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HOME   »   サッカー  »  [ブラジルWC-45] 準決勝の見所 決勝は「ドイツvsオランダ」?
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 大会前6月8日の本ブログ「ベスト4・準決勝の展望」では、準決勝の組合せとして
・ブラジルvsドイツ
・スペインvsアルゼンチン
 と予想していましたが、

 実際の組合せは
① ブラジルvsドイツ
② オランダvsアルゼンチン
 となりました。

 4チームの内3チームは予想通りのベスト4進出となり、グループリーグでスペインチームが敗退、代わってグループBを1位で突破したオランダが準決勝まで歩を進めたという形です。

 このベスト4・準決勝の組合せは、世界中のファンが「スペイン敗退後に」最も多く予想した組合せのひとつでしょう。

 コロンビアやコスタリカといったチームが躍進した大会ですが、ベスト4となると落ち着くところに落ち着くのですから、ブラジル・ドイツ・アルゼンチンといった「ワールドカップ2回以上優勝国」の底力というのは凄いものだと、改めて感じます。

 さて、この2つのゲームの注目点を観てみましょう。

1. 南米開催の大会は南米勢が優勝するというジンクス

 このジンクスはいまだに破られていませんから、本ブログでも「公理」として扱っています。この公理によれば、決勝は「ブラジル対アルゼンチン」となる可能性が高いこととなりますが、本当にそうでしょうか。

A.そもそも南米開催の大会が少ないこと

 中米も含めても中南米で開催されたワールドカップは28年前の1986年メキシコ大会まで遡ります。
 もともと、ワールドカップは開催に巨額の費用を要するものでしたが、近年その費用は膨張の一途ですから、比較的貧しい国が多い南米では中々開催できなかったのです。
 今般、経済発展により富を得たとされるブラジルが開催に漕ぎ付けましたけれども、実際には「貧富の差拡大」等を理由に、ブラジル国内でも反対論が根強い状態です。

 近代サッカーという意味で今から50年前1964年以降のワールドカップを観てみると、中南米開催は1970年メキシコ大会、1978年アルゼンチン大会、1986年メキシコ大会の3回しかありません。南米開催はアルゼンチン大会1回しかないのです。
 50年間に12回開催されたワールドカップの中で3回しかなかった大会の優勝チームが南米勢だったからと言って、「公理」としてよいものかどうかという疑問は残ります。

B.開催国優勝が減っていること

 サッカー競技は地元が強いと言われます。実際のところ、過去のワールドカップでは開催国が優勝している場合も多いのです。
 先程と同様に過去50年間12大会を観てみると、1966年イングランド大会ではイングランドが優勝、1974年の西ドイツ大会では西ドイツが優勝、1978年のアルゼンチン大会ではアルゼンチンが優勝、1998年のフランス大会ではフランスが優勝といった具合です。
 また、イングランドとフランスは、開催国大会でしか優勝していませんから、開催国の強さを示す事例とされています。

 しかし、開催国優勝は1998年フランス大会が最後となっています。21世紀には開催国優勝は無いのです。
これには理由もあって、FIFAの世界戦略の一環として「欧州・中南米以外の地域でワールドカップを開催する」こととしたことです。
 1994年アメリカ大会、2002年日本・韓国大会、2010年南アフリカ大会が相当しますが、これらの大会では、残念ながら開催国に優勝できる実力が無かったため、開催国優勝はできませんでした。

 一方で2006年ドイツ大会のドイツチームは、当然ながら優勝候補の筆頭でしたが、準決勝でイタリアに敗れ、3位決定戦に回りました。イタリアが優勝したのです。
 実は1990年イタリア大会では、開催国イタリアが準決勝で西ドイツに敗れ3位決定戦に回り、西ドイツが優勝していましたから、2006年大会はこのお返しであったとも言えるのですが、いずれにしても自国開催で開催国が勝てない例が増えているのです。
 出場する強豪国間の大会時点の実力差が小さくなっているとも言えるのでしょう。

 こうした状況下で「南米で行われるワールドカップでは南米勢が優勝する」というジンクスが続くという保証は無いように感じられます。

 一方で「南米特有の高温多湿の気候では欧州チームは力を発揮できない」ことと、「スタジアムを埋め尽くす圧倒的な地元ファンの応援」が、南米チームの追い風となることは間違いありません。
 この追い風の影響度合いを判断する必要があります。

