高峰の「エックスゲーム」で9度の優勝を誇り、2006年トリノ・オリンピックの銀メダリストでもあるリンゼイ・ジャコベリス選手(アメリカ)も準決勝で敗退しました。トップで滑っていながら転倒してしまったのですが、結果としては滑走スピードに耐えられなかったということでしょう。

 そして、今季のワールドカップ成績トップのドミニク・マルテ選手も決勝では、エヴァ・サムコヴァー選手に付いていくのがやっとという状態で、2位を死守しました。直前のワールドカップにおいて、圧倒的な力を示していたプレーヤーが、ソチ・オリンピックでは2位がやっとという状況なのです。日々の進歩のスピードが分かります。

 さて、20歳のサムコヴァー選手は、予選・タイムトライアルで圧倒的に速く、準々決勝、準決勝、決勝のレースでは、スタートして100m以内に先頭に立ち、そのまま押し切っていましたから、とにかく「滑るスピードが段違いに速い」ことは間違いありません。
 従前の競技テクニック以前の大きな差が、どこから生まれてくるのかに付いて、今後、他の選手達は必死に探し、研究しなければならないでしょう。

 そして、その謎が究明され、その何らかの技術が一般化され、多くの選手がサムコヴァー選手のスピードで滑ることが出来るようになって、初めてこの競技・種目が一歩進歩するのです。もちろん、そんなに時間はかからないと思いますが。

 日々急速に進歩している競技において、世界一を目指して行くためには、「経験から来る先入観」や「過去の栄光」はあまり意味が無いことを再認識させてくれた、サムコヴァー選手の快走でした。

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