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HOME   »   MLB  »  [MLBプレーオフ] 凄まじきもの 2012年ディビジョナル・プレーオフ
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 現地10月12日、MLB2012年シーズンのディビジョナル・プレーオフが終わりました。4つのカード全てが3勝2敗決着という、稀に見る激闘。記憶にないと思っていたら、プレーオフがこの形式になって以来(1995年以来)、初めてのことだといいます。
 これまでは、大体4つの内2つのカードが、3勝1敗か3連勝で決まっていたのです。今シーズンは、レギュラーシーズンも優勝チームが決まったのが162試合目という地区が複数あったりして、MLB各チームの実力接近が感じられます。

 アメリカンリーグALのデトロイト・タイガースとオークランド・アスレティックスのカードは、デトロイトが勝利。第5戦のバーランダーの完封勝利が決め手になりました。11奪三振・三塁を踏ませぬ好投を、「生涯最高の投球だった」とバーランダーは語っています。

 ALのもうひとつのカード、ニューヨーク・ヤンキース対ボルチモア・オリオールズは、ヤンキースが勝ち抜きました。両チームとも得点力が不足していて、貧打戦が続いたと言ってもよいシリーズだったと思います。イチローも第5戦2点目を叩き出す右中間への2ベースヒットで貢献しました。
 シーズン終盤から、戦力的には他チーム比見劣りするヤンキースでしたが、ラウル・イバニェスの奇跡的な活躍もあって、ここまで駒を進めたのは、伝統の力という感じがします。

 ナショナルリーグNLのサンフランシスコ・ジャイアンツとシンシナティ・レッズのカードは、サンフランシスコが1勝2敗からの逆転で制しました。両チームとも、地区優勝をぶっちぎりで決めて、準備万端で臨んだシリーズでした。最後は、わずかにサンフランシスコの地力が勝った感じです。

 NLのもうひとつのカードにして、今季ディビジョナル・プレーオフ最後の勝ち残りを決めるワシントン・ナショナルズとセントルイス・カージナルスの第5戦は、セントルイスが9回表に一挙4点を取って逆転勝ちしました。激闘が続いた今季ディビジョナル・プレーオフの中でも、最も熾烈な戦いでした。

 前半のホームラン攻勢で、6-0とリードした時には、ナショナルズ・パーク球場に詰めかけた4万5千人を超える(球場新記録の入場者数)ワシントンのファンは、勝利・勝ち抜きを確信したことでしょう。
 モントリオール・エクスポス時代から、通算して15年ぶりのプレーオフ出場でしたし、勝ち上がれば、31年ぶりのNLチャンピオンシップ・シリーズへの進出ですから、ファンの熱気は高まりました。
 NLチャンピオンシップ・シリーズも勝ち抜いて、球団史上初のワールドシリーズ進出、そしてNL全球団の中で唯一ワールドシリーズ進出実績がない球団という汚名挽回の夢も広がったことでしょう。

 セントルイスは、中盤のブルペン投手陣の踏ん張りを背景に反撃に転じ、8回表を終わって5-6と1点差に詰め寄りました。8回裏、ワシントンは2死からカート・スズキのタイムリーヒットで追加点、7-5と2点差に広げます。大きな追加点。9回表は、クローザーのストーレンが抑えてくれると、ファンは再度確信したことでしょう。

 しかし、ストーレンはランナーをひとり許してしまい、ホームランを打たれれば同点という場面を作ってしまいました。ホームランを警戒するあまり、アウトコース一辺倒の投球となって四球を連発、2死満塁のピンチ。
 それでもワシントンのファンは「あと一人打ち取ればゲームセットだ」と期待し、総立ちで声援を送ります。ファンの大多数が立ち上がって応援するゲームをMLBで何度も観てきましたが、これほど「完璧な総立ち」は初めてです。

 セントルイスのデスカーソの当たりはショート右へのゴロ。これをショートのデスモンドがグラブに当てながらも弾いてしまい、2人がホームインして7-7の同点。咳ひとつ聞こえない静かなスタジアムにセントルイスのプレーヤー達の雄叫びだけが響きます。総立ちのファンは身動ぎもせず、茫然自失の体。しばらくして、スタンドには着席するファンが出てきました。両手で顔を覆うファンも・・・。
 この瞬間に、ワシントンの勝ちは無くなったように思いました。

 続くセントルイスのコズマがライト右に2点タイムリーヒット。これで9-7と勝ち越し。9回裏のワシントンの攻撃は3者凡退。本当に簡単に3者凡退。ワシントン・ナショナルズの2012年シーズンは、こうして終わりました。

 それにしても、セントルイス・カージナルスの現メンバーの「あきらめない気持ちの強さ」は驚嘆すべきものです。前にも書きましたが、昨2011年ワールドシリーズ第6戦の2度の2死2ストライクからの同点劇といい、今日の逆転劇といい、この力はどこに宿っているのでしょうか。昨シーズンもワイルドカードからのワールドシリーズ制覇でした。今シーズンもワイルドカードからの進出です。

 NLリーグチャンピオンシップ・シリーズは、1日早く地区シリーズを勝ち抜き、レギュラーシーズンも余裕をもって戦ってきたサンフランシスコ・ジャイアンツが有利だとは思いますが、サンフランシスコは最終回を前に大きなリードを取っていたい感じです。やはり、互角ということでしょうか。

 ワシントン・ナショナルズの監督は、あのデーブ・ジョンソンです。1975年NPB読売ジャイアンツが長嶋茂雄を監督に迎えた初年から2年間、巨人軍の中軸打者として1976年には26ホームランなどの活躍が記憶に残るプレーヤーでした。

 監督となってからは、あの1986年の「奇跡のメッツ」での活躍を始めとして、シンシナティ・レッズ、ロサンゼルス・ドジャーズ、ボルチモア・オリオールズの監督を歴任して、2011年からワシントン・ナショナルズの監督に就任しました。

 メッツの時もそうでしたが、ジョンソン監督は、「不振のチームを短期間で勝てるチームに変える」能力を持っています。ワシントン・ナショナルズも最下位常連チームでしたが、就任後わずか1年でプレーオフに進出できるチームに変えてみせました。就任したどのチームでも、程度の差はありますがチームの再建・新生に成功しているのですから、何かノウハウがある筈です。不思議なことに、こうしたノウハウは決して外部に流出しません。誰も真似できないのです。

 いつも述べますが、スポーツ界に限らず、どうでもよい情報は溢れかえっているのですが、肝心な情報は昔にも増して秘匿されています。こうした時代を「情報化時代」と呼ぶことに、私は違和感を覚えます。不要な、あるいは間違った情報が乱れ飛んでいるために、必要な情報が見つけにくくなっている現代は「極めて情報不足の時代」なのではないでしょうか。

 NPBにおいて、ジョンソン監督に似たタイプの監督を挙げるとすれば、広岡達朗氏か野村克也氏でしょうか。選手を再生し、チームを短期間に活性化する術を、この3氏は持ち合わせていると思います。また、ひとつのチームの監督を長く続けることがない点も共通しています。

 さて、MLBは、いつものシーズンと同様に、明日からチャンピオンシップ・シリーズに入ります。メジャーリーグ・ベースボールのファンは、一日の休みもなくゲームを楽しむことができます。これが、MLB隆盛の大きな理由のひとつです。


 
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