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 新国立競技場の建設に向け、国立競技場が解体されます。

 1964年東京オリンピックのメイン会場であり、幾多のスポーツイベントが開催されてきた「国立」。何度も足を運び、喜び悔しがった日々が思い出されます。

 本稿で言う国立競技場は、正式には「国立霞ヶ丘陸上競技場」のことです。「国立競技場」というのは、この国立霞ヶ丘陸上競技場に、国立代々木競技場や国立西が丘競技場(味の素フィールド)なども含んだ総称ということですが、私にとっては、そして多くのスポーツファンにとっては、国立霞ヶ丘陸上競技場=国立競技場なのでしょう。

 その国立競技場では、陸上競技やサッカー、ラグビーなど様々な競技が行われてきました。そして、我が国最高峰の競技場ですから、日本一、世界一を争う大会・試合が実施されてきたのです。

1. 定期的に開催された大会・試合

① サッカー天皇杯決勝
 定期的に開催される試合・大会も沢山ありますが、何といっても一番有名なのは元日に行われるサッカー天皇杯決勝戦でしょう。幾多の好勝負が展開されましたし、日本のサッカープレーヤーにとって「元日に国立のピッチに立つこと」は、大変大きな栄誉だったのでしょう。

 その第一回は1969年(昭和44年)の元旦のゲームでした。以来45年間、同じ会場で毎年定期的に開催される「日本一を決めるスポーツイベント」としても屈指の歴史を誇ります。有名であることも当然でしょう。

② ラグビー大学選手権大会・準決勝の2試合
 元旦の天皇杯サッカーが終わると、1月2日には「全国大学ラグビー選手権大会の準決勝2試合」が行われました。これも恒例となっていて、同じ2日に開催される箱根駅伝・往路と合わせて視聴するために、テレビ操作には毎年頭を悩ませたものです。

 1月2日というと、初詣や初売りといったイベントも目白押しなのですが、箱根駅伝+大学ラグビーということで、私は原則として昼間外出しません。

 国立競技場にとっても、1月1日にサッカー、2日にラグビーということで、1年間で最も忙しい時期のひとつであったと思います。芝の管理などは、大変だったのではないでしょうか。

③ 早明戦(ラグビー)
 毎年12月の第一日曜日に、関東大学ラグビー対抗戦グループ伝統の早明戦が、国立競技場で行われました。公式には、関東地区の大学の対抗戦グループに所属するチーム同士の定期戦ということになるのですが、これがラグビー界最大のイベントのひとつなのです。

 20世紀には毎年超満員、素晴らしいゲームが展開されました。何回観に行ったか分からないほどですが、両校の気迫溢れるプレーは絶えることなく続いて来ました。

 国立競技場でのラグビーの試合では、インゴールのエリアが少し小さいのでビニールシートが敷いてありました。日本一を決める試合でビニールシートはいかがなものかという意見もありましたが、選手達にとっては「国立でプレーすること」の重要性が、遥かに勝っていたことでしょう。

 この他にも、1958年開始の日本陸上競技選手権大会や1976年に開始された全国高等学校サッカー選手権大会、1980年~2001年にはサッカーのクラブチーム世界一を決める「トヨタカップ」の会場となるなど、国立競技場を舞台として毎年定期的に日本一・世界一を決めるイベントが開催され続けていたのです。

 これ程多種・多様な、日本一・世界一の大会が開催され続けた競技場というのは、「世界的に見ても少ない、というか滅多に無い」のではないかと感じます。

 スポーツ大国アメリカなら、競技毎に立派な競技場が用意されているでしょうし、合衆国というくらいですから、州毎に相応の競技場が存在するでしょうから、「特定の競技場に各種のスポーツイベント、それも国家や世界のチャンピオンを決めるイベントが集中する」ということは、有り得ない感じがします。

 一方ヨーロッパなら、サッカーとラグビーは別の会場で行われるでしょうし、陸上競技場のピッチで、サッカーやラグビーの大きな大会・試合が行われることは少ないでしょう。

 こうして見ていくと、「国立競技場」は世界一多種多様なハイレベルのスポーツイベントが開催されてきたスタジアムと言って良いのではないでしょうか。
 ギネスものでしょう。

2. 最も印象に残っている大会・試合

 幾多の競技・大会・試合を「国立」で観てきました。「最も」というものを選定するのはとても難しいのですが、1979年のFIFAワールドユース大会を挙げることにします。

 1979年(昭和54年)の8月25日から9月1日にかけて開催されたFIFAワールドユース大会は、1964年東京オリンピックを除けば、我が国で開催された最初のサッカーの本格的国際大会であったと認識しています。
 世界中の予選を勝ち上がった代表16チームが、4チームずつに分かれてグループリーグを戦い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進むという、FIFAワールドカップと同様の形式で行われました。

