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HOME   »   スキー  »  葛西紀明選手の長い選手キャリアの原動力?
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 現在41歳、1992年のアルベールビルからソチまで7大会連続でオリンピック出場を果たしている葛西紀明選手の、長い選手キャリアを可能にしている原動力は何なのでしょうか。

 もちろん、40歳を過ぎても世界トップクラスのパフォーマンスを見せる肉体面の強さが前提となっているのでしょうが、興味深いのは「精神面の持久力」です。肉体面の強さ維持も、精神面の持久力無しには実現できないことは明らかです。

 アスリートは、その選手キャリアの中で、難度も壁にぶち当たり、「心が折れそうになる」のでしょうが、葛西選手はその都度、その壁を乗り越えてきましたし、現在も4年後のオリンピックを目指して意気軒昂です。

 この「心の若さ・強さ」の源として、私は「長野オリンピックの時の悔しさ」があるのではないかと考えます。

 1994年に鎖骨を骨折し、このシーズンを棒に振った葛西選手は、1996年に競技に復帰し、ワールドカップでも表彰台に上がるなど調子を戻していました。1997年から1998年・長野オリンピックのシーズンも好調なプレーを続けていました。
 しかし、1997年12月に左足首を捻挫したことも影響したのか、長野オリンピックのラージヒルと団体メンバーから外されました。この時、ラージヒルでは船木選手が金メダル、原田選手が銅メダルを獲得、団体は金メダルに輝きました。

 この長野オリンピックで代表から外された悔しさを、葛西選手は時々コメントしています。そして、平静なコメントの裏側に、大きなエネルギーの塊としての「長野の悔しさ」が満ちているように感じるのです。

 この「長野の悔しさ」は半端なものではなく、この悔しさを雪ぐまで、葛西選手は選手生活を続けようとしているのではないでしょうか。
 ソチ・オリンピックで個人ラージヒル銀メダル、団体銅メダルを獲得しても、長野の時自分が味わうことが出来なかった個人ラージヒル「金」、団体「金」には及びませんし、何より、まだ「悔しさ」を忘れることが出来ないのですから、選手生活を継続するしかないのでしょう。

 ところで、葛西選手のスキージャンプ界における評価を考えた時、「長野の悔しさ」はどんな意味を持つのでしょう。

 仮に、葛西選手が長野オリンピックでラージヒルと団体に出場し、ともに金メダルを獲得したとします。続く2002年のソルトレイクシティ大会出場(30歳の時)を最後に引退していたかもしれません。
 それでも、オリンピック3大会連続出場でメダルも複数持っているのですから、名選手と呼ばれるでしょうが、「レジェンド」とは呼ばれなかったでしょう。

 つまり、葛西選手は「長野の悔しさ」を晴らすために、日々精進を重ね、技術面やレギュレーションの変更に対応し、世界選手権やトリノ・バンクーバー・ソチのオリンピックに挑戦し続けました。
 気が付けば、7大会連続の冬季オリンピック出場という世界最高記録を打ち立て、また40歳を過ぎてのワールドカップ優勝やオリンピック銀メダルという偉業を成し遂げ続けています。そして、数年前からは、スキージャンプ競技の本場ヨーロッパにおいて「レジェンド」と呼ばれ、最大級の尊敬を集める存在となったのです。

 こう言っては、ご本人に叱られてしまうかもしれませんが、「長野の悔しさ」があったればこそ、葛西選手は「レジェンド」になれたのではないでしょうか。

 あまり意味の無い比較ですが
・ 長野で金メダル2つ、リレハンメルで銀メダル1つ、30歳で引退したジャンパー
・ 1992年のアルベールビルから2014年のソチまで7連続オリンピック出場、リレハンメルで銀メダル1つ、ソチ で銀と銅メダルを1つずつ獲得し現役を続行しているジャンパー

 どちらが、高く評価されるものなのでしょう。

 現在はどちらとも言えない、というのが本当のところではないでしょうか。

 つまり、現在の葛西選手は、「長野の悔しさ」は残り、金メダルはいまだに獲得していないけれど、長野で代表となり金メダルを獲得していた場合と、互角の評価は得ているのです。
 そして、世界的な知名度でいえば、後者の方が遥かに高いものでしょう。「長野の悔しさ」は、葛西選手が「レジェンド」となる原動力となり、世界で最も有名なスキージャンパーのひとりにしたのです。

 「長野の悔しさ」が有った方が良かったのか、無かった方が良かったのかは、いまだに結論が出ていないことでしょう。結論が出ないことなのかもしれません。いや、比較すること自体に意味がないことなのかもしれません。

 いずれにしても、葛西選手が現役を引退(まだまだ先のことですが)し、葛西選手自身がこのことを冷静に受け止め、自身で消化し切ったときに、ひとつの結論、葛西選手自身にとっての結論が出るような気がします。

 その結論を聞いてみたいものです。

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