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HOME   »   ゴルフ  »  [ゴルフ] アメリカ人プレーヤーが勝てなくなってきた全米オープン
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 全米オープンゴルフ大会(男子)は、世界4大メジャー大会のひとつであり、例年6月の中旬に開催されます。1895年に第一回が開催された、世界屈指の歴史と伝統を誇る大会でもあります。

 かつてこの大会は「アメリカ以外の国の選手が勝てない大会」としても有名でした。

 第二次世界大戦中の中断時期を経て、1946年・昭和21年に再開された大会は、以降1964年までの19回連続してアメリカ人プレーヤーが優勝しました。

 全米「オープン」というのですから、プロプレーヤーのみならずアマチュアプレーヤーにも広く門戸が開放されていますし、予選会には世界中のプレーヤーが参加できるルールになっています。
 こうした条件下で、19回連続アメリカ人プレーヤーが優勝し続けたのですから「全米オープンはアメリカ人以外勝てない」と言われたのも、肯けるところです。もちろん、この時代のアメリカのゴルフが世界一のレベルにあり、世界のゴルフ界を牽引していたことは言うまでもありません。

 1946年~1964年の間の全米オープンにおける、アメリカを代表するプレーヤーは、何と言ってもベン・ホーガン選手でしょう。1948年・50年・51年・53年と4度の優勝に輝いています。現在でも読み継がれている名著「モダン・ゴルフ」が、近代ゴルフに与えた影響の大きさと共に、アメリカを、そして世界を代表するプレーヤーでした。
 この時期の終盤には、アーノルド・パーマー選手やジャック・ニクラウス選手といった、次代を担う若手プレーヤーも、優勝者に名を連ねています。

 この「アメリカ不敗神話」を初めて破ったのが、ゲーリー・プレーヤー選手(南アフリカ)でした。
 プレーヤー選手は1965年にベルリーブ・カントリークラブで開催された全米オープンで優勝しました。戦後初のアメリカ人以外のプレーヤーによる優勝。この快挙は、とても大きく報じられました。

 ゲーリー・プレーヤーの快挙の後、1966年から1969年までの4回の大会はアメリカのプレーヤーが優勝し、1970年にイングランドのトニー・ジャクリン選手が、戦後2人目のアメリカ以外のプレーヤーの優勝を成し遂げました。

 以降1971年~1980年の10回の大会はアメリカ選手が制し、1981年にデビット・グラハム選手(オーストラリア)が優勝、1982年~1993年の12回の大会はアメリカ選手が制するといった具合で、他国のプレーヤーが時々優勝するとはいえ、10年に一度位のペースであり、「全米オープンはアメリカ人プレーヤーのもの」という原則は、依然として維持されてきたのです。

 1966年~1993年の28年間の全米オープンにおける、アメリカを代表するプレーヤーはジャック・ニクラウス選手。この間に3度の制覇を魅せるとともに、他のメジャー大会でも大活躍し、「帝王」の名を欲しい儘にしました。
 そして、リー・トレビノ選手やヘール・アーウィン選手、カーティス・ストレンジ選手、アンディ・ノース選手らが複数回の優勝を成し遂げています。中でもヘール・アーウィンは、1974年・79年・90年と3度の制覇に輝きました。アーウィンは「全米オープンに特別に強い」プレーヤーで、難しいセッティングになればなるほど、力を発揮したように感じます。
 この他にも、ジョニー・ミラー選手やヒューバート・グリーン選手、トム・ワトソン選手、レイモンド・フロイド選手やペイン・スチュワート選手などなど、綺羅星の如くアメリカ選手の優勝者が並びます。
 ゴルフというスポーツが世界中に普及して行ったこの時期のアメリカ・男子プロゴルフ界は黄金期を迎え、極めて多彩で強力な陣容を誇っていたのです。

 しかし、この神話にもついにターニング・ポイントが訪れました。

 1994年オークモント・カントリークラブで開催された大会で、南アフリカのアーニー・エルス選手が優勝したのです。優勝スコアを常にイーブンパー前後にセッティングする全米オープン開催コースの中でも屈指の難コースであり、「最も全米オープンらしいコース」と呼ばれるオークモント(この時、同コースで7度目の開催)で、エルスは他国プレーヤーとして初めて勝利を収めたのですが、この優勝から「アメリカにとっての外国人プレーヤー」による優勝が急増したように感じます。

 アーニー・エルスは3年後の1997年にも2度目の優勝、2001年には同じ南アのレティーフ・グーセン選手が優勝しています。戦後初めてアメリカ人以外のプレーヤーとして優勝したゲーリー・プレーヤーといい、ここまで3人の南アフリカのプレーヤーが優勝しているのです。
 1946年~2001年の56年間に、全米オープンに勝った他国プレーヤーは5人しか居ませんが、その内3人が南アフリカ出身なのですから、「南アのプレーヤーは全米オープンに強い」ということになります。

 この間、アメリカではタイガー・ウッズ選手が登場、2000年と02年に優勝し気を吐きましたが、他国勢の攻勢を押し返すには至りませんでした。

 そして直近の10年、2004年~2013年の10回の大会では、アメリカのプレーヤーが3勝、他国プレーヤーが7勝と、一気にアメリカ人プレーヤーが勝ち難いトーナメントに様変わりしたのです。急激な変化と言えます。

 過去10年の優勝者を並べてみます。

・2004年 レティーフ・グーセン(南ア) 2勝目
・2005年 マイケル・キャンベル(ニュージーランド)
・2006年 ジェフ・オグルビー(オーストラリア)
・2007年 アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)
・2008年 タイガー・ウッズ(アメリカ) 3勝目
・2009年 ルーカス・グローバー(アメリカ)
・2010年 グレアム・マクダウェル(北アイルランド)
・2011年 ローリー・マキロイ(北アイルランド)
・2012年 ウェブ・シンプソン(アメリカ)
・2013年 ジャスティン・ローズ(イングランド)

 となっています。
 世界中のプレーヤーが入り乱れる結果となっていますが、面白いのは2007年にカブレラ選手が優勝するまでは、南ア・豪州・アルゼンチンといった「南半球」出身のプレーヤーが優勝していたのですが、2010年にマクダウェル選手が勝ってからは、北半球というか、イングランド・アイルランドのプレーヤーが強いという点でしょうか。2010年以降については、まだ傾向という程度の期間しか経っていませんけれども。

 いずれにしても、アメリカ合衆国のナショナル・オープンたる全米オープンで、アメリカ選手が勝てなくなってきているのは間違いがないところです。
 
 もちろん、他国・他競技のナショナルオープン大会でも開催国のプレーヤーが中々勝てなくなっている例はいくらでもありますが、事は「スポーツ大国」「ゴルフ大国」アメリカの話ですから、少し様相が異なります。

 20世紀の終盤まで、絶対的な優位にあったアメリカのゴルフが、他国のゴルフに追い付かれているのでしょうか。
 他の大会の結果を見る限り、一概には言えないように思いますが、アメリカのゴルフと他国のゴルフとのレベルの差が小さくなって来ているのは事実なのでしょう。

 全米オープン2014は、6月12日~15日、ノースカロライナ州パインハースト・ゴルフリゾートNO.2コースで開催されます。(同コースで3度目)
 勇躍乗り込む外国人プレーヤーが強いのか、迎え撃つアメリカ人プレーヤーが強いのか、興味は尽きないところです。
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