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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム104] 1939年第一回桜花賞と「下総御料牧場の基礎輸入牝馬」
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 春爛漫!桜花賞の季節がやってきました。クラシックレースの季節がやってきました。本当に良い季節です。

 桜花賞は、太平洋戦争前の1939年(昭和14年)、「中山四歳牝馬特別」競走として創設されました。中山競馬場1800mのレースでした。
 戦中の競馬中止の時期を経て、1947年(昭和22年)に再開されました。会場は京都競馬場1800mコースとなりました。
 そして、1952年(昭和27年)に阪神競馬場1600mコースでの開催に変更され、現在に到っています。

 記念すべき第一回の勝ち馬はソールレディ号です。

 ソールレディ、父トウルヌソル、母星濱、千葉県の下総御料牧場の産です。通算成績は48戦6勝。未勝利のまま出走し、クラシックレースを勝った、日本競馬史上唯一の馬です。

 お父さんのトウルヌソルは、イギリスからの輸入馬で日本競馬創世期の大種牡馬。第一回~第六回までの東京優駿競走(日本ダービー)で3頭の勝ち馬を出し、同じく3頭の優勝馬の父であった岩手小岩井農場の大種牡馬シアンモアとともに、日本競馬界を席巻しました。第一回~第六回までの日本ダービー6レースは、トウルヌソルとシアンモアの産駒が3勝ずつと互角の勝負を展開したのです。
 トウルヌソルは計6頭の日本ダービー優勝馬を出していますが、これは現在でもサンデーサイレンスと並んで、史上最多記録だと思います。

 さて、本稿で特に注目したいのはお母さんの「星濱」です。

 星濱は、あの『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』の一頭です。

 官営の下総御料牧場は、アメリカから1931年と1932年に3頭ずつ計6頭の牝馬を輸入しました。当時、世界の競馬から相当に遅れていた日本競馬でしたから、欧米からの優秀な血統の導入は急務だったのです。

 『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』で特筆すべきは、アメリカ馬であったことでしょう。当時、競走馬生産で先行していた民営の小岩井農場などが、イギリスからの輸入馬を主体に活動していたのに対して、後発の下総御料牧場はアメリカからの輸入牝馬に賭けたのであろうと思います。もちろん、研究に研究を重ねての輸入であったことでしょう。その思いが、6頭の名前→星旗・星若・星濱・星谷・星富・星友に表れています。「星条旗」から「星」を付けた名前としたのです。
 漢字の馬名とは、いかにも戦前という雰囲気ですが、「星」を付けているのはとてもお洒落です。当時のホースマンの気概とセンスの良さを感じます。

 この6頭は全て「受胎した状態」で輸入されました。各々の馬の種付相手は、マンノウオー(アメリカ競馬史上最高のサラブレッドとされています)やサーギャラハッドといった、当時のアメリカの一流種牡馬達でした。つまり、下総御料牧場は、6頭の世界一流繁殖牝馬を輸入するとともに、その腹中の仔の血脈にも大いに期待していたのでしょう。

 狙いは、見事に的中しました。6頭が輸入後生んだ6頭の内5頭は競走馬となり、計59勝・特殊競走(現在ならG1レースというイメージでしょうか)で11勝という、目覚しい成績を残したのです。唯一競走馬にならなかった牡馬・月友(星友の仔)は、大種牡馬として長く活躍しました。
 この6頭の仔6頭の活躍を見ても、当時の世界競馬と日本競馬の実力差の大きさが分かります。

 『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』は、『小岩井農場の基礎輸入牝馬』とともに、日本の競馬を支えてきました。

 この6頭の子孫の活躍を書こうとすれば何ページあっても足りませんから、ごく一部を述べれば「星旗」の子孫にゴールドシップが居ます。この6頭の血脈は、現在でも日本競馬を支えているのです。

 「星の付く肌馬」が輸入されてから80年の月日が経過しました。当時のホースマンの慧眼と行動力に深甚なる敬意を表します。

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