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 今年の日本選手権水泳競技大会が、東京辰巳国際水泳場を会場に4月9日~13日の日程で開催されました。(4月9日は公式練習日)

 オリンピック中間年という、トップスイマーにとっては難しい時期の日本選手権でしたが、今年も見所満載の大会となりました。

1. 萩野公介選手4冠

 今大会も、多くの選手が活躍しましたが、やはり中心にいたのは萩野公介選手でしょう。
 2013年の日本選手権で5冠を制していた萩野選手は、2014年大会でも4冠を制しました。

 男子200m自由形、400m自由形、200m個人メドレー、400m個人メドレーの4冠、そして100m背泳ぎと200m背泳ぎが2位という、堂々たる成績でした。
 2013年には、この4冠に100m背泳ぎを加えた5冠だった訳ですが、2013年は第一人者の入江陵介選手が本調子ではなかった中での5冠でしたから、入江選手がカムバックした今大会で、入江選手と好勝負を展開した上での4冠は、2013の5冠より価値があるように感じます。
 ロンドン・オリンピックの銀メダリストと、その専門種目で互角の勝負を展開していること自体が凄いことですし、こうしたスイマーが日本にも出てきたことは頼もしい限りです。

 また、200m個人メドレーと400m自由形における日本新記録樹立は素晴らしいものでした。どちらも、現在の世界トップクラスの成績ですし、個人メドレーならライバルの瀬戸大也選手、自由形でも松田丈志選手らを寄せ付けない強さを示し、この1年間の成長振りを内外にアピールしました。
 4日間の競技で、12の競泳を行い、6種目中5種目で自己最高記録を更新するというのは、「疲れている状況でも記録を出していくノウハウが身についてきている」ことを示しています。
 昨年本ブログで「萩野公介はマイケル・フェルプスになれるか」という稿を書きましたが、現状を見る限り、着実にマイケル・フェルプス選手に近付いているのでしょう。凄い19歳です。

2. 入江陵介選手のカムバック

 昨シーズンは不調で「引退も考えた」と伝えられた入江選手ですが、見事にカムバックしてきました。
 100m・200mの背泳ぎは、ともに日本記録に迫る泳ぎでした。入江選手独特の「泡をかかず、水をかく」無駄の無い泳法が発揮され、泳ぐスピードは群を抜いていました。
200m背泳ぎのラスト50mでは少しバテた感じでしたが、課題は明白ですから、今後のトレーニングで修正していけば、オリンピック金メダルも手の届くところに在ると思います。

 萩野公介選手の登場も、入江選手の心に火をつけているのでしょう。2人の世界トップクラスのスイマーが、当面の日本水泳界を引っ張っていくメインエンジンということになります。

3. 渡部香生子選手の三冠

 高校3年生・17歳の渡部香生子選手は、200m個人メドレーと100m平泳ぎ、200m平泳ぎの3種目を制しました。200m個人メドレーは昨2013年に続いての連覇です。

 渡部選手も萩野選手と同様に、競泳4種目全てに非凡なものを持ちながら、得意種目も擁している選手です。ついに本格化したというところでしょうから、今後1年間でどこまで記録を伸ばしていくのか、とても楽しみです。
 オリンピックのメダルを狙える選手になるために、とても大切なシーズンでしょう。

4. 世界記録保持者・山口観弘選手の復活状況

 2012年9月に国民体育大会200m平泳ぎで世界新記録を叩き出し、現在でも世界記録保持者である山口観弘選手が、今大会の200m平泳ぎで4着に入賞しました。
 2位の押切雄大選手との差は0.1秒、テレビで観ていたときには「2位もある」と思いましたが、僅かにタッチが流れたのか、3位の高橋幸大選手にも0.09秒遅れてしまいました。

 山口選手の記録2分10秒33は、自身の持つ世界記録2分07秒01より3秒以上遅いタイムですから、完全復活というわけには行きませんが、相当戻ってきたとは言えそうです。自身・コーチ他の関係者が、様々な観点から1年半前の世界記録の時の泳ぎを復活しようと試みているにも拘らず、なかなか戻れないのですから「世界一の泳ぎ」というのは、容易に具現化できないものなのでしょう。

 とはいえ、18歳の時に一度世界新記録を叩き出している山口選手が19歳となった現在、絶対筋力や持久力では当時を凌ぐ水準に上がってきているのでしょうから、当時のフォームを思い出すことで、再び世界記録を出すことが出来ることは自明の理でしょう。

 北島康介選手が築き上げた「男子平泳ぎの伝統」を継ぐ者として、今大会の200m優勝者・小日向一輝選手らとともに、切磋琢磨して欲しいものです。

5. 女子中学生スイマーの活躍

 近時は例年のこととは言え、今大会も女子中学生選手の活躍が目立ちました。中学1年生のスイマーから順に、決勝進出者を見てみましょう。

・酒井夏海選手 中1、50m背泳ぎ8位
・池江璃花子選手 中2、50m自由形4位、100m自由形8位、50mバタフライ7位
・今井月選手 中2、200m平泳ぎ5位
・高橋美空選手 中2、800m自由形7位
・伊藤悠乃選手 中3、200mバタフライ2位
・長谷川涼香選手 中3、100mバタフライ4位
・持田早智選手 中3、200m自由形5位
・牧野紘子 中3、200m個人メドレー5位
・徳永彩花 中3、50m平泳ぎ7位

 9名もの中学生スイマーが「日本選手権のファイナリスト」に名を連ねたのです。凄いことだと思います。
 加えて、14歳のオリンピック金メダリスト岩崎恭子選手に代表される「持久力」が重要な200m平泳ぎといった種目のみならず、相当の絶対筋力が必要な自由形やバタフライといった種目でも、複数のスイマーが決勝に進出しているのです。
水泳日本の将来がとても楽しみになりますし、水泳競技の強化体制の確立を改めて感じます。特に、女子は現在が「世代交代の時期」なのでしょう。

 一方男子は、数人の高校生がファイナリストに進出していますが、中学生の決勝進出者は皆無でした。男子は大学生と社会人が主体なのです。
 「男子と女子の水泳競技の違い」をも感じさせる事象です。

 さて、オリンピック中間年のトップスイマーの「動機付け」の難しさは頭書した通りですが、そうした中でも、8月21日からオーストラリアで開催される第12回パンパシフィック大会と9月18日から韓国で行われる第17回アジア大会が、今季を代表する国際大会となります。

 この2つの大会に向けて、今日本選手権大会も代表選考会を兼ねていたのですが、もうひとつ6月18日~22日にかけて開催される「ジャパン・オープン大会」も選考会を兼ねます。(ジャパン・オーブンは第6回ジュニア・パンパシの選考会も兼ねます)

 我が国の水泳競技には、日本選手権とジャパン・オープンという、日本一を争う2つの大会が2ヶ月の間隔を持って用意されていて、国際大会がその後始まるようにスケジューリングされているのです。
 日本水泳連盟というか日本水泳界の巧みな日程管理が分かります。選手達は、この道標に沿ってトレーニングを続けて行くのでしょう。

 「水泳日本」は、益々その実力を上げてきている様に観えます。国際大会での活躍に、大いに期待しましょう。

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