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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム103] 「栗毛如何ともし難し」 サクラユタカオー号
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 1986年の大阪杯(現在の産経大阪杯)を制したのが、サクラユタカオーです。

 父テスコボーイ、母アンジェリカ、母の父ネヴァービート、母の母の母スターロッチという、当時最高の良血であったユタカオーは、2歳の12月に中山の新馬戦1800mでデビュー、これをレコード勝ちして、続く特別レース、共同通信杯G3と3連勝、同世代のクラシックレース有力候補となりました。

 しかし、好事魔多し。右前駆を骨折し、皐月賞・日本ダービーを見送り、秋シーズンに賭けましたがミホシンザンに完敗、再び脚部不安を発症して4歳を迎えました。クラシックレースには、縁が無かったのです。

 休養明けのサクラユタカオーが緒戦に選んだのが、1986年3月20日の大阪杯G2でした。
 このレースは、本格化したスダホークとのマッチレースの様相を呈しました。3着のシャイニングルビーを7馬身離しての2頭の叩き合いをアタマ差制して、サクラユタカオーは久々の勝利を挙げました。

 その5歳の秋、10月のG2毎日王冠1800mから始動したユタカオーは、これを1分46秒0のレコード勝ち。中距離の王者ニッポテイオーを2・1/2馬身ちぎっての優勝は、サクラユタカオーの強さを明確に示したものでした。

 そして中2週で天皇賞(秋)に駒を進めます。不利と言われる大外16番枠を引いてしまいましたが、絶好調のユタカオーには関係ありませんでした。2000m1分58秒3という、驚異的な日本レコードタイムで圧勝したのです。
 毎日王冠に続いて、2冠馬ミホシンザンを連破(共に3着)した4歳の秋が、競走馬としてのサクラユタカオーのピークでした。

 この後、ジャパンカップ・有馬記念と連戦しましたが両方とも6着に終わり、競走馬を引退しました。
 常に、脚部に不安を抱えての競走馬キャリアでしたが、12戦6勝の内3つがレコード勝ちでしたから、「脚さえパンとしていれば、誰にも負けないスピード馬」であったと思います。

 520kgを超える雄大な馬体と圧倒的なスピードを保持したサクラユタカオーは、種牡馬となって一層の活躍を見せました。

 「テスコボーイの血脈を後世に伝える馬」となったのです。

 代表産駒はサクラバクシンオーとエアジハード。
 サクラバクシンオーは「短距離の鬼」と称され、G1スプリンターズステークスを2度制覇、エアジハードはG1安田記念・マイルチャンピオンシップを制しました。
 この両馬は、サクラユタカオーの後継種牡馬として活躍しています。

 また、牝馬の仔も好成績を残しました。サクラキャンドルはG1エリザベス女王杯に勝ち、ウメノファイバーはG1オークスに優勝したのです。ブルードメアサイアーとしても、サクラユタカオーの活躍は続いています。
 当時の内国産種牡馬として見事な成績だと思います。

 1982年、北海道・日高の名門藤原牧場に生を受けた時、牧場では「馬格雄大、骨太品位に富む。大物の相、栗毛如何ともし難し」と記録されたそうです。
 馬体・馬格を評するコメントは、後のサクラユタカオーの競走馬・種牡馬としての大活躍を見事に見抜いていて、さすがとしか言いようがありませんが、「栗毛如何ともし難し」(栗毛なのは、どうしようもない)とは?

 実は、大種牡馬テスコボーイの産駒の中で「栗毛の馬は走らない」というジンクスが日高にはあったのだそうです。

 良血で素晴らしい馬体の馬が生まれたのに、何と「栗毛」だったと。
 「栗毛如何ともし難し」という言葉に、サラブレッド生産に携わるの皆様の苦悩が滲んでいます。

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