2. 戦力比較

 ブラジル、ドイツ、オランダ、アルゼンチンの戦力は、大会直前の比較であれば互角だったと思います。サッカーのタイプは違うものの、それぞれに素晴らしいプレーヤーと戦術が存在しました。

 しかし、大会が進み準決勝を迎える段階では、少し様相が異なりました。

A. ブラジルvsドイツ

 今大会ここまでの成績は、ブラジルが4勝1引分(1PK戦勝ち)、ドイツが4勝1引分(1延長戦勝ち)とほぼ互角です。

 ただし、ご承知のようにブラジルチームはネイマール選手を故障で、チアゴシウバ選手をイエローカード累積で欠くこととなりました。攻撃と守備の中心選手、特にチアゴシウバは不動のキャプテンです。その影響は大きいと言わざるを得ません。

 過去2大会連続3位のドイツチームは、ベストメンバーで、つまり先発にクローゼ選手を配する得点力最強のメンバーで臨むことになるでしょう。

 戦力的にはドイツチームが優位にあることは、間違いないと思います。

 これに対してブラジルチームが「サッカー王国の選手層の厚さ」と圧倒的な応援を背景にどこまで戦えるかがポイントでしょう。

B. オランダvsドイツ

 ここまでの成績は、オランダが5勝(1PK戦勝ち)、アルゼンチンが5勝(1延長戦勝ち)とこちらもほぼ互角です。

 ただし、アルゼンチンは決勝トーナメントに入ってから、スイス、ベルギーとの対戦でアルゼンチンらしいプレーを展開できませんでした。チーム全体が連動する華麗な攻撃サッカーが影を潜めています。
 加えて、今大会チーム全体の動きが良いとは言えない中、最も精力的にピッチを走り回り、攻守に孤軍奮闘したディマリア選手を故障で欠くこととなりそうです。大きな戦力ダウンでしょう。

 「疲れを知らぬ持続力でチームを牽引するプレーヤー」の存在感は、とても大きなもので、強いチームには必ず居ます。多くのチャンスや守備の好プレーが、こうしたプレーヤーから生まれているのです。

 例えば、スペインならイニエスタ選手、ブラジルならフッキ選手、ドイツならトマス・ミュラー選手やシュバインシュタイガー選手、オランダならロッベン選手が、相当するでしょう。アルゼンチンチームは、ディマリア抜きで戦うことになるのです。ディマリアと同レベルの技術を保有するプレーヤーは、サッカー大国アルゼンチンですから複数存在するでしょうが、ディマリアほど動ける選手が居るかどうかは分かりません。

 一方のオランダチームは、「2010年南アフリカ大会から継続されているチームの主力ユニット」が全盛期・完成期を迎えたように観えます。それに若手が加わり、良いチームになりました。
 スナイデル選手、ロッベン選手、ファンペルシ選手、カイト選手、デフライ選手、マルティンスインディ選手、控えのフンテラール選手、レンス選手、等々メンバーが揃いました。これはプレーヤーの年次から来る「偶然の集合」ですから、一層意味があると思います。

 特に、欧州ビッグクラブの中心選手として長く活躍を続けている、スナイデル、ロッベン、ファンペルシの中核3プレーヤーには「圧倒的な存在感」があります。
 そして、この中核プレーヤー達に故障等による離脱者が居ないこと、つまりコンディションの良さは強みでしょう。

 このオランダチームにアルゼンチンチームが対抗し勝ち抜くためには、メッシ選手の獅子奮迅の活躍が不可欠だと思います。

 さて、まとめです。

 前述の南米の高温多湿の気候と圧倒的な応援という「追い風」は「戦力が互角・拮抗している時に威力を発揮するもの」だと考えます。戦力に差が有る時には、「追い風」をもってしても、その差を埋めるのは難しいのではないでしょうか。

 大会前には、決勝のカードは「ブラジルvsスペイン」と予想しましたが、以上の検討を踏まえると、「ドイツvsオランダ」ということになります。

 「ドイツチームとオランダチームがマラカナンスタジアムでブラジル大会の決勝戦を戦う」というのは、「ワールドカップの風景として極めて異質」であることは疑いの無いところですが、現状を比較・検討すると、こうなってしまうのです。

 この結論を打ち破るような「ワールドカップ南米開催に秘められた見えざる力」が存在するとすれば、それはそれで凄いことです。是非、見てみたいと思います。

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