 グループリーグは、グループAが国立競技場、グループBが大宮公園サッカー場で、グループCが神戸市立中央球戯場で、グループDが横浜三ツ沢公園球技場で開催され、決勝トーナメントの準々決勝は4会場で、準決勝は国立と神戸で、決勝は国立で行われました。

 私は、この大会の国立競技場で開催されたゲームの大半を観戦しました。毎試合、仕事が終わると大急ぎで「国立」に駆け付けたのです。

 Jリーグが始まる10年以上前の大会ですから、観客動員を心配しましたが杞憂でした。準決勝のアルゼンチン-ウルグアイは20000人、そして決勝のアルゼンチン-ソ連は52000人の大観衆で埋め尽くされました。
 「ワールドカップも開催できる」と確信したことを憶えています。

 ピッチ上で展開されたゲーム内容も、素晴らしいものでした。この大会は「アルゼンチンチームのための大会」でした。

 アルゼンチンユースチームには、才能溢れるユースプレーヤー(20歳以下)が集まっていました。極めて高い得点力を誇るラモン・ディアス選手や天才的なボール捌きを魅せたディエゴ・マラドーナ選手が中心のチームでしたが、その圧倒的な攻撃力と堅実な守備陣の力が相俟って、危なげ無く勝ち上がり、決勝戦も3-1の快勝でした。

 ディアス選手の素晴らしいドリブルからのシュートや、マラドーナ選手のバナナシュートは眼に焼き付いています。
 「アルゼンチンは強くなる」と確信しました。この時のメンバーを主体に1986年メキシコ・ワールドカップでアルゼンチンは優勝しました。アルゼンチンが自国開催以外の大会で初めて優勝した大会であり、「マラドーナの大会」と呼ばれるワールドカップでした。

 まだ磨かれていない宝石が散りばめられたようなユースのアルゼンチンチームを、何度も目にすることが出来たことは、本当に幸せなことでしたし、舞台としての国立競技場も素晴らしい佇まいでした。

 大歓声の中、空を見上げると、夕闇迫る神宮の森の大きな空が広がっていました。とても大きな空でした。

 「空が広いスタジアム」というのが、国立競技場の印象です。世界有数の大都市東京の都心に在るとは、とても思えない景色です。
 新国立競技場の建設に際して、様々な報道がなされていますが、「景観に配慮し、高さを抑えて造った」ということなのです。
 かつて国立競技場に行く度に、「どうしてメインスタンドが、もう少し大きくないのだろう」「メインスタンドが、もう少し大きければ、より良い角度からゲームを観られる人が増えるのに」と感じていましたが、そもそもスタンドの高さを抑えることを目標に建設されていたのですから、止むを得ないことだったのです。

 そうした肝心なことを、取り壊しが決まり、新競技場建設開始の段になって知るのですから、何とも間抜けな話ですが、あの国立競技場の美しいフォルムの理由が少し分かったように思います。

 国立競技場は、本当に美しいスタジアムだと思います。あの楕円形のフォルム、バックスタンド側が大きく膨らんでいますが、すり鉢型ではなくスタンドの角度がとてもゆったりとしているので、スタンドのどこからでも、広い空を感じることが出来ます。
 真っ青な空のもと、プレーヤーは存分に駆け回るのです。

 21世紀に入ると、8コースしかない陸上競技トラックは、国際陸上競技連盟の世界大会開催基準を満たさなくなり、全体として設備が古くなってしまいました。サッカー場としても、日本でのワールドカップ開催を契機に、埼玉・横浜を始めとして日本中に立派なスタジアムが建設されましたから、「国立」が使用される頻度は下がりました。スポーツイベントが減少して行ったのです。

 そして、音楽イベント・コンサートが開催されるようになったのでしょう。
 2005年にSMAPが初の単独ライブを行い、2007年にDREAMS COME TRUEが続き、2008年には嵐が講演を行いました。
 2012年のL’Arc~en~Cielのコンサートには80000人が入場し、これが国立競技場の最多入場者数の記録となっています。
 その後も、ももいろクローバーZ、AKB48などのコンサートが次々と行われました。5万人以上の観客席を持つ「国立」は、大掛かりなコンサート会場にはピッタリなのですが、そのキャパシティ以上に、あの独特の形状と雰囲気が、音楽イベントに向いていたのだろうと感じます。

 スポーツに音楽に。大袈裟に言えば、この時代に生きた人々の人生の一シーンであった国立競技場。お疲れ様でした。ありがとうございました。
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