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HOME   »   大相撲  »  大相撲2014年5月場所を振り返って
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 5月場所は、横綱白鵬の29度目の優勝で幕を閉じました。14勝1敗でした。
 白鵬関は11日目に豪栄道関に敗れましたが、その他の取組では安定した取り口を見せました。大関稀勢の里が13勝で追い縋りましたが、結果としては白鵬がゆうゆうと優勝したという印象です。

1. 注目の10力士の成績

 本ブログでは、恒例として場所前に10名の注目力士を掲出します。その10力士の成績です。
① 白鵬 14勝1敗 優勝
② 稀勢の里 13勝2敗
③ 栃煌山 10勝5敗
④ 豪栄道 8勝7敗 殊勲賞
⑤ 遠藤 7勝8敗
⑥ 隠岐の海 6勝9敗
⑦ 貴の岩 3勝12敗
⑧ 妙義龍 8勝7敗
⑨ 豊真将 9勝6敗
⑩ 玉鷲 8勝7敗

 10名中7名は勝ち越しましたが、3名が負け越しましたので、十分な成績とは言えませんでした。
 特に、貴の岩関は3勝12敗と大きく負け越してしまいました。おそらく、どこか故障していたのだろうと思いますが、飛躍を期待していただけに残念でした。

 また、隠岐の海関も番付が下がったにもかかわらず6勝しかできなかったことは、とても残念です。初日の大砂嵐戦でパワフルな相撲に一蹴されて、調子が狂ったのかもしれません。捲土重来に期待します。

 遠藤関は2場所連続の負け越しとなりました。横綱日馬富士に土を付けるなど、相撲内容に進歩は見られましたが、まだまだ「前に出る力が不足」しています。立ち合いのスピード・パワー・厳しさ向上と共に、日々の鍛練で習得して行ってほしいものです。

2. 優勝争い

 中日8日目までに、日馬富士・鶴竜の両横綱が2敗し、白鵬が全勝で折り返した段階で、実質的には「白鵬独走の場所」となりました。
 その白鵬の11日目の黒星で、稀勢の里が追い付き1敗で並んで12日目の直接対決を迎えました。この一番が今場所の愁眉。2度の待ったの後、3度目に稀勢の里は完全に立ち遅れ、あっさりと土俵を割りました。相撲になりませんでした。
 「白鵬は右手を土俵につき、左手をポンとして立っていく」のですが、最初の2度は白鵬が右手をつく前に突っかけていましたから、白鵬は立てなかったのでしょう。

 逆に言えば「右手を土俵につき、左手をポンとして立っていく」ということを、相手力士に認識させていることが、白鵬の強さでもあります。立ち合いのタイミングは白鵬の方が握っているのですから、優位にあるということになります。
 稀勢の里としては、「白鵬が右手を土俵についた」後で、自分有利・互角の立ち合いを行う工夫が必要なのでしょう。

3. 活躍した力士

・安美錦関 10勝5敗
 前頭3枚目での10勝は素晴らしい成績です。特に、初日・2日目と両関脇を破り、4日目に大関琴奨菊を破っての4連勝は見事としか言いようがないものでした。さすがに、稀勢の里・白鵬・鶴竜には敗れましたが、個性派力士を相手にしての11日目からの5連勝はベテラン健在をアピールするに十分でした。
 「立ち合いから一気に持っていく相撲」も目立ちました。いつも書くことですが、安美錦は技巧派力士と呼ばれていますが、実際には「前に出る力がとても強い」のです。これが、安美関最大の魅力です。

・勢関 11勝4敗
 前頭5枚目という番付で11勝は立派な成績です。敢闘賞を受賞しました。初日の魁聖戦は落としましたが2日目からは快進撃が続き9連勝。優勝争いに加わりました。終盤は2人の関脇に歯が立ちませんでしたが、来場所は幕の内筆頭あるいは小結まで番付を上げることでしょう。一層の活躍が期待されます。

