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HOME   »   MLB  »  田中将大投手 驚くべき適応力の高さ!
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 ニューヨーク・ヤンキースNYYの田中将大投手の4度目の先発となった、4月22日のボストン・レッドソックスBOS戦は、7・1/3イニング105球を投げて被安打7、奪三振7、失点2という堂々たるピッチングを魅せました。

 田中投手はこれで、今季無傷の3勝目、NPB(日本プロ野球)から通算しての「田中が投げたら試合には負けない」記録を31に伸ばしました。

 この試合の4回裏に、BOSのデビッド・オルティーズ、マイク・ナポリの両選手に連続本塁打を許しましたが、中4日でローテーションを守り続けなければならない先発投手としては、「いつもいつも全力投球をする」訳には行きませんから、4-0とリードした状況での投球をしたということでしょうし、打たれた相手もBOSの中心打者であり、MLBを代表するプレーヤーでもありますから、「何の問題もないこと」だと考えます。

 この日は、やや腕が下がり気味で横投げ気味のフォームから、右打者のアウトコースに逃げていくスライダーとインコースに落とす遅いカーブ主体の組み立てで、他の変化球の曲りは良くなかったため、田中投手の調子としては、いまひとつであったと感じましたが、それでもBOSを2点に抑え切ったのです。
 この落ち着き払った投球内容は、「まるでMLB経験10年のプレーヤー」のようにさえ見えました。驚くべき適応力でしょう。

 試合後ジラルディ監督は「2発撃たれた後に、すぐに立ち直った。若い投手にしてはすごく適応力が高い。25歳ということを忘れてしまう」とコメントしましたし、捕手のマッキャン選手は「(4回に連続本塁打を浴びた後について)彼はそこで何をすればいいかをよく分かっていた」と満足そうにコメントしたと伝えられています。
 また、ジータ選手は「(相手打者の)バランスを崩させ続けている。カウントを稼がれると相手は大変だろうと思う。後ろで守っていて楽しいよ」と最大級の賛辞を送っています。

 実際のところ、NPBからMLBに挑戦する投手が、克服しなければならないことは多岐に及ぶと思います。田中投手を例にとって、ごく一部を上げてみましましょう。

① 引っ越し
 当然ながら、日本からアメリカに移住しなくてはなりません。生活環境の基本が大変動するのです。マー君は2000万円~5000万円(報道により金額が異なります)の費用(当然自前)をかけて数トンの荷物をジェット機で運びました。体調管理の面を始めとする様々な観点から「自らの生活環境維持・構築のために費用を惜しまない姿勢」はプロフェッショナルそのもので、素晴らしいと思います。お金のかけどころ=投資の場所を知っているという感じです。

② 食事
 日本とは異なります。アメリカは先進国ですから、日本食材も手に入るとは思いますが、着任早々に、日本に居た時と同じような食材を入手するルートを把握できるとは思われません。この点は奥様の力が大きいのでしょう。
 当然ながら、今後は「アメリカ飯」にも慣れていく必要があります。

③ 所属チームの違い
 東北楽天ゴールデンイーグルスからニューヨーク・ヤンキースに移籍したのですが、東北楽天ファンに比べて、ヤンキースファンはより辛口でしょうし、ヤンキース関連マスコミもうるさ型ということで有名です。少し不調になれば、色々と批判を浴びるのです。これにも、慣れていかなくてはなりません。
 先にも書きましたが、マー君には「必殺の笑顔」がありますので、ファンやマスコミの心を掴むことは十分可能だと思います。

④ ボールの質
 MLBのボールは、NPBのボールと比べて、諸点異なりますが、特に投手にとっては「表面がつるつるして滑りやすい」と言われます。この滑りやすさのために、NPB時代と同じような投球が出来ずに、MLBを去って行った投手も居ますし、少なくとも「このボールに慣れる」までには、多くの投手が長い時間を必要としていました。
 しかし、田中投手はスプリングトレーニングとプレシーズンゲームの投球だけで、慣れてしまったように見えます。これまでNPBからMLBに挑戦した投手の中で、最短期間で慣れたのではないでしょうか。
 というか、そもそも田中投手から「ボールが滑る」というコメントは、聞かれなかったように思います。

⑤ マウンドの高さ・角度・土質
 MLBはNPBに比べて、一般的に高く・急角度だと言われます。また、当然ながら「球場毎に異なる」のですから、「投げる度に初めての球場」という田中投手は、毎試合「マウンドに適応して行く」必要があります。
 この点への適応力も素晴らしいと思います。田中投手から「ここのマウンドは投げづらかった」といったコメントを、まだ聞いたことがありません。

⑥ 移動距離
 日本より大きな国・アメリカ合衆国ですから、球場から球場への移動も大変です。この点でも既に、投球する当日の朝、現地に到着したゲームでも田中投手はしっかりと投げていましたから、適応できています。

⑦ 連戦
 いつも書くことですが、MLBでは20連戦・30連戦が珍しくありません。そして「中4日で投げ続ける」ことも珍しくありません。この点については、田中投手はたまたまチームの試合日程の関係から、直近の2ゲームは「中5日」以上での登板が続いています。今後は中4日が続くでしょうから、適応して行かなくてはなりません。
 加えて、MLBでは登板予定ではないゲームもチームに帯同し、ベンチ入りします。ホテル他で休んでいるわけにはいかないのです。この点もNPBとは異なるところです。

⑧ チームメイトとのコミュニケーション
 田中投手の英語力については情報がありませんが、これまでのキャリアを見る限り、早々に必要な水準の英語力は身に着けることでしょう。
 当然ながら肝心なのは、相応に英語が出来るようになってからのコミュニケーションです。「英語が堪能だから、コミュニケーションできる」などということは、全くありません。(世の中、そんなに簡単なら苦労はしません)ツールとしての英語を身に着けた上で、自身の人間力により周りの人達と交流していくことになるのでしょうが、兵庫県出身で駒大苫小牧高校のエースであったマー君には、十分なスキルがあるように感じます。

 まだまだ数えきれない位に「適応しなければならないポイント」が存在するのでしょうが、ごく一部を上げてみました。

 ベースボールを行うという意味では、④と⑤が大事な点でしょう。④については、NPBからMLBに挑戦した投手の多くが苦戦していた・している、ように見えますが、田中投手は瞬く間に適応したように観えます。先達のノウハウも、もちろん活かしたのでしょうけれども、それにしても「違うボールで、七色の変化球を自在に投げ分ける」のに、あまり時間を要しなかったというのは、世界最高水準のリーグで戦っていることを勘案すれば、驚異的なことと言えます。

 また、⑤については今季レギュラーシーズンを通して慣れていくことなのでしょうが、少なくとも現時点までの様子からは「あまり気にしないタイプ」に見えます。今後も続く、「投げたことのない球場での初登板」でも、十分な内容の投球を見せてくれそうです。

 もちろん、④についても⑤についても、現時点で100%対応できているわけではないのでしょうが、この時期としての対応水準としては素晴らしいものでしょう。

 田中将大投手は、シーズン開幕時点でNYY先発4・5番手の位置に居ながら、4月22日という序盤で「NYYの勝ち頭」に躍り出ました。
 今後の大活躍が、とても楽しみです。
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田中将大投手・素晴らしい適応力!  
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