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HOME   »   スキー  »  [ソチ・パラリンピック 2] 狩野選手の速さの秘訣は「後傾姿勢」
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 狩野亮選手が好調です。

 滑降座位種目に続いてスーパー大回転座位種目でも、金メダルを獲得しました。しかも、2秒近いタイム差をつける圧倒的な勝利でした。
 テレビ画面で見る限り、その滑走スピードは抜群です。狩野選手のずば抜けたスピードは、どこから生まれているのでしょう。

① 後傾姿勢

 狩野選手のターンを観ると、スキーの先が上がっています。「後傾姿勢」で滑り、ターンしているのです。ですから、どんどん加速されるわけです。
 後傾姿勢は、アルペンスキーにおいては良くないこととされていて、バランスを崩し、スピードが落ちると言われますが、実際の世界トップクラスの滑りでは、ターン毎にスピードを落とさずに、逆に加速していくために、必要な技術であることは、オリンピックのアルペン競技を見ても明らかです。

 後傾姿勢のまま、腰が落ち、転倒してしまっては何にもなりませんが、ターンの際に「転倒しない、ギリギリまで後傾する」ことは、スピードを競う競技においては有効な滑りということになります。

 本ブログのソチ・オリンピックの稿でも「綺麗なバランスの良い滑りではタイムが出ない」ことを書きましたが、当然ながらパラリンピックでも同様です。世界一・金メダルを狙うアスリートは、ギリギリの滑りにトライする必要があるのです。ゆっくりと綺麗なフォームで他のスキーヤーより速く滑れれば良いのですが、世界トップクラスのアスリートが集まる大会においては、「自分だけが綺麗に速く滑る」などということは、到底出来ないのです。

 転倒のリスクは高くなるが、そのリスクを犯さない限り、勝利の女神は微笑まないということでしょう。

② プレジャンプを飛ぶことにしたこと

 滑降やスーパー大回転といった「高速系種目」のコースには、雪面にギャップが用意されていて、プレジャンプをすることが要求されています。

 そして、このプレジャンプは「なるべく短い飛距離で抑え、スキー板と雪面が離れる時間を短縮すること」で、タイムロスを抑えるのが、原則です。

 しかし、今回のスーパー大回転では、狩野選手も銀メダルの森井大輝選手も、プレジャンプを飛んでいました。他国の選手は飛ばないようにして滑っていましたから、「飛ぶこと」は日本チームの作戦だったのでしょう。

 「飛ばない方が速い」とされている種目で、飛ぶことにしたのは、「スピードが出ている状態では、飛ばざるを得ない」からでしょう。

 「飛ばない方が速い」という原則は、「同じスピードで滑ってきたら、プレジャンプは飛ばない方が速い」ということです。

 このレースでは、より遅いスピードで滑ってきた他国の選手は飛ばなかった、より速いスピードで滑ってきた狩野・森井両選手は飛んだ、ということになります。飛んだほうが速い、というか、速いので飛ばざるを得ない滑りだったのでしょう。
 とにかく、速く滑ることが肝要な種目での、正しい選択であったと思います。

③ ブルーラインの外を滑り降りていたこと

 これも、オリンピックの稿で書きましたが、2本のブルーラインで示されているコースの中をずっと滑っているようでは、スピードが出ていないのです。狩野・森井の両選手は、時々ブルーラインの外側に運ばれながら滑り切りました。
 ブルーラインの外側に出されてしまうほどのスピードが出ていた証左です。「ブルーラインの外側を滑らなければならないほどのスピードを出さなければメダルには届かない」ことが、このレースでも良く分かりました。
 「キチンとしたラインをゆっくり・慎重に滑っている」ようでは、勝利は覚束ないのです。

 世界最高レベルの大会で、アルペンスキー「高速系種目」おいて好成績を挙げるための原則をしっかりと実行した狩野選手と森井選手。「攻撃的な気持ち」を前提としたその滑りは、見事でした。

 もちろん、他の選手に勝るスピードを出しながらも、転倒しないでゴールするためには、強靭な上半身と体幹の強さが必要なことは、言うまでもありません。弛まぬトレーニングが生きたのです。
 特に、狩野選手については「滑走中の上半身のブレが少なかった」と感じます。いつも「上半身が真っ直ぐに近い形」で滑っていました。抜群の筋力とバランス感覚が無くては、とても出来ないことでしょう。

 「高速系種目」を制するための秘訣は、オリンピックでもパラリンピックでも共通なのだと思います。
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