・佐田の海関 10勝5敗
 新入幕で10勝を挙げて敢闘賞を受賞しました。序盤1勝2敗となった時には「少し苦しいか」と感じましたが、4日目から素早い動きで7連勝して一気に勝ち越しました。お父さんの佐田の海関同様に、新入幕の場所での敢闘賞受賞は、歴史に残る快挙です。たった一度のチャンスをものにしたのですから。

・大砂嵐関 10勝5敗
 豪快な取り口が際立ちました。相撲巧者と言われる力士を根こそぎ運ぶパワーは魅力的です。一方で、まだまだ「相撲を知らない」と感じさせるシーンもたびたび登場します。「おっつけ」や「かいなの返し」などを少し身に付ければ、相当上位でも活躍できそうです。
 パワー系外国出身力士が苦手としている「相撲の基本型習得」ですが、元横綱武蔵丸関は見事に身に付けました。そして、そのパワーが一層活きることに繋がり横綱に昇進したのです。

・千代鳳関 5勝10敗
 初めての三役・小結の場所での5勝は立派。真正面からの堂々たる取り口は素晴らしいものでした。横綱相手でも自分の相撲を展開し、日馬富士からは初の金星。今場所の経験を活かして、次の三役の時には勝ち越してほしいものですし、十分に可能性があると思います。

4. まとめ

 5月場所は、力の入る一番・熱戦=「大相撲」が多かったと思います。各力士の気迫がひしひしと感じられました。土俵が充実していたということでしょう。

 一方で「まげ」に絡む相撲も散見されました。鶴竜-豪栄道、日馬富士-稀勢の里といった、横綱の相撲でも観られました。

 「故意にまげを掴む」という点が議論の的となりましたが、私は故意であろうが、偶然であろうが、「まげを掴んだら反則負け」というのが明確で良いと思います。故意か故意で無いかという、恣意性・曖昧な解釈論が入り込むのは、お客にとって分かり難く、不公平を生む怖れがありますから、回避すべきでしょう。

 普段から「まげを掴み難い取り口」を稽古して行くべきです。そもそも「はたき込みは良くない」という意見も時々聞かれるのですから、なるべくはたき込まない相撲を心掛けて行くのが良さそうです。

 横綱白鵬の優勝回数も29回となりました。まさに大横綱です。その立ち居振る舞い・言動を見ても、大横綱の風格・オーラに溢れています。日本文化・大相撲の歴史を体現している存在だとも感じます。

 その白鵬が、千秋楽翌朝(26日朝)の恒例の優勝力士記者会見を行わなかったということがニュースとなりました。横綱自身が語りませんので理由は判明していませんが、白鵬関に対する失礼な事象が場所中に発生したのかなとも想像します。
 我が国の国技をこれだけ支えてきた力士に対して、私達は十分な敬意を持って接する必要があります。かけがえのない力士としての白鵬関に対しては、ファンの皆さんの圧倒的な支持が存在するのでしょう。

 最後にいつものコメントです。日本出身力士の優勝は今場所も実現しませんでした。大相撲の一層の繁栄のためにも、来場所こそは見たいものだと思います。

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大相撲2014年5月場所を振り返って  
Comment
113
ちょっと指摘を。
まず遠藤関について。遠藤が金星を挙げたのは鶴竜で日馬富士ではありません。
そして千代鳳は新三役でこれも買ってのは鶴竜です。そして新三役ですので金星ではありません。

114
訂正
買ってのは→勝ったのはでした。
失礼しました。

116
コメントありがとうございます。
ご指摘いただき、ありがとうございました。
おっしゃる通りです。

ご指摘の通りですが、本文の訂正は行わないことに
したいと思います。
一度アップしたものは原則として直さない(日付や文字の間違い等を除いて)ルールに
しているからです。いただいたコメントと共に本稿を読んでいただければ幸いだと
考えています。

引き続き、コメントよろしくお願いいたします